2021.01.31
東京からでも行く価値あり! アートと美食が楽しめる注目ホテルが群馬・前橋に誕生
失礼ながらガストロノミー&ラグジュアリーホテル好きの眼中にまったくなかった群馬県前橋市に、驚愕のデスティネーションホテルが誕生しました。2020年12月にセンセーショナルなデビューを飾った「白井屋ホテル」です。
- CREDIT :
文・写真/江藤詩文
そう誘ったら、彼女は「なぜわざわざ前橋?」と怪訝な顔をするかもしれません。でも彼女がレストランラバーなら、こう続ければ目の色を変えるでしょう。
「アジアのベストレストランで日本2位、ミシュラン二つ星の名店『Florilege(フロリレージュ)』の川手寛康シェフがプロデュースした、イノベーティブなファインダイニングがオープンしたんだ」。
上州とは、現在の群馬県の昔の呼び名。群馬に伝わる郷土料理をひとつひとつ丁寧に紐解き、自然に恵まれた群馬の食材を使って、最先端のプレゼンテーションで再構築する。世界のフードシーンを牽引するトップシェフたちと親交が深い川手シェフだからこそ実現できた、世界レベルのガストロノミーが、前橋に誕生したわけです。
たったひとりのシェフ、たった一軒のレストランの出現が、ドラスティックにその地域を変える。そんな料理のちからを、これまで世界各国を飛び回って目の当たりにしてきた川手シェフならではの、前橋再生への思いが感じられます。
中には群馬名物こんにゃくも。フレンチなのに! しかもそれが、ソムリエの児島由光さんが選んだ遊び心あるペアリングのワインに合うってどういうことでしょう。これまで数多くのレストランで積み上げて来た、筆者の経験値がぐらつきそうです。
▲ 14種類の野菜をそれぞれの持ち味を引き出して調理した片山シェフらしいガルグイユ「農園より」
▲ 上質な赤身肉の赤城牛をかたまりのまま藁焼きにして、一期一会のゲストが「分かち合う」
▲ 上州キュイジーヌのディナーコースよりいくつかをご紹介。「山女魚」は渋川のヤマメとりんご、下仁田ねぎをしょうがクリームで覆った真っ白なひと皿
▲ 「牛 大豆」はみそを混ぜた餌で肥育する赤城牛に合わせて、みそ風味のペーストやチュイルを添えて
▲ 群馬県民のソウルフード「焼きまんじゅう」は、酒かすとホワイトチョコレートを染み込ませたパンペルデュに
▲ 伝統的な焼きまんじゅうは、とってもシンプルな焼き菓子です
▲ 14種類の野菜をそれぞれの持ち味を引き出して調理した片山シェフらしいガルグイユ「農園より」
▲ 上質な赤身肉の赤城牛をかたまりのまま藁焼きにして、一期一会のゲストが「分かち合う」
▲ 上州キュイジーヌのディナーコースよりいくつかをご紹介。「山女魚」は渋川のヤマメとりんご、下仁田ねぎをしょうがクリームで覆った真っ白なひと皿
▲ 「牛 大豆」はみそを混ぜた餌で肥育する赤城牛に合わせて、みそ風味のペーストやチュイルを添えて
▲ 群馬県民のソウルフード「焼きまんじゅう」は、酒かすとホワイトチョコレートを染み込ませたパンペルデュに
▲ 伝統的な焼きまんじゅうは、とってもシンプルな焼き菓子です
それでも彼女に「泊まりたい」と言わせるわけ。それはここが単なる宿泊施設ではなく、まるで美術館のようなアートホテルだからです。
▲ さまざまなデザインのインテリアが置かれたオールデイダイニングの「ザ ラウンジ」 ©Katsumasa Tanaka
▲ レセプションから「ザ ラウンジ」へのエキサイティングなアプローチ
▲ ラウンジから見上げる吹き抜けの空間が心地いい
▲ 朝食はザ ラウンジで。群馬県産の新鮮な野菜がふんだんに使われています
▲ 「ザ ラウンジ」の名物は、赤城牛を贅沢にたっぷり使ったビーフカレー。ランチにぜひどうぞ
▲ さまざまなデザインのインテリアが置かれたオールデイダイニングの「ザ ラウンジ」 ©Katsumasa Tanaka
▲ レセプションから「ザ ラウンジ」へのエキサイティングなアプローチ
▲ ラウンジから見上げる吹き抜けの空間が心地いい
▲ 朝食はザ ラウンジで。群馬県産の新鮮な野菜がふんだんに使われています
▲ 「ザ ラウンジ」の名物は、赤城牛を贅沢にたっぷり使ったビーフカレー。ランチにぜひどうぞ
さらに彼女を驚かせたいなら、予約すべきは4室しかないスペシャルルーム。イギリスのデザイナー、ジャスパー・モリソンさん、イタリアの建築家ミケーレ・デ・ルッキさん、レアンドロさん、藤本さんが、それぞれ1室ずつデザインを担当しています。
美食好きもアート好きも建築好きも、誰もがハッピーになれるデスティネーションホテル。このホテルに行くためだけに、前橋を訪れる価値ありです。さて、あなたは誰を誘って行きたいですか。
■白井屋ホテル
住所/ 群馬県前橋市本町2-2-15
URL/ https://www.shiroiya.com
●江藤詩文(えとう・しふみ)
世界を旅するライター。ガストロノミーツーリズムをテーマに、世界各地を取材して各種メディアで執筆。著名なシェフをはじめ、各国でのインタビュー多数。訪れた国は60カ国以上。著書に電子書籍「ほろ酔い鉄子の世界鉄道~乗っ旅、食べ旅~」(小学館)シリーズ3巻。Instagram(@travel_foodie_tokyo)でも旅情報を発信中。