2016.01.04

イマどき西海岸の遊び方はサーフでターフなクルマ旅

ロサンゼルスやサンフランシスコなどの西海岸の大都市はメジャーな渡航先ゆえ訪れたことがあるオヤジさんも多いかと。ゴルフ好き、サーフィン好きならなおさらですよね。ですが、今回はセントラルコーストと呼ばれるカリフォルニア中部の小さな田舎町を巡るロードトリップへ。ジローラモ、4日間で640キロ走破しました！

カリフォルニアセントラルコースト

Central Coast California

一般にL.A.とサンフランシスコの間でマリブより北のベンチュラからサンタクルズまでをセントラルコーストと呼びます。海沿いを走るPCHをひたすら北上！ www.visitcalifornia.jp

最初の目的地はコロニアルな「サンタバーバラ」

山と海とワインとセレブに囲まれた街

サンタバーバラはロサンゼルスからマリブを通過してクルマで約2時間北上した場所にあるリラックスタウン。ゆったりとした雰囲気が漂う街ですが、大都市に近くセレブにも人気。たとえるならアメリカ版、葉山や鎌倉!?

ロサンゼルスから2時間クルマを走らせ、今回の旅の最初の目的地サンタバーバラに到着。カリフォルニアでもっとも過ごしやすい気候の街と言われ、アメリカのリビエラとも称されます。

私たちは平日に訪れたのですが「なんだかこの街にいると、毎日、日曜日みたい」とジローラモが言うように、温暖な気候が手伝ってか、街行く人もの〜んびり。公園やビーチで日光浴をしたり、目抜き通りのステートストリートではカフェのテラスでチルアウトしている人をたくさん見かけます。

「お金が山ほどあったらここに住みたい！」（ジローラモ談）。セレブに愛される街サンタバーバラ／左上・中上・右上●サンタバーバラのピアにて。ご覧のように背後には山が迫っており、海と山に囲まれた街ということがお分かりいただけるかと。風光明媚で美しい街として有名なサンタバーバラはロサンゼルスに近いことから、セレブにも人気。オプラ・ウィンフリーやジャック・ジョンソンはサンタバーバラ在住ですし、トム・クルーズやブラッド・ピットは別荘を持っています。左下●背景に見えるようにサンタバーバラの建物の屋根はすべて赤い瓦屋根で統一されています。スペイン風の建築様式はカリフォルニアでは多く見られますが、ここサンタバーバラはすべての建物がスペイン様式で統一されその美しい街並で有名です。中下・右下●パームツリーが植えられた通りがいかにもカリフォルニアな雰囲気。

沖にあるサンタクルズ島やサンタローザ島はチャネル諸島国立公園として保護されており、貴重な動植物が残っています。ホエールウォッチングもできるそう。また隣町にはナパに次ぐ規模のワイナリーもあり、見ドコロは満載です。が、次の目的地に向かって出発！

街を一望できる抜群のロケーション

2006年にオリエント・エクスプレス傘下になってから7年もの間リノベーションのためにクローズし2013年3月に待望の再オープン。各部屋はコテージになっており、自然に囲まれた穏やかなムードのホテル。

El Encanto [エルエンカント]

800 Alvarado Place,Santa Barbara, CA 93103
☎+1-800-845-5800
www.elencanto.com
1泊1室350ドル〜

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一路目指すは「ハーストキャッスル」と「ビッグサー」

建築と自然が織り成す美しいドライブコース

1号線、PCH（=Pacific Coast Highway）をひたすら北上したどり着いたのがハーストキャッスル。文字通り"城"です。アメリカの桁違いの豊かさを目の当たりにしたあとはアメリカでもっとも美しいドライブコースへ。癒しの地で自然と対峙します。

ディア王、ウィリアム・ランドルフ・ハーストが1‌91‌9年に建てた夢のような邸宅がハーストキャッスル。ハースト社は『コスモポリタン』や『マリ・クレール』等を発行する世界最大級のメディア企業です。

完成当時はチャップリンなどの俳優や政治家を招いて毎夜パーティーが行われたとか。客室は165室もあり庭にはキリンやライオンなどがいる動物園もあったそう。今は州に寄付され一般公開されています。

左●カリフォルニアは野生動物がいっぱい／ハーストキャッスルから海外線を6キロほど北上するとアザラシの繁殖地Piedras Blancasがあります。ビーチの端から端までぎっしりアザラシ！　右●ちょっと臭いけど可愛い❤︎／ビーチには降りられませんがデッキからビーチを埋め尽くすアザラシを眺めることができます。ほとんど動かないので、遠くから見ると何かわかりませんのでクルマで通り過ぎないようにご注意を！

ヨーロッパの城は代々続く貴族や王族のものですが、一企業のオーナーがヨーロッパの伝統的な城と同じようなものを建築することができたなんて驚きです。

新聞をはじめとするメディアが当時のアメリカにおいて、いかに力があったか、ということを感じます。ちなみにオーソン・ウェルズ監督主演の映画『市民ケーン』はハースト氏が題材で、主人公が住む未完の豪邸としてハーストキャッスルを思わせる城が登場します。

今まで訪れたどんなホテルより城より豪華です

左上●屋外プールは映画「華麗なるギャツビー」のプールのよう。周囲にはギリシャの神殿のような石柱が並び個人宅とは思えない広さ。右上●丘の上にそびえ立つハーストキャッスル。左下●古代ローマやスペインなどの建築をミックスしたスタイル。中下●なんとローマ風屋内プールも。モザイクタイルと金箔が美しい！右下●地下のワインセラーには1930年代のロマネ・コンティなども残っています。禁酒法の時代だったはずですけど、ね。

Hearst Castle [ハーストキャッスル]

750 Hearst Castle Rd,San Simeon, CA 93452
☎+1-800-444-4445
www.hearstcastle.org
入場料25ドル〜

さて、ロサンゼルスから約4‌00キロ北上するとビッグサーと呼ばれる地域に到着します。

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ビッグサーは断崖絶壁が続くエリアで、これまでの比較的まっすぐで単調な道から一気に曲がりくねった山道へと変わります。

1950年頃にはビートニクを代表する作家、ジャック・ケルアックやヘンリー・ミラーなどが生活をし、そのヒッピー的な雰囲気を今でも感じます。

近年ではセレブが結婚式をあげたりと、知る人ぞ知る観光スポットになりつつあります。

ドライブ好きにはたまりません／左写真の中央に見えるのがビクスビークリーク橋。アメリカでもっとも景観の良いドライブコースと評され自然を保護するために土地利用が制限されているのでチェーンのホテルやスーパーなどはありません。宿泊施設もPost Ranch Innのほかはモーテルやバンガローしかなく、いつも満室状態だそう。「海と雲と山が自然のパワーを感じさせるネ。でもひとりで来たらちょっと寂しいかも」とジロー。ぜひ、大切な人と訪れることをオススメします。

今回の旅もそろそろ佳境。お次はラグジュアリーリゾートへ。

絶景を眺めるならココがオススメ

左上・中上・右上●ビッグサーにある唯一の五ツ星ホテルがPost Ranch Inn。というかこんな場所に五ツ星ホテルがあることが驚きです。ツリーハウスのような客室と海に面した客室があります。レストランはガラス張りで絶景なのは言わずもがな。稼働率が90%以上という大人気ホテルなのも納得。左下・右下●ドライブの途中で休憩するならNepentheがオススメ。食事はカジュアルですが、フランク・ロイド・ライトの弟子が設計したレストランは絶景を存分に堪能できます。

Post Ranch Inn [ポストランチイン]

47900 State Highway 1, Big Sur, CA 93920
☎+1-831-667-2200
www.postranchinn.com/
1泊1室650ドル〜

Nepenthe [ネペンテ]

48510 Highway #1, Big Sur, CA 93920
☎+1-831-667-2345
www.nepenthebigsur.com/
営業時間／11:30〜22:00

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最後の目的地は「カーメル＆モントレー」

ゴルフもサーフィンも楽しめます！

ゴルフオヤジの憧れの地、ペブルビーチリゾートがあるカーメル。ゴルフ場はパブリックなので予約さえすれば誰でもプレイ可能。いつか、じゃなくて今行きましょ！

L.A.を出発してから540キロ。とうとう最終目的地に到着です。カーメルは、ペブルビーチゴルフリンクスがあることで有名な街。

ゴルフ好き、クラシックカー好きオヤジさん憧れの地ですね。街は小さいのですが、高級時計店やジュエリーショップなどもあり、リッチな雰囲気。

かつてクリント・イーストウッドが市長を務め、ファストフード店はゼロというオーガニックな街。リタイアした人が多く住みます。

ゴルフリゾートからサーフタウンへ／左上・左下●モントレーから少し足をのばしてサーフタウン、サンタクルズへ。カリフォルニア名物ジャイアントケルプがゆさゆさ揺れる海を、地元のキッズサーファーが見事に乗りこなしていました。右上・右下●かつてイワシの缶詰工場が建ち並んだことからCannery Rowと呼ばれるモントレーの目抜き通り。いかにもアメリカなショップが建ち並び、夜はアザラシの鳴き声が響き渡るのも見（聞き？）逃さないように！

モントレー半島の南側にあるのがカーメルで北側にあるのがモントレー。どちらも西海岸らしい肩の力がぬけた街で長距離ドライブの疲れを癒すにはピッタリです。

一生に一度は訪れたい憧れの地

全米オープンやPGAツアーなどが開催されているペブルビーチリゾート内のペブルビーチゴルフリンクス。左上●TV中継などでもおなじみの18番ホール。右・中下●リゾートのなかでもっとも高級な宿泊施設「The Lodge」。18番ホールを眺められるラウンジはゴルフオヤジの憧れですね。左下●リゾート内にはプライベートハウスもたくさんあります。そしてどれもが凄まじい大きさ。

Pebble Beach Resort [ペブルビーチリゾート]

1700 17 Mile Dr. Pebble Beach, CA 93953
☎+1-831-622-8723
www.pebblebeach.com
プレイ代（Pebble Beach Golf Links）495ドル〜、（Links at The Spanish Bay）265ドル〜
2泊3ラウンドパッケージ1925ドル〜

写真／地主晋（kiki）
文／遠藤加奈（本誌）
イラスト／早乙女道春
協力／Visit California、ANA
2014年1月号より抜粋

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