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2020.01.12

金沢から足を伸ばして! 加賀温泉郷で究極のリラックスを【前編】

オリンピックイヤーの2020年、インバウンドもピークに達すると予想されるなか、意外と外国人観光客の方が日本の秘境に詳しかったりするなど、日本の良さを再認識せざる得ないタイミングが訪れています。今回は人気の観光地、石川県の金沢からほど近い加賀温泉郷を2回にわたってご紹介します。

CREDIT :

写真/Shoko Takayasu 取材・文/菅 礼子

2015年に新幹線が開通して以来、金沢はすっかり人気のデスティネーションとなりましたが、実はそこからちょっと足を伸ばせば行ける素晴らしい温泉があるんです。

山中温泉、山代温泉、片山津温泉という3名湯を石川県加賀市に有す加賀温泉郷は、古くは松尾芭蕉や与謝野晶子、北大路魯山人が愛したことでも知られる由緒ある温泉で、金沢から電車で30分という近さ。

実は知らない方も多いのですが、金沢とプラスアルファで訪れると、数種もの湯を楽しめるということでチェックしてきました。
風情ある温泉街といった街並みの山中温泉の目抜き通り。
山代温泉の「古総湯」は明治時代の外観を復元したという風情ある趣き。
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加賀温泉郷でチェックすべきは“総湯”

“総湯(ソウユ)”と聞いてピンと来た方はかなりの温泉ツウ。石川県では共同浴場のことを総湯といい、山中温泉、山代温泉、片山津温泉各地に総湯があります。加賀市内に3つもの温泉があることもあまり知られていないのですが、総湯という文化は地域に根ざしたもの。

デートの際はお部屋の個室風呂に……と気が逸るのはもっともですが、焦らずにまずは加賀温泉郷の総湯へ。市内でまったく違った泉質の温泉を楽しめるほか、その土地の温泉文化も味わえ、総湯ごとの魅力も異なるのでとても興味深いんです。
約1300年の歴史のある山代温泉は現在もゆったりとした時間が流れています。
総湯や旅館が立ち並ぶ「湯の曲輪(ゆのがわ)」は今なお温泉街の原風景が残されています。
山代温泉には“総湯”と“古総湯”があり、総湯は加水なしの100%源泉の共同温泉。古総湯は内装に九谷焼のタイルなどを使い、総湯の跡地に明治時代のスタイルを再現したレトロな温泉で情緒もたっぷり。温泉の文化や歴史を楽しめる「体験型温泉博物館」として人気を集めています。

山代温泉の古総湯の前を通ると、当時の趣が感じられる街並み「湯の曲輪(ゆのがわ)」が広がり、確かにタイムスリップしたかのような気持ちになります。ちなみに古総湯は“湯あみ”という温泉に浸かるだけのスタイル。当時の温泉文化をここで味わえます。
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山代温泉、山中温泉とは一線を画すモダンな総湯は谷口吉生氏らしい建築デザイン。
一風変わった片山津温泉の総湯はニューヨーク現代美術館MoMAの建築を手がけたことでも知られる谷口吉生氏によるモダンな建物です。霊峰白山が望める絶景テラスや自然光が燦々と降り注ぐカフェもあり、お洒落な雰囲気で温泉を堪能できるのがこちらの総湯の魅力。

総湯の中には「森の湯」、「潟の湯」があり、それぞれ大きな窓から緑と目の前に広がる柴山潟の水面というダイナミックな自然を堪能できます。
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山中温泉の総湯「菊の湯」もクラシックな外観です。総湯の周りには足湯や源泉を飲める場所もあり、「この湯に浸かるだけで長生きできる」と昔から言われているそうで、温泉をそのまま飲むというのは相当な効き目がありそう。

温泉の周りでは季節によってカニ汁などが販売されているのですが、加賀温泉郷は美食の宝庫としても知られており、こちらもとっても美味。
山中温泉の総湯は男女別棟となっています。総湯で男女が別の建物になっているというのは珍しいそう。
加賀市には橋立漁港があるため、水揚げされたばかりの新鮮な海の幸が豊富にいただけるのも加賀温泉郷の魅力。温泉街で季節によって販売されているカニ汁はフレッシュでリーズナブル。絶対飲むべし!
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大人の宿は抜け目なくチェックを

総湯の次は、大人な温泉旅に絶対欠かせない温泉旅館をご紹介。山代温泉にある「あらや滔々庵」は北大路魯山人が愛した宿として有名で、大聖寺藩前田家藩主が入湯していたという歴史ある宿です。

館内には魯山人の作品の他、館主目利きの現代アートがいたる所にあり、まるで美術館! な雰囲気の中で歴史の重みと素晴らしさを感じることができます。

全17室のうちプライベート温泉が完備されているお部屋は10室。中でもオススメの客室は魯山人も宿泊したと言われる「御陣の間」。べんがら塗りの朱赤の壁に漆塗りの柱や天井がとってもゴージャスな内装です。こちらもタイムスリップしたかのような気分になる特別室。ぜひご予約を。
夜は仄暗い光を頼りに館内の渡り廊下を抜けてひっそりと佇む「有栖川山荘」のバーへ。明治初期に天皇陛下御来館の際に建てられたもので、宿泊者限定の和モダンなバーはプライベート感満載です。築100年以上という歴史を感じる空間で味わうお酒は格別。
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温泉旅館の外にも異空間に迷い込んだような大人が楽しめるバーが多いのが加賀温泉の魅力です。山中温泉にある「和酒BAR 縁がわ」は石川県の日本酒を中心に扱う隠れ家バー。

緑深い長谷部神社の横にひっそりと佇む古民家バーは情緒たっぷり。常時30種以上の地酒を用意してあるほか、日本酒によって酒器を提案してもらえるなどこだわりが満載です。

オーセンティックなバーテンダースタイルの店主と純和風な店内のコントラストも新鮮。店内の雰囲気だけでもほろ酔いになれそうなセンスの良さです。

■ 和酒BAR 縁がわ

まだ知らない加賀温泉郷の魅力は 【後編】 へと続きます。

■ 加賀温泉郷

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