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2017.07.19

「ライフスタイルホテル」は時代の空気感が凝縮された情報発信基地でした(前編)

CREDIT :

文/小槌裕子

TRUNK(HOTEL)
TRUNK(HOTEL)
先日、渋谷にオープンして話題になったTRUNK HOTEL(トランクホテル)など、規模は中小ながらお洒落でユニークかつカルチャーの薫りのするホテルが、全国の都市に続々と誕生しています。ブティックホテルともデザイナーズホテルともいわれるこの手のホテルの最新事情について『月刊ホテル旅館』編集長の金澤達也さんにお話をうかがいました。

小さくても個性的で高級感のあるホテルが増えている

「確かにそのようなホテルは増えていますね。何と呼ぶか? 概ね100室以下のお洒落で高級感のあるホテルを指して、海外では“ブティックホテル”という呼称が一般的です。でも、日本だとラブホテルのことをブティックホテルと言うので(笑)。 “デザイナーズホテル”とも言いますが、いまだに定まった呼称はないんです。

でもイメージとしては中小規模で、尚かつデザインにエッジが効いていて、若者をターゲットにしているので経済的にも利用しやすいというところでしょうか。宿泊代も日本ではまったく定義はありませんが、ラグジュアリーホテルが5万円台と考えると、2~3万円台位のイメージがあります。最近では“ライフスタイルホテル”という言い方もしますね」(金澤さん、以下同)

こちらの記事では、便宜上ライフスタイルホテルと呼ばせて頂きますが、その草分けと言われるのが、1984年にニューヨークにできたホテル、MORGANS NEWYORK(モーガンズ ニューヨーク)。
「モーガンズを仕掛けたのはニューヨークの伝説のディスコ『スタジオ54』のプロデューサーでしたが、その後も大手チェーンではなく、起業家たちが独立型のホテルを意欲的に開業、遅れて大手チェーンがライフスタイルホテルをこぞって開業するというムーブメントがありました」

日本でも2003年、目黒にCLASKA(クラスカ)が出来て文化発信型のホテルとして注目されましたが、客層が絞られているからか、それ以降はいくつかの例外を除いてあまり浸透しなかったそう。
「でも、ここ数年、インバウンドが増えたことで状況が一変しました。ウェディング企業や外食企業などがホテル事業に進出してきて、ホテルを通じて今までになかった形のコミュニティやソーシャルを作り出そうとしているのが、ここ1~2年くらいの新たな動きです」

というわけで、まさに今が旬のライフスタイルホテル、金澤さんのオススメを聞いてみました。
PAGE 2

東京には注目のライフスタイルホテルが続々登場

まずは今年の5月にオープン、日本初の“ソーシャライジングホテル”として話題のTRUNK HOTELです。“ソーシャライジング”とは「自分らしく無理せず等身大で社会的な目的を持って生活すること。」だそう。
TRUNK(HOTEL)
TRUNK(HOTEL)
「TRUNK HOTELはとにかくすべてがカッコいい(笑)。いわゆる既存のホテルとは考え方が違って、フロントやロビーも開放的で誰でもウェルカム。ラウンジも“お茶を飲みながら仕事してください”という感じで、客室にはすごく大きいアイランドキッチンがあったりして、パーティーやお料理教室にも使えそうです。何がすごいって、トイレのサニタリーボックスまで製鉄所で不要になった鉄をリサイクルしてオリジナルに作っていたり、ミニバーで扱っているスナックを障碍者施設と一緒に作っていたりする。一つ一つのこだわりが半端じゃない。お金もかかっているなと感じますね」
TRUNK(HOTEL)のTRUNK(BAR)
TRUNK(HOTEL)のTRUNK(LOUNGE)
中でもオススメは、バー「TRUNK(LOUNGE)」。2015年にカクテルコンペティションで世界3位に輝いた実力派バーテンダーの齋藤恵太さんがディレクションした本格派です。渋谷という立地もあって、バーだけの利用でも重宝しそうですね。

「ただTRUNK HOTELは遊びに行くならいいけど、泊まるとなると決して安くはない。おそらく、カルチャー感度の高いインバウンドが客の中心になるんじゃないでしょうか」

◆ TRUNK(HOTEL)トランクホテル

住所/東京都渋谷区神宮前5-31
URL/https://trunk-hotel.com/
予約・お問い合わせ/☎03-5766-3210 

●料金/スタンダード1名 32,659円~

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一方で、より“街”に密着して独自の存在感を放つホテルもあります。今年の4月、浅草にオープンしたWIRED HOTEL ASAKUSA(ワイアードホテル浅草)は、ここを拠点に街全体を楽しめる、観光都市・浅草の新たなカルチャー発信地にもなっているそう。
WIRED HOTEL
WIRED HOTEL ASAKUSA
「旅のスタイルに合わせて、気軽なホステル、シンプルなスタンダード、贅沢なペントハウスもあるスペリアと3つのタイプの客室が用意されています。1Fには宿泊者以外も利用できるカフェ&バー「ZAKBARAN」もあり、国内外からの旅人、“アンバサダー”、地元の職人さんやご近所さんの交流の場として、イベントなど地元のコアな情報も発信しています」

アンバサダーとは、WIRED HOTELのコンセプトに共感する、国籍も年齢も趣味も職業も様々なローカルの旅のコンシェルジュ。この場所を訪れる人々へ浅草滞在がよりすばらしい体験になるような情報をシェアしてくれるそうです。
WIRED HOTEL
WIRED HOTEL ASAKUSA
「部屋の種類がさまざまで、カジュアルにも泊まれるし、ラグジュアリーにも過ごせます。ペントハウスにあるドバイの七つ星ホテルにも採用されているDUXIANA社の700万円のベッドは、寝てみるだけでも価値があると思いますよ」

◆ WIRED HOTEL ASAKUSA

住所/東京都台東区浅草 2-16-2 浅草九倶楽部
URL/http://wiredhotel.com/
メール/info@wiredhotel.com
予約・お問い合わせ/☎03-5830-7931
 
●料金/個室1室 15,120円~

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「都心に近いエリアでは、7月28日、東京スカイツリーに近い押上にグランドオープンするONE@Tokyo(ワン・アット・トーキョー)も注目です。外観やインテリアのデザイン監修は、建築家・隈研吾さんで、工業素材と自然素材を大胆に融合したエントランスは圧巻です」
客室はスカイツリーを望む開放的な「Loft」や芸術家のアトリエをイメージした「Atelier Suite」、読書家のためのプライベートな書斎をイメージした「Library Suite」などバラエティに富んでいます。
ONE@Tokyo
ONE@Tokyo

◆ ONE@Tokyo

住所/東京都墨田区押上1-19-3
URL/https://onetokyo.com
予約・お問い合わせ/☎03-5630-1193

●料金/ダブルルーム1名 13,219円~

「東京だったら他にも、高円寺のBnA hotel Koenjiが、アーティストが制作した作品の中に泊まれるアート系のホテルとして面白いです。トイレはあるけどお風呂は銭湯、みたいな。根津のhanareもそうですが、街全体がホテルの一部というコンセプトが興味深いですね」
BnA hotel Koenji
BnA hotel Koenji

● 金澤達也 

1979年10月6日生まれ。2003年、立命館大学法学部卒。2004年㈱柴田書店入社、「taste magazine」編集部に配属。2005年、「月刊ホテル旅館編集部」に配属。2017年より「月刊ホテル旅館」編集長に就任

※後編(こちら)に続きます。

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