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2024.10.27

最新サウジアラビアの旅 第3回

世界のラグジュアリー層が押し寄せる!? サウジアラビアのオアシス都市、アルウラ

サウジアラビアでは2019年9月、観光ビザが解禁になりました。これまでイスラム教徒の巡礼以外は訪れることができなかった国が、いわば開国! 旅慣れたオヤジさんほど、衝撃を受けるだろうこの国の素顔とは? 第3回は今後、ラグジュアリーホテルが続々とオープン予定の砂漠のオアシス都市、アルウラです。

CREDIT :

文/古関千恵子

アマンやシックスセンシズもやってくる! 一流リゾートが目を付けるアルウラ

スケールの大きな自然に圧倒されるアルウラ。
▲ スケールの大きな自然に圧倒されるアルウラ。
サウジアラビア初のユネスコ世界遺産、ヘグラの考古遺跡。その拠点となる都市がアラビア半島北西部のアルウラ。リヤドから空路約1時間45分の、砂漠の中のオアシス都市です。

アルウラ空港に着陸し、ふと飛行機の窓の外を見てびっくり。数台の高級車がタラップの前に横付けし、ゲストを待ち構えています。政府要人でも乗っているのかと思いきや、そうでもなく、どうやらVIP対応として日常茶飯事のもよう。そんなオドロキとともに上陸したアルウラ。
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アルウラの人口は約5万人。砂漠の中に人が暮らすエリアとヤシのプランテーションが配置されています。
▲ アルウラの人口は約5万人。砂漠の中に人が暮らすエリアとナツメヤシのオアシスが配置されています。
ここは今、世界中のラグジュアリーホテルブランドが注目するエリア。これからオープン予定のホテルのラインナップには、アマンやジャヌ(日本についで2軒目)、チェディにシックスセンシズ、オートグラフ コレクション、そして建築家ジャン・ヌーベルが手掛けるホテルも。
アルウラ空港内にて。こんなところまで送迎車が⁉
▲ アルウラ空港内にて。こんなところまで送迎車が⁉
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どうしてアルウラにそれほどまで耳目が集まっているのでしょう? 世界遺産の考古学的な魅力も大きいですが、砂漠の非日常な大自然の景色、度肝を抜くような屋外アート作品、オールドタウンでの街遊び、そしてリゾートホテル。あらゆる興味のベクトルに対応しています。しかも、楽しませ方のスケールが大きいのです。

まずは神秘のベールに包まれた古代都市遺跡から、その魅力を紐解いていきましょう。
▲ 見たことのない迫力の自然美。
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人気名所のエレファント・ロックも空からこんにちは。
▲ 世界遺産ナバテア王国の墳墓「マダイン・ナーレハ」。4本の支柱からローマの影響を受けていることがうかがえます。
ヘグラ最大の墓、高さ22メートルの一枚岩、カスル・アル・ファリード。
▲ 世界基準のラグジュアリーリゾートが進出。こちらはアワ・ハビタス・アルウラ。
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砂漠に忽然と現れる、ペトラ遺跡を築いた民族の第2の都市

111の墳墓が残るヘグラの考古遺跡。地元の親子連れの姿も。
▲ 111の墳墓が残るヘグラの考古遺跡。地元の親子連れの姿も。
アルウラの北東約22キロに位置する、サウジアラビア初の世界遺産、ヘグラの考古遺跡。別名マダイン・サーレハ、またはアル・ヒジュル。砂漠の丘陵地帯に忽然と現れる、紀元前1世紀から紀元後1世紀に栄えた、ナバテア人が築いた古代都市の遺跡です。
 ヘグラ・ウェルカムセンター。ここで出発時間まで待ちます。
▲ ヘグラ・ウェルカムセンター。ここで出発時間まで待ちます。
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あまり聞きなれないナバテア人とは、古代ギリシャなどと交易をすることで隆盛を極めたアラブ系民族のこと。あのヨルダンのペトラ遺跡が彼らの首都です。ここヘグラは第2の都市で、南の拠点だったとか。西暦106年にローマによって滅ぼされてしまい、考古学的資料も少ないため、神秘のベールに包まれています。
ランドローバーに乗り込み、遺跡へ出発。
▲ ランドローバーに乗り込み、遺跡へ出発。
当時の地元の有力者の墳墓「カスル・アル・ファリード」。
▲ 当時の地元の有力者の墳墓「カスル・アル・ファリード」。
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ペトラ遺跡は年間100万人を越す観光客が訪れるけれど、こちらヘグラが一般に公開されたのは2019年と、つい数年前のこと。実際訪れてみても、人混みとは無縁。ゆったりと悠久の時に身をゆだねられます。
 ヘグラ最大の墳墓群「ジャバル・アルバナート」。
▲ ヘグラ最大の墳墓群「ジャバル・アルバナート」。
ヘグラには軍人や土地の有力者、ヒーラーなどの墳墓が111基あります。内部に入ることができる墳墓も。それも保全を目的に、定期的にローテーションで場所を変えているそう。そのため遺跡の保存状態も良好です。
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 ジャバル・イスリブ。2つの岩の狭い隙間は神聖な場所。
▲ ジャバル・イスリブ。2つの岩の狭い隙間は神聖な場所。
墳墓の中に入ることも許されています。
▲ 墳墓の中に入ることも許されています。

■ ヘグラ日帰りツアー

料金/SAR95(1名につき) ※事前に下記のアウラ観光サイトで予約を。
HP/https://www.experiencealula.com/en/things-to-do/experiences/hegra-tour

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空から見下ろす? 夜の訪問? 遺跡や砂漠のもうひとつの楽しみ方

5人乗り。あっという間の30分間のフライト。
▲ 5人乗り。あっという間の30分間のフライト。
アルウラの魅力は、どこまでも広がる砂漠と迫りくる砂岩の断崖やそそり立つ巨岩の圧倒的なコントラスト。そんな砂漠の楽しみ方といえば4WDツアーで豪快に走り抜けるのが王道ですが、見る角度やシチュエーションを変えると、想像を超えた感動が待っています。
こんなキノコのような地形も。地球が作り上げたアートを見下ろす気分。
▲ こんなキノコのような地形も。地球が作り上げたアートを見下ろす気分。
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ヘグラの考古遺跡も空から見ると、その壮大さが一段と伝わってきます。
▲ ヘグラの考古遺跡も空から見ると、その壮大さが一段と伝わってきます。
おすすめしたいのが、ヘリコプターツアー。5人乗りのドアの窓部分が大きな機体で、ヘグラの考古遺跡やアイコンのエレファント・ロックなどを上空から満喫します。砂漠の上から見上げるのも大迫力だけれど、空から神の目線で見下ろすのはまるで壮大なジオラマを眺めているよう。この感動が30分間1名SAR750(約3万円)。なんと東京夜景のヘリコプターツアーの半額以下です。
人気名所のエレファント・ロックも空からこんにちは。
▲ 人気名所のエレファント・ロックも空からこんにちは。
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また、アートな旅先として注目を集めているアルウラ。砂漠の中にポツンと全面ミラーの箱型のマラヤ・コンサート・ホールが建っています。周囲の砂漠の景色を映しこみ、見る角度によって異なる不思議な建物。この屋上ではミシュランのスターシェフによるレストラン「マラヤ・ソーシャル」も。
アルウラのアートの象徴、マラヤ・コンサート・ホール。屋上は星付きシェフのレストラン。
▲ アルウラのアートの象徴、マラヤ・コンサート・ホール。屋上は星付きシェフのレストラン。
もうひとつ、アルウラの代表的な名所、象のような形をした高さ53メートルの巨大な一枚岩のエレファント・ロック。ここも夜に訪れると、まるで別の顔を見せます。星空の下、ライトアップされた巨岩を眺めながら、夜の空気とモクテルを楽しむアンビエントなバーのよう。もちろんアルコールは出ないので、悪しからず。
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エレファント・ロックは夜にはカフェに。シートは地面を掘ったサスティナブルなスタイルです。
▲ エレファント・ロックは夜にはカフェに。シートは地面を掘ったサスティナブルなスタイルです。
エレファント・ロックのカフェでは生演奏も。
▲ エレファント・ロックのカフェでは生演奏も。
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ハラット・ビューポイント&オールドタウンはサンセットから夜にかけての黄金コース

壮大なサンセットを迎えるなら、ハラット・ビューポイントへ。アルウラにはいくつかビューポイントがあるけれど、スケール感において随一なのが、ハラット・ウエイリッド山にあるこちら。
サンセット後、ふもとの街からコーランが風に乗って運ばれてきます。
▲ サンセット後、ふもとの街からお祈りの時間を知らせるアザーンが風に乗って運ばれてきます。
頂上をスパッと切り落としたようなテーブル状の頂上からは、アルウラのオアシス都市やギザギザにそびえる山、深く刻まれた谷が、どこまでも見晴らせます。山の縁に太陽が沈んだ後も、空や周囲の山々は刻々と色を変え、やがて夜へとシフト。徐々に街灯がまたたきはじめます。
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サンセットに合わせて、多くのツーリストがハッラ・ビューポイントに集まってきます。
▲ サンセットに合わせて、多くのツーリストがハラット・ビューポイントに集まってきます。
ハラット・ビューポイントにはギリシャ料理レストラン「オクト」もあります。ここの突端からせり出すようなシートは特等席。食事を楽しみ、モクテル片手に焚火ラウンジから星空を見上げるのも、ロマンティックな夜の過ごし方でしょう。
丘から突き出すようなレストラン「オクト」のテーブル席。他にファイヤーピットを囲むラウンジシートも。
▲ 丘から突き出すようなレストラン「オクト」のテーブル席。他にファイヤーピットを囲むラウンジシートも。
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サンセットを堪能したら、ヒストリカルなオールドタウンへ。ここは1000年前、香料の交易ルートや、ダマスカスからメッカへの巡礼路の途上にある集落として栄えた街。目抜き通りのマーケットストリートは日干しレンガのショップが軒を連ね、行き交う観光客や地元の人々の波に、往時の商人たちのイメージが重なります。
サンセットを合図に人が集まってくるオールドタウン。
▲ サンセットを合図に人が集まってくるオールドタウン。
マーケットストリートには地元のハンドクラフトや香料の専門店、おしゃれなブティック、土産物店などがずらりと並んでいます。伝統料理のレストランもあり、盛り上がりは23時くらいまで続きます。そして時にラクダの編隊や太鼓を打ち鳴らして練り歩く集団がお祭り騒ぎのように通り過ぎることも。夜になると、砂漠の街にこんなに人が出てくるのかと、驚くはず⁉
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日中のオールドタウンはこんな感じ。迷路のように小道が走っています。
▲ 日中のオールドタウンはこんな感じ。迷路のように小道が走っています。
オールドタウンのレストランにて。トマトベースの煮込み料理やラムのカブサ(炊き込みご飯)など、伝統料理もトライできます。
▲ オールドタウンのレストランにて。トマトベースの煮込み料理やラムのカブサ(炊き込みご飯)など、伝統料理もトライできます。
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突如、目抜き通りに現れたラクダの集団。ラクダはそれを表す単語が1000以上もあるとか。
▲ 突如、目抜き通りに現れたラクダの集団。ラクダはそれを表す単語が1000以上もあるとか。

アルウラでおすすめしたいモテるリゾート3選!

2019年に観光ビザが解禁となったのを機に、ラグジュアリーホテルブランドが続々と進出しているアルウラ。今回チェックしてきた3つの砂漠リゾートをご紹介します。

1.バンヤンツリー アルウラ (Banyan Tree Alula)

スパに併設された、インフィニティエッジのロックプール。
▲ スパに併設された、インフィニティエッジのロックプール。
2022年に開業し、数々のアワードを総なめにしたタイのラグジュアリー・ウェルネス・リゾート。リゾートの前には広大な砂漠、はるか彼方に砂岩の丘が控える、距離の感覚がおかしくなるほどスケール感のあるビューです。
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サウジアラビアの砂漠で本格的なタイ料理が食べられるなんて! と、感涙したサフラン。
▲ サウジアラビアの砂漠で本格的なタイ料理が食べられるなんて! と、感涙したサフラン。
47の客室は1~3ベッドルームのテントスタイル。屋外にファイアーピットがあり、暖を取りながら砂漠の景色を愛でられます。客室によってはプライベートプール付きのタイプも。雄大な自然に抱かれながらもスマートテレビを置き、現代の居住性も抜かりなし、です。
客室はテントスタイル。こちらは3ベッドルーム。
▲ 客室はテントスタイル。こちらは3ベッドルーム。
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世界中のバンヤンツリーで共通しているタイ料理のシグネチャーレストラン「サフラン」は、ここアルウラにも。本場と変わらぬタイの味に、アジア人としては思わず感涙してしまいました。もうひとつ、サウジアラビアの伝統料理のレストラン「ハッチ」もあります。

そしてバンヤンツリーといえば、スパ。砂岩に囲まれたロックプールは必見です。
バンヤンツリーらしい洗練されたデザインのエントランス。
▲ バンヤンツリーらしい洗練されたデザインのエントランス。

● バンヤンツリー アルウラ

住所/Wadi Ashar, AlUla, AlUla 43563, Saudi Arabia
TEL/+966-14-512-0000
HP/https://www.banyantree.com/saudi-arabia/alula

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2.アワ・ハビタス・アルウラ (Our Habitas Alula)

バーやレストランがあり、何かとゲストが集うプールエリア。プールはインフィニティエッジで砂漠と続くデザインになっています。
▲ バーやレストランがあり、何かとゲストが集うプールエリア。プールはインフィニティエッジで砂漠と続くデザインになっています。
英国で急成長を遂げるホスピタリティグループ、アワ・ハビタスの中東第1号。砂岩の断崖に囲まれたロケーションにあり、敷地内のあちこちにインスタレーションを展示。まるで野外美術館のようでもあります。極めつけは砂漠と砂岩の断崖が織り成す景色に突き出したインフィニティプール、砂漠の中のトランポリン。インパクト特大です。
岩山に守られた、独特のランドスケープ。
▲ 岩山に守られた、独特のランドスケープ。
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レストランは地元の食材を使った、中東料理と西洋料理を融合させたクリエイティブなメニューを供します。フードトラックのアイスクリームパーラーも、お楽しみ。
96棟のヴィラは周囲の自然と溶け込むようなデザインで、すべてに屋外のラウンジデッキ付き。
▲ 96棟のヴィラは周囲の自然と溶け込むようなデザインで、すべてに屋外のラウンジデッキ付き。
日替わりアクティビティが充実しているのも特徴。ヨガなどのウェルネスや、星空観察などのカルチャー系などバラエティ豊かです。姉妹リゾートの「キャラバン・アルウラ」で開催している、砂漠での屋外シネマなどのアクティビティにも参加できます。ちなみに「キャラバン・アルウラ」はすべての客室がキャンピングカーのエアストリームです。
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砂漠の中のトランポリン。なぜトランポリンなのかはわからないけれど、とにかく楽しい!
▲ 砂漠の中のトランポリン。なぜトランポリンなのかはわからないけれど、とにかく楽しい!

● アワ・ハビタス・アルウラ

住所/Ashar Valley, AlUla, Saudi Arabia
TEL/+966-14-821-3900
HP/https://www.ourhabitas.com/alula/

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3.シャデン・リゾート (Shaden Resort)

客室は平屋タイプ。数室が1ユニットになっています。
▲ 客室は平屋タイプ。数室が1ユニットになっています。
フランスのアコーグループの一員。そそり立つ断崖によって周囲から目隠しされ、幹線道路からは一見、そこにリゾートがあるのかわからない秘密のアジト的ロケーション。敷地内にはそそり立つ断崖を行くハイキングコースもあり、アルウラらしい自然美を満喫できます。
冷え込む夜もあるけれど、プールがあると、テンションが上がります。
▲ 冷え込む夜もあるけれど、プールがあると、テンションが上がります。
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120ある客室は平屋づくりで、いくつかのエリアに分かれて点在しています。エントリークラスのスーペリアで広さは37㎡。プライベートプール付きのヴィラも。ヤシの木に囲まれたアウトドアプールがあり、リゾート気分も上々です。空港からの送迎アリ。
朝食はビュッフェスタイル。伝統的なメニューも並んでいます。
▲ 朝食はビュッフェスタイル。伝統的なメニューも並んでいます。

● シャデン・リゾート

住所/Hail Street Alula 43515 Ksa, 43563 Al Ula, Saudi Arabia
HP/https://all.accor.com/hotel/B6T0/index.ja.shtml

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