2024.07.05

あなたの知らないサウジアラビア Part.1

「サウジアラビアのいまを見に行きませんか?」そんなお誘いから始まった今回のプレスツアー。サウジって渡航できたっけ? お酒が飲めないのでは? 治安はどうなの? どんな料理が食べられる? そもそもサウジってモテるの……? モヤモヤいっぱいのなか、LEON編集長ダイリの未知旅、3つのパートに分けてお届けいたします。

CREDIT :

文/堀川正毅(LEON編集長代理)

◆ Part.1

モテるオヤジは未来の話がうまい

サウジアラビア
みなさんは中東と聞いて、何を想像しますか? 遺跡好きはヨルダンの「ペトラ遺跡」でしょうか。サッカー好きはクリスティアーノ・ロナウドが所属する「アル・ナスル」?

旅行好きはアラブ首長国連邦のドバイを本拠とする「エミレーツ航空」や、カタールを本拠とする「カタール航空」あたりでしょうか。それらはどれも正解ですが、中東という巨大エリアのなかでの位置関係や歴史・民族的背景などもきちんと把握できている日本人は、あまり多くはないのではないかと思うんです。

今回の渡航先となった「サウジアラビア」は、まさにその最たる例。誰もが知っている国名でありながら、どんな国なのか、よく分からないのが実情ですよね。そんな謎の国、サウジアラビアを「モテるか否か」目線でご紹介しちゃおうというのが今回の企画です。皆さんの次の渡航先になり得るのか否か、それは記事を読んでからお考えください。
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国王が国策ですんごい都市作りを発表

「THE LINE」、ご存知ですか。サウジアラビアのサルマン国王が2016年に発表した経済改革構想「サウジ・ビジョン2030」のプロジェクトの一環なのですが、その目玉プロジェクトのひとつが、このTHE LINEなんです。

全長170km、高さ500mの直線型構想都市で、100%再生可能エネルギーで稼働するサステナブル都市には最終的に約900万人が生活できるそう。と、THE LINEだけでも話が尽きないスーパープロジェクトなので、もっと知りたい方は、「THE LINE」と検索ください。映画「アバター」や「インセプション」の世界が広がっていますよ!

サウジ・ビジョン2030は、THE LINEのような巨大プロジェクトもありますが、これは「観光」のためだけではなく、広くは「活気ある社会」、「盛況な経済」、「野心的な国家」という3つのテーマに基づくものなんです。石油依存経済から脱却し、素晴らしい未来を作るために文化や娯楽、ヘルス、そして観光など、さまざまな分野に注力していこうという構想なんです。

事実、2019年から日本を含む49カ国に対して観光ビザが解禁となり、ベールに包まれていたサウジアラビアという国を知る機会がグッと増えたというわけです。2025年の大阪万博にもサウジアラビアは参画を発表しており、日本からの観光客の増加を期待していることからも、その力の入れようが分かります。

今回の渡航は、そんな大きく変貌を遂げようとしているサウジアラビアの夜明け前を知ることで、サウジ・ビジョン2030によってどのように変化・進化していくのかを体感することが目的です。
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実際、観光客増に欠かせないものとして、日本からの直行便が現状はない点だったり、現地での移動手段が乏しい点(日本の約6倍ある国土は移動が大変!)など、実際に来てみて気づいたことも多く、課題はまだたくさんあります。ですが、それを差し引いても、未知の国サウジアラビアに行ってみたい、という女性は少なくないハズですので、時期尚早と決めるのはもう少々お待ちいただければ。

そんな巨大プロジェクトにワクワクしながらも、現状のサウジアラビアについてもお伝えします。首都はリヤド、日本からはアラブ首長国連邦(UAE)やカタールを経由して約18時間のフライトで「キング・ハーリド国際空港」に到着します。

国民の多くはイスラム教徒で、1日5回のお祈りを行います。彼らは国内ではお酒(アルコール)を飲みません。国が禁じているためですが、サウジアラビアではお酒は販売しておらず、外資系の高級ホテルでも提供されていないという徹底ぶりです(今年になって外交官向けの事前予約によるお酒の限定販売をするお店の運営が許可されたという噂あり)。

お酒を飲まない彼らは、日常的に「サウジコーヒー」を愛飲します。しかも1日に何度も何度も。人がくればまずはサウジコーヒーを振る舞い、ひと休みはサウジコーヒーと共に。コーヒーのルーツと言われるイエメン産の豆を使うことが多いそうですが、その味わいはかなり独特。豆を焙煎し、カルダモンやサフランなどと一緒に煮出したら出来上がり。苦味と甘みの感じはコーヒーとティーの掛け合わせのようなテイストです。
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で、サウジコーヒーの相棒となるのが、デーツ。ナツメヤシの果実を自然乾燥させて完熟させた天然のドライフルーツなのですが、これがなかなかの甘さで、サウジコーヒーとの相性が抜群なんです。砂糖など一切使っていないので淑女も安心のスイーツとして大オススメ。なお、成城石井で売られているデーツはサウジアラビア産だそうです(まずはそちらで味見をどうぞ)。
到着した日に宿泊した、首都リヤドにあるホテル「ナルシサス ホテル & スパ リヤド」。分かりやすくピカピカギラギラのエントランスロビーは、中東に来た〜!という気持ちにさせてくれます。
▲ 到着した日に宿泊した、首都リヤドにあるホテル「ナルシサス ホテル & スパ リヤド」。分かりやすくピカピカギラギラのエントランスロビーは、中東に来た〜!という気持ちにさせてくれます。
お部屋はこんな感じ。シンプルですが、エントランス同様、ギラついた感じはあり。暑い国あるあるでエアコンが効きすぎるので要注意。
▲ お部屋はこんな感じ。シンプルですが、エントランス同様、ギラついた感じはあり。暑い国あるあるでエアコンが効きすぎるので要注意。
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サウジアラビア人が四六時中飲んでいるサウジ・コーヒー。そしてその相棒となるのが手前に写っているデーツ(この時はフレーバーが3種類ありました)。
▲ サウジアラビア人が四六時中飲んでいるサウジ・コーヒー。そしてその相棒となるのが手前に写っているデーツ(この時はフレーバーが3種類ありました)。
首都リヤドのことももう少しお伝えします。先にお伝えした通り、いま街は開発工事ラッシュ。街の真ん中にある「キングダムタワー(高さ300m)」にある展望台「スカイブリッジ」から臨む街の姿は、土色の荒廃した土地のよう(北斗の拳を思い出しました)。これらがあっという間にメトロトリスへと変貌するのかと思うと、なんだか不思議な感覚に。
リヤド1の高層ビル「キングダムタワー」。これから変貌をする街を一望できるオススメのデートスポットです。
▲ リヤド1の高層ビル「キングダムタワー」。これから変貌をする街を一望できるオススメのデートスポットです。
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キングダムタワーからの眺めはこんな感じ。かつてあったであろう建物の多くは取り壊され、新しい街へと生まれ変わろうとしています。
▲ キングダムタワーからの眺めはこんな感じ。かつてあったであろう建物の多くは取り壊され、新しい街へと生まれ変わろうとしています。
実はこのキングダムタワーの77階(展望スペースへの乗り継ぎフロア)にはモスクがあり、世界一高い位置にあるモスクとして地元では有名なようです。
▲ 実はこのキングダムタワーの77階(展望スペースへの乗り継ぎフロア)にはモスクがあり、世界一高い位置にあるモスクとして地元では有名なようです。
ちなみに荒廃したように見えた別の理由としては、街に人が歩いていないからかも。とても暑いので、人々はクルマで移動し、ショッピングモールやオフィスなど建物の中で過ごしているんですね。
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で、夕方になると、道やカフェテラスに人が現れはじめ、夜になると大きなサッカーの試合でもあったんじゃないかと思うほど賑わいを見せます(飲んでいるのはノンアルコールのフレーバー付きビールやミントレモン、コーラとかなんですけどね)。

ちなみにサウジアラビアは治安の良い国としても知られており、なんと世界で14番目に治安が良い国としてランクインしているんです(2023年「NUMBEO」調べ)。実際、夜に女性同士が出歩いている姿をよく見かけました。つまり、彼女と夜のデートで出歩いても、怖い思いをする可能性が低いというわけですから、存分に楽しいナイトクルーズを堪能できるというわけです。
サウジアラビア 市街地
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どこへ向かうにせよ、まずは首都からという方は多いと思いますので、第一回はリヤドを中心にご紹介しました。次回は観光の目玉、世界遺産についてご紹介いたします。
ランチで立ち寄った「ベイト・オマール(オマールさんの家)」。レバノンやシリアなどのトラディショナルな中東料理をいただける人気店です。
▲ ランチで立ち寄った「ベイト・オマール(オマールさんの家)」。レバノンやシリアなどのトラディショナルな中東料理をいただける人気店です。
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クミンやコリアンダーを用いた料理が多いのですが、辛味はそこまでありません。豆や野菜をふんだんに使ったお料理はヘルシーでオススメ。
▲ クミンやコリアンダーを用いた料理が多いのですが、辛味はそこまでありません。豆や野菜をふんだんに使ったお料理はヘルシーでオススメ。
日本人にも馴染みのある「フムス」や「シシカバブ」などもあり、どれも食べやすい味付け。トマトなどの煮込み料理も美味しいです。
▲ 日本人にも馴染みのある「フムス」や「シシカバブ」などもあり、どれも食べやすい味付け。トマトなどの煮込み料理も美味しいです。
食に関連して、よく目にしたのが、ラクダのミルクを使ったカフェラテ。臭みもなく、サラリといただけますよ。一杯1000円(26SAR)くらいです。
▲ 食に関連して、よく目にしたのが、ラクダのミルクを使ったカフェラテ。臭みもなく、サラリといただけますよ。一杯1000円(26SAR)くらいです。
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