2023.01.08
400年以上の歴史をもつ宿場町にできた「BYAKU Narai」には、旅で感じたい非日常が詰まっている
近年、古い建物をリノベーションしたホテルの人気が高まっていますが、2021年8月に開業した「BYAKU Narai」はその中でも一際センスに溢れる場所。かつての酒蔵と民宿が、大人の好奇心をくすぐる空間に生まれ変わっています。
- CREDIT :
文・写真/大石智子
なによりも奈良井宿という立地がスペシャル
奈良井宿は徳川幕府が定めた五街道のひとつである中山道の中間地点。日本橋と京都の三条大橋を結ぶ中山道は、その名の通り山脈の間を貫通する街道で、奈良井宿は言ってみれば超内陸。静岡の沿岸部出身で東海道に慣れた自分にとって、そこはミステリアスな世界で憧れがあったわけです。
さて、塩尻駅構内のワインバーで景気づけの塩尻産ワインをいただいて奈良井駅に向かいます。個人的にはこの塩尻〜奈良井の鉄道移動(23分)がひとつ目のハイライトでした。車窓からの眺めで、ぐんぐん山間に入っていると感じる。標高の高い内陸に吸い込まれていく体感と言いましょうか。この先に遊び好きな大人も満足する贅沢なお宿があるとしたら、それこそ大きなギャップ。デスティネーション宿です。
最近では同宿がきっかけで歴史深い街が新たな層にも注目され、2022年7月にはプレミアムな野外レストランイベント「DINING OUT」も開催されました。動きだしている奈良井宿が、いま見逃せないのです。
日本家屋のリノベーションがお見事!
いや、でも圧巻の天井高をもつ「百三」(68㎡)も捨てがたい。高〜い吹き抜けに組まれたライン照明がまたお洒落なのですよ。いっそはしごして異なる2部屋に泊まるのも大いにあり。
宿内の酒蔵で醸された日本酒を呑み、空間にもっと酔いしれる
「narai」は「suginomori brewery」のHPから購入可。720ml 5500円。 https://www.narai.jp
Photo / Tomohiro Mazawaレストランの窓から酒蔵が見えます。Photo / Tomohiro Mazawa
「narai」は「suginomori brewery」のHPから購入可。720ml 5500円。 https://www.narai.jp
Photo / Tomohiro Mazawaレストランの窓から酒蔵が見えます。Photo / Tomohiro Mazawa
山間の郷土料理が洗練されたひと皿に変わる
信州野菜に鯉こく、信州牛、イワナごはんを堪能して、明日は中山道を歩けるくらい栄養を補給。身体が元気になったところで食後は「TASTING BAR suginomori」に吸い込まれました。
ほどよく呑んだあとは、ひとっこひとりいない奈良井宿を歩くのもまた一興。しんと静まり返った宿場町はロマンティックでもあるのでお試しを。
BYAKU Narai
住所/長野県塩尻市奈良井551
1泊2名1室(夕朝食付き)8万円〜
HP/https://byaku.site
TEL/0264-34-3001
suginomori brewery
https://www.narai.jp
●連載/モテる宿にはワケがある