2021.01.16
「ザ・リッツ・カールトン日光」を拠点とした27時間で完全に癒された話
昨年の7月、「ザ・リッツ・カールトン日光」がオープンし、同ブランドでは世界初となる温泉付ホテルと注目を集めています。ラグジュアリーさはそのままに、この地こその自然と融合した温泉リゾートはいかなるものか? 1泊体験を時間軸でレポートいたします!
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文/大石智子 写真/松川真介
◆ 11:00 湯滝から森の中のハイキングコースへ
◆ 13:00 ホテルに到着したら鹿がお出迎え!?
そんなワイルドな第一印象と、花崗岩を組んだ重厚なエントランスがいいコントラストであります。門の横にはゲストの出発を知らせる鐘が置かれ、鐘が響けばリゾート気分も上々。実は、元は明治27年創業の外国人のためのリゾートホテル「レーキサイドホテル」があった場所。避暑地として何年も慕われた歴史を継承する意気込みで「ザ・リッツ・カールトン日光」はオープンしたのです。
そして、奥に続く廊下が大胆なほどに広く、歩くだけで優雅な気持ちに。外から入る柔らかな光が、木壁をいっそう美しく見せていたのでした。
◆ 13:30 「レークハウス」のランチで地元の食材を味わう
船の手綱を編んだウォールアートによる壁、魚を描いたランプ、パドルの飾りetc 湖を連想させる装飾を設えたことで日本では珍しい空気感となり、スコットランドや英国湖水地方にあるホテルの現代版といった趣。暖炉も灯されるので、冬の夜はここでゆっくりワインを飲むのもいいなと思いました。
▲ ブラティーナチーズと栃木産のいちご、トマトのカプレーゼ。3200円(税サ別)
▲ ふっくらとした身が美味しい大滝日光ヤマメのフィッシュ&チップス。3200円(税サ別)
▲ 藁の香りで仕上げた骨付き日光HIMITSU豚のロースト。甘みのある身質で噛むほどに美味しい。500g 6800円(税サ別)※現在はディナ―タイムのみ提供
▲ ブラティーナチーズと栃木産のいちご、トマトのカプレーゼ。3200円(税サ別)
▲ ふっくらとした身が美味しい大滝日光ヤマメのフィッシュ&チップス。3200円(税サ別)
▲ 藁の香りで仕上げた骨付き日光HIMITSU豚のロースト。甘みのある身質で噛むほどに美味しい。500g 6800円(税サ別)※現在はディナ―タイムのみ提供
◆ 15:00 中禅寺湖を臨む客室にチェックイン
全室、贅沢にも寛げる場所が3箇所あることにも注目です。ベッドはもちろん、「縁側ラウンジ」と呼ばれる空間の大きなソファ、バルコニーのデイベッドと、いつでもどこでもゴ~ロゴロが叶う。シティホテルじゃなくてリゾートであれば、“3ゴロ”は欲しいところで、すべて眺めがよければ完璧。こちらはその条件を存分に満たしております。
そういう点も含めディテールが秀逸で、冷蔵庫が収納された木製チェストも、組子の襖も、ドア前の鍵が置けるスタンドも、空間に趣を与えるデザインにして実用的。無垢の板張りと間接照明の優しい光も相まって、日頃のせわしなさを忘れる上質な時間が流れます。
ちなみに館内で最も広い「ザ・リッツ・カールトン スイート」(277㎡)は国内ホテルのスイートルームの中でも最高峰の空間。価格は80万円台からで広さと内容をみると他ホテルより費用対効果はかなり高いと思いますので、興味がある方はお問い合わせを。
◆ 15:30 リッツ史上初の天然温泉へ
特に、温泉に続く廊下や脱衣所、湯上がりラウンジが5つ星ホテル仕様で優雅さこのうえなし。露天風呂がついたスパのトリートメントルームもあり、施術前にいいお湯で肌を柔らかくするなんて、温泉とホテルのいいとこどりです!
◆ 17:00 バーで栃木らしさに溢れるカクテルを
後閑さんが実際に奥日光を訪れ、自然の恵みを知ってから作ったカクテル&モクテルは、名前も素材も栃木らしさに溢れます。ヒノキや山椒が香る“華厳フォール”、この地の高度から命名した“アルティテュード1300”、芋焼酎やチーズが入った“ファーマーズ ハイ”など、味わいが謎めいていて試したくなるものばかり。飲めば遊びがありつつ抜群のバランスで、世界一のバーテンダーに輝いたセンスが光ります。
また、中禅寺湖まではホテルを出て徒歩30秒なので、夕方には湖畔の夕景も見逃せません!
◆ 19:00 インルームダイニングでお籠りディナー
(1) 「日本料理 by ザ・リッツ・カールトン日光」で寿司、鉄板焼、会席のコースorアラカルト(鉄板焼きはコースのみ)
(2) 「レークハウス」でイタリアンを軸とした洋食
(3) 「ザ・ロビーラウンジ」で栃木県産黒毛和牛を使用したハンバーガーや軽食
(4) インルームダイニング
いずれも地元の食材が多用されるラインナップ。本来は(1)が理想だと思うのですが、今回は(4)を選択。理由は3つあり、ランチを食べ過ぎたこと、客室にお籠りしたくなったこと、そして明日の朝食が凄いと既に知っていたからです。そこで、「日本料理 by ザ・リッツ・カールトン日光」のアラカルトでも用意のある大滝日光サーモン押し寿司と日本酒で晩酌したのでした。
◆ 翌日6:00 おめざの温泉へ
◆ 8:00 栃木の食材が30種以上揃う朝食をいただく
それらをとって和洋食のセットを待っていると、超豪華な木箱が登場! 中には地元の食材がふんだんに使われた料理が揃い、数えたところ、栃木産の食材は朝食だけで30種! 和洋どちらにも栃木の黒毛和牛が入り(和は焼き物、洋はローストビーフ)、充足感もひとしおです。また、地元の海老原ファームからの新鮮な野菜も食べられるので、朝から身体が元気になります。
◆ 10:00 ラウンジで日本茶を飲みほっとひといき
◆ 12:30 ランチボックスをもって湖畔でピクニック
◆ 14:00 スワンボートに乗って中禅寺湖からホテルを眺める
ちなみに中禅寺湖では、雪化粧をした日光連山を湖上から眺められるメガボード・エクスペリエンスや、由緒ある寺社で執り行われる護摩祈祷など、ホテルが提案する湖周りのアクティビティも充実しているので、滞在中に組み込めばより楽しくなるでしょう。
ちなみに中禅寺湖では、雪化粧をした日光連山を湖上から眺められるメガボード・エクスペリエンスや、由緒ある寺社で執り行われる護摩祈祷など、ホテルが提案する湖周りのアクティビティも充実しているので、滞在中に組み込めばより楽しくなるでしょう。
以上が、「ザ・リッツ・カールトン日光」での一泊二日の体験。贅沢をいえば2泊して、ホテルでまったりする1日と、トレッキングやウィンタースポーツに費やす1日が両方あれば最高だと思いました。奥日光は関東でも数少ないパウダースノーがある地域なのです。
寒さ厳しい季節に入りましたが、冬は冬で雪景色が美しいロケーション。しんと静まるリゾート地の暖炉で温まるのも、大人こそのバカンスでしょう。自然豊かな土地こそ春夏秋冬の美しさを追いかけたいもので、このホテルはそんな体験の拠点とするのにこのうえない空間なのです。
■ ザ・リッツ・カールトン日光
●大石智子(おおいし・ともこ)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。