2017.06.02
「怖いけどすごい!」な日本の絶景【2】浮き世離れした奇景にぞくぞくしてみる?!
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文/小林 保(都恋堂)
日本の北と南から、 “天国と地獄”をご紹介!
そこで、「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」(三才ブックス)シリーズの著者である、絶景案内人の詩歩さんがオススメの場所をセレクト。第2回は、浮世離れしたロケーションに思わず背中がゾクゾクするような絶景をご紹介します。
日によって色が変わる不思議な水面、恐山宇曽利(うそり)湖

青森県北部、下北半島の中央部に位置する恐山のカルデラ湖である「宇曽利(うそり)湖」。火山性ガスが溶け込んだ湖水は酸性値が高いため、棲息する生物はごくわずか。だが、この火山性ガス、硫黄泉の影響によって、この世のものとは思えぬ不思議な色へと湖水を染めていく。(写真提供/TK.NINE)
むしろ、そう思わせて人が安易に近づかぬように「宇曽利山」(うそりざん)が訛って「おそれやま/おそれざん」と呼ばれるようになったともいわれています。その恐山山系(恐山は8つの外輪山で構成されている)のカルデラ湖として誕生したのが「宇曽利湖」。季節や気象条件によって、さまざまな色に湖水が染まる絶景の地であり、聖なる地です。
「まず、恐山という場所自体がスリリングというか、近づきがたい場所ですよね。ところが、おどろおどろしい場所をイメージして宇曽利湖へ行ってみると、日によって色が変化する湖がきれいで神秘的なんです。ただ、美しいと感じるか、気味が悪いと感じるかは、その人次第。良くも悪くもインパクトのある絶景ですね」
と詩歩さんは解説。確かに、観光地と呼ぶには少し抵抗がある場所ですが、宿坊や温泉施設もあるので、「秘湯へ行かないか?」なんて誘い方も、ありかもしれません。ただし、その女性が「私、霊とか、そっち系ダメだから!」というタイプならば無理強いは禁物。恐山の先、下北半島の先端近くにある薬研温泉に行き先を変更した方がいいでしょう。
美しい? 怖い? 真っ赤に染まった、血の池地獄

大分県別府市には、“地獄”と名のつく7つの温泉があり、その1つが「血の池地獄」。地下の高温、高圧による化学反応で生じた酸化鉄や酸化マグネシムなどを含んだ、赤い熱泥が地層から噴出することで、まさに血のような温泉が湧き出す。(写真提供/血の池地獄)
「別府で“地獄めぐり”といえば、青や白い温泉水の池が有名ですが、ここはまさに血のように真っ赤な池。なぜか、この池だけが赤いんです。とにかく見た目のインパクトが強烈。90度もの高温の温泉だけに、もし落ちたなら、まさにあの世行き…。彼女に『地獄でも一緒にいようね』なんて冗談を言ったら引かれるだけかもしれません(笑)」
と詩歩さんは言いますが、冗談の一つも言いたくなるほど、鮮烈な景色なのはたしか。高温のため、源泉掛け流しでひと風呂いうわけにはいきませんが、適温の足湯が楽しめるので、並んで座りながら「血の池地獄」の湯を味わうのも一興かもしれません。
今回紹介した「怖いけどすごい!」な絶景スポットは、日本の北と南からセレクト。ホンモノの心霊スポットに女性を誘うのは、どうかと思いますが…いや絶対にやめておいた方がいいですが、ちょっと背中がゾクゾクするぐらいの場所であれば、好奇心旺盛な女性ならば興味を持ってくれるかもしれません。B級ホラー映画を見るより、よっぽど刺激的ですよ!
● 詩歩(Shiho)/絶景プロデューサー
1990年生まれ、静岡県出身。早稲田大学卒業。累計55万部を超える「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」シリーズの著者。旅行商品のプロデュースや企業タイアップ、講演活動なども行う。