2019.12.07
興奮がとまらない! アメリカ3州の音楽と文化を巡る旅【第1回】
○○○じゃない方のラスベガスが面白い! 街ごとフェスとエアロスミスに酔った2泊3日
一年に一度くらい、思いっきりスカッとする旅に出かけたいもの。そこで今回ご紹介するのは、アメリカでの“音楽に溺れる旅”です。舞台となるのは独自の音楽カルチャーを築く、ラスベガス、オースティン、ニューオリンズの3都市。心を刺激する音とともに、グルメやホテル、絶景をも満喫する旅を3週連続でリポートします!
- CREDIT :
取材・文/大石智子
ふたつの音楽イベント目当てにラスベガスへ
羽田発のアメリカン航空に乗り、ダラス経由で約15時間。飛行機がラスベガスに到着すると、そこはとんでもなく巨大な空港。無駄に広いと思うほどのスペースがあり、バゲージクレームの天井にはなぜかヘリコプターが吊るされている。通路にはスロットが並び、空港からして少々クレージーなためラスベガスに来た実感が湧いてきます。
今回は2泊3日という弾丸でのラスベガス旅。短すぎると思われるかもしれませんが、弾丸でも行きたい大きな目的がふたつありました。ひとつは音楽の祭典“Life Is Beautiful Music & Art Festival”。そしてもうひとつは、エアロスミスのコンサート! ともに来年も継続して行われるイベントのため、その詳細をお伝えしていきます。
眠らない街がさらにアツくなる3日間
会場には華やかなドラァグクイーンたちも登場。(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
9月21日にはシンガーソングライターのマギー・ロジャースがダウンタウンステージでライブを行いました。(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
映画『ムーンライト』での演技が絶賛され女優としてもブレイクしている個性派アーティスト、ジャネール・モネイも熱唱!
(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
会場には華やかなドラァグクイーンたちも登場。(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
9月21日にはシンガーソングライターのマギー・ロジャースがダウンタウンステージでライブを行いました。(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
映画『ムーンライト』での演技が絶賛され女優としてもブレイクしている個性派アーティスト、ジャネール・モネイも熱唱!
(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
そんな会場の中で、個人的にとどまってしまったのはFREMONT STAGEというドーム型のステージ。訪れた9月22日にはオランダ出身のトップDJ、オリヴァー・ヘルデンスやNY 出身の若きラッパー、シェック・ウェスなどが登場し、人々を熱狂させておりました。
雰囲気はとっても自由でみんな周りに我関せず。普段クラブやフェスに行かない人でも、大人の遊園地に行く気分で気楽にご参加くださいませ。しばらく行ってないけど久しぶりに行きたい……という方にもぴったりです。
多くの有名DJが現れたフリーモントステージ。(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
ご機嫌な観客で賑わうフリーモントステージ。
女性はこれぐらいの装いでちょうどなじむ。(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
イベントの協賛でもあるバカルディのモーテルの中には、数々のアートが飾られました。(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
多くの有名DJが現れたフリーモントステージ。(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
ご機嫌な観客で賑わうフリーモントステージ。
女性はこれぐらいの装いでちょうどなじむ。(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
イベントの協賛でもあるバカルディのモーテルの中には、数々のアートが飾られました。(写真:Courtesy of Life Is Beautiful)
STAY CRAZY!!
このイベントとラスベガスを楽しむポイントは、細かなことや体裁は忘れて、クレイジーでいることなのかもしれません。
カジノ王の系列ホテルに、気分がアガるイタリアンあり
砂漠側を一望する「ARIA Resort & Casino」のスイートルーム。 Address: 3730 S Las Vegas Blvd, Las Vegas, NV 89158 https://aria.mgmresorts.com/en.html
200ドル前後の「デラックス キングルーム」でもこの広さ。
かつてマイケル・ジョーダンも泊まったことがあるという最大級のスイートルーム。2階構造のため客室内にエレベーター付き。
ドレスアップしてイタリアン「Carbone」へ行けば、映画の主人公気分。 Address: 3730 S Las Vegas Blvd, Las Vegas, NV 89109
https://aria.mgmresorts.com/en/restaurants/carbone.html
砂漠側を一望する「ARIA Resort & Casino」のスイートルーム。 Address: 3730 S Las Vegas Blvd, Las Vegas, NV 89158 https://aria.mgmresorts.com/en.html
200ドル前後の「デラックス キングルーム」でもこの広さ。
かつてマイケル・ジョーダンも泊まったことがあるという最大級のスイートルーム。2階構造のため客室内にエレベーター付き。
ドレスアップしてイタリアン「Carbone」へ行けば、映画の主人公気分。 Address: 3730 S Las Vegas Blvd, Las Vegas, NV 89109
https://aria.mgmresorts.com/en/restaurants/carbone.html
ところでMGMとは映画やテレビ制作を行う企業「メトロ・ゴールドウィン・メイヤー」のことで、1973年に投資家のカーク・カーコリアン(1917-2015)に買収され、彼が1986年に創業したのがMGMリゾーツ・インターナショナルです。カーク・カーコリアンこそ砂漠のギャンブル場を世界的観光地へと変貌させたカジノ王であり、それを知るとMGM系列に泊まることは真っ当なラスベガスの過ごし方に思えてきます。
ちなみにカーク・カーコリアンは貧しいアルメニア移民の息子でしたが、賭け事に強い天賦の才を生かし億万長者に上り詰めた男。街の輝きは彼の波乱の人生の表れともいえましょう。
「Carbone」ではトリュフオイルが効いた牛肉のカルパッチョも人気。
「Carbone」の看板メニュー、“スパイシー リガトーニ アラ ウォッカ”。
ランチには「Bellagio Resort & Casino」に入る「Spago」もおすすめ。窓際の席からは噴水や「パリスホテル」のエッフェル塔を眺められます。
https://bellagio.mgmresorts.com/en/restaurants/spago-by-wolfgang-puck.html「Spago」ではプライムビーフのステーキも好評。高温のオーブンで焼き上げられ、外はクリスピーで中はジューシーという理想的なミディアムレア。
「Spago」の名物といえば、このスモークサーモンとキャビアのピッツァ。下にはクリームチーズが敷かれ、シャンパンが進む!
「Carbone」ではトリュフオイルが効いた牛肉のカルパッチョも人気。
「Carbone」の看板メニュー、“スパイシー リガトーニ アラ ウォッカ”。
ランチには「Bellagio Resort & Casino」に入る「Spago」もおすすめ。窓際の席からは噴水や「パリスホテル」のエッフェル塔を眺められます。
https://bellagio.mgmresorts.com/en/restaurants/spago-by-wolfgang-puck.html「Spago」ではプライムビーフのステーキも好評。高温のオーブンで焼き上げられ、外はクリスピーで中はジューシーという理想的なミディアムレア。
「Spago」の名物といえば、このスモークサーモンとキャビアのピッツァ。下にはクリームチーズが敷かれ、シャンパンが進む!
館内には14のレストランがあり、2200㎡のナイトクラブも設置。普通の街なら1ブロック歩くのは何てことないですが、すべてが巨大なラスベガスは1ブロックまでもひたすら長い! 食事は宿泊しているホテルでいただくのが自然な流れでして、こちらのイタリアン「Carbone」には満足しました。
「Carbone」はNYの人気イタリアンの支店であり、看板メニューの“スパイシー リガトーニ アラ ウォッカ”は必食。名前のとおりソースにウォッカが使われているパスタです。濃厚でちょい辛なトマトクリームソースが溝のあるショートパスタにしっかりからみ、そのボリュームに背徳感を覚えながらも手はとまらない。ネットにレシピがよく出ていますが、同じ美味しさにはならないでしょう。
また、店内は赤い壁の中央にシャンデリアが煌めくラグジュアリーな内装なので、思いっきりお洒落をしていくくらいがハマるし楽しい。加えてこちらはサービスまでもが格好よく、気持ちいい時間を過ごせます。話し方やワゴンサービスの所作に厚いホスピタリティを感じるので、チップを奮発したくなりますよ。
ラスベガスのエアロスミスは信じられないくらい近かった!
スティーヴン・タイラーは最前列のファンに自ら駆け寄り記念撮影を連発する大サービスぶりで、さらにはひとりの女性ファンをステージに座らせて50cmの距離で目を見つめて熱唱。一生の思い出に女性ファンは感極まっていたのでした。
そして最後の一曲は世界中の誰もが盛り上がる「Walk This Way」。この曲が始まるとステージ中央にクレーンの花道が伸び、スティーブン・タイラーが歌いながら会場奥まで歩いてくる。筆者とも5mほどの距離になり大興奮! すぐ側の生歌はもちろん、周りの熱狂を肌で感じ、秒ごとに感動します。会場の一体感も抜群ゆえ、終わった後はライブ特有の爽快感に包まれ、足取りも軽い。ホテルに戻ってエアロスミスを聞きながら明日の準備をしたのでした。
大スターのあとは大自然に感動する
ラスベガスへ行ったらレッドロックキャニオンへのツアーは必須。申し込みは下記「Pink Jeep Tours」のサイトから。
https://www.pinkadventuretours.com/tours/las-vegas-toursハイキングも含め半日くらいはレッドロックキャニオンで過ごしたい。
進むごとに赤のグラデーションのバランスが変わっていく。
何万年もかけてできた地層を側面にもつ山々。
人工的なものが何も見えない、果てしなく続く山々に誰もが圧倒されます。
ラスベガスへ行ったらレッドロックキャニオンへのツアーは必須。申し込みは下記「Pink Jeep Tours」のサイトから。
https://www.pinkadventuretours.com/tours/las-vegas-toursハイキングも含め半日くらいはレッドロックキャニオンで過ごしたい。
進むごとに赤のグラデーションのバランスが変わっていく。
何万年もかけてできた地層を側面にもつ山々。
人工的なものが何も見えない、果てしなく続く山々に誰もが圧倒されます。
このエリアに着くと、不思議と寝不足も疲れも忘れてしまった。「これがパワースポットか!」と、身体で納得するのです。感じるのは数億年の地球の歴史。レッドロックキャニオンは、海や水の力で作られた地層がダイナミックに広がる、大地の成り立ちを可視化できる場所なのです。地名どおり赤色の岩が多いのは、酸化鉄や赤鉄鉱が含まれるため。そこにグレーやオレンジ、ベージュが重なり、大自然のグラデーションが美しい。
そして、とにかく広い! 奇岩による山が延々と続き、まるで他の惑星に来てしまったかのうよう。カジノで負けた人はここに来たら、お金のことなどはすベて忘れられるでしょう。ラスベガスのロケーション、よくできていますね。人間による造りものである街と、地球の造りものである山のコントラストも面白い。
ところで筆者のカジノ体験。ラスベガスに来て一度もカジノをやらないのはどうなのかと思い、去り際に空港でスロットに挑戦。1ドルを入れたところ、何がどうなったのか88ドルとなりました。舞い上がりましたが、いいことは続かないというメンタルのため速攻ストップ。思わぬおこづかいを手に入れ、テキサス州オースティンへと向かいます。88ドルはそこで音と酒に消えることに…。
というわけで来週は、知る人ぞ知るライブミュージックの都の遊び方をご紹介します!
アメリカン航空で音楽の旅へ!
● 大石智子(おおいし・ともこ)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。SDエイバルファン。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。