2023.03.05
京都・八瀬の里に昨春オープン。噂のオーベルジュ「モクサ」を知っていますか?
渡航制限が緩和されたとはいえ、空前の円安でまだまだ人気の国内旅行。長期間の停滞を乗り越え新しい時代へとすごいスピードで動き出した世界に飛び出す前に、まずは国内で身も心もしなやかに整えておきたい。そんな気分のアナタにぴったりのオーベルジュをご紹介します。
- CREDIT :
文・写真/江藤詩文 編集/森本 泉(LEON.JP)
ロビーに入ると、まず目に飛び込んでくるのは大きな窓から眺めるみずみずしい苔庭。ふんわりと漂うお茶の香り包まれて“リバース”な時間が始まります。
チェックイン後、最初のキーワードとなるのは「お茶」。庭園を臨むカウンター「帰去来」には、「京都小慢」の中国茶と台湾茶、「hahahaus」の養生茶、「一保堂」の日本茶などが揃えられ、ゲストの体調や好み、季節に合わせて丁寧に淹れたお茶が提供されます。
お茶のセレクトを手がけたのは、茶人・堀口一子さん。実はmoksaはオールインクルーシブでビールもワインも(※一部を除く)好きなだけ楽しめたりするのですが、そんなアルコール派さえも魅了するお茶の世界を堪能できます。上質なお茶って酔いますよね。
かつて旅したコーカサス三国のジョージア(旧グルジア)には、宴会部長「タマダ」というキャラクターがいて、なぜか尊敬されているのですが、その「タマダ」を思わせる愛すべき表情。ここではmoksaの守護神として大切にされているそうです。ちなみにお茶カウンター「帰去来」の茶器もすべて作家ものです。
ゴロゴロできる畳と座面が広めのソファ、ベッドがあり、日本旅館とホテルの両方のよさを兼ね備えています。用意されているルームウエアも着心地がよく、くつろいで過ごすのに畳のスペースは最適解でした。
▲ ゴロゴロだらだら過ごしたい派におすすめの「リラックススイート」。
▲ ベッドルームはリビングルームと分かれていて落ち着いた雰囲気。
▲ 「リラックススイート」の客室は全室が40〜50㎡とゆったりした設計。おこもりステイにぴったりです。
▲ 「リラックススイート」のバスルームはバスタブも広々として機能的。
▲ ゴロゴロだらだら過ごしたい派におすすめの「リラックススイート」。
▲ ベッドルームはリビングルームと分かれていて落ち着いた雰囲気。
▲ 「リラックススイート」の客室は全室が40〜50㎡とゆったりした設計。おこもりステイにぴったりです。
▲ 「リラックススイート」のバスルームはバスタブも広々として機能的。
八瀬は「窯風呂」発祥の地とされ、「壬申の乱」で傷を負った大海人皇子を癒すために村人が「蒸湯」を献上したという記録が残っているなど、昔から療養・養生の地とされていたとか。「窯風呂」、つまり日本の古式サウナという史実に基づき、moksaには3室の異なるプライベートサウナがあります。
それぞれコンセプトの異なるサウナはデザイン性が高く、広々としたリラクゼーションスペースが備えられていて、トルコやジョージア(旧グルジア)で親しまれているハマムのよう。サウナに入ってはドリンクを飲んだりフルーツをつまんだり、贅沢な時間を満喫しました。
ちなみにサウナは一組ごとの貸し切りで、夕食前、夕食後、翌日の午前中など好きな時間に予約できます。いつサウナを楽しむかはお好みで。
moksaでは料理長として朝食・夕食をはじめホテルで提供するフード&ビバレッジ全般を指揮する立場でありながら、生産者のもとに足を運んでは、大原のテロワールを感じる伝統野菜を育ててもらうなど、手数を惜しまずに料理に向き合っています。
▲ 市場には出回らないさや大根を添えた新玉ねぎとメダイ ブールブランソース。
▲ アプリコットと梅の実ソースの水だこ。
▲ 薪焼カツオ 大原の野菜とニンジンのソース添え。
▲ しっとりと焼き上げた京赤地鶏 加茂なすとスパイシーなトマトソース。
▲ 燻香をつけた玄米とパルミジャーノのリゾット 蕎麦の実。
▲ 薪火から上げたての野菜から立ち上る湯気などライブ感のある演出が楽しい。
▲ 市場には出回らないさや大根を添えた新玉ねぎとメダイ ブールブランソース。
▲ アプリコットと梅の実ソースの水だこ。
▲ 薪焼カツオ 大原の野菜とニンジンのソース添え。
▲ しっとりと焼き上げた京赤地鶏 加茂なすとスパイシーなトマトソース。
▲ 燻香をつけた玄米とパルミジャーノのリゾット 蕎麦の実。
▲ 薪火から上げたての野菜から立ち上る湯気などライブ感のある演出が楽しい。
薪火で焼き上げる勢いを大切に素材をストレートに表現しながら、ガストロノミーな要素が盛り込まれていて、単なる薪火焼きとは一線を画すのは、これまで積み上げてきた知識と技術の賜物です。
3つのキーワードで巡る京の奥座敷・八瀬の旅。新しい時代に向けて“リバース”するために、今度の週末出かけてみませんか。
moksa Rebirth Hotel(モクサ リバース ホテル)
住所/京都府京都市左京区上高野東山65
HP/moksa Rebirth Hotel
TEL/075-744-1001
1泊1名1室、夕・朝食付き、3万8000円~(税・サ込)
● 江藤詩文(えとう・しふみ)
旅するフードライター/インタビュアー。ガストロノミーツーリズムをテーマに世界各地を取材して各種メディアで執筆。著名なシェフをはじめ各国でのインタビュー多数。訪れた国は70カ国以上。著書に「ほろ酔い鉄子の世界鉄道~乗っ旅、食べ旅~」(小学館)シリーズ3巻。Instagramでもおいしい美食旅情報を発信中。