2018.10.02
いま、酔狂を極めた美食イベント「DINING OUT」が支持される理由
食を通じて地域に残された美しい自然や文化、地産物を再編集し、新たな価値としてその土地の魅力を味わう野外レストランイベント「DINING OUT(ダイニング アウト)」。9月8日に鳥取県八頭町で行われた「DINING OUT TOTTORI-YAZU with LEXUS」をリポートする。
- CREDIT :
文/森本 泉(LEON.JP)
![null](https://assets-www.leon.jp/image/2018/09/30195736615304/1600/0908%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%BC_1.jpg)
バブルの頃、「ちょっとラーメン食べに行こうか」と彼女を誘ってそのまま飛行機で札幌に連れて行く……みたいな与太話を聞いたものだが、ここではないどこか、それもできるだけ日常と離れた場所へ誘うというのは、いつの時代にもとても魅力的なおもてなしであるには違いない。
「日本のどこかで数日だけオープンするプレミアムなレストラン」を標榜する、「DINING OUT(ダイニング アウト)」の発想も、本質的にはこれに近いのではなかろうか。もちろん、こちらのサプライズは、比較するのも憚られるほど、洗練され凝りに凝っているのだけれど。
中世貴族の宴席のような特別に計画された贅沢
なんという贅沢。中世貴族の宴席のような、そんな非現実的な催しがすでに10回以上も続いているのだから驚く。しかも1回の参加費用がひとり15万~20万円にもなるというのに、そのチケットは、毎回、すぐにソールドアウトになってしまうというのだ。
![null](https://assets-www.leon.jp/image/2018/09/30195813135382/1600/0908%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%BC_15.jpg)
日本の原風景を感じながらいただく注目シェフのイタリアン
注目の料理人はイタリアンの徳吉洋二さん。彼は今回の舞台となった鳥取の出身で、現在はミラノで自らの名を冠したレストラン「Ristorante TOKUYOSHI」を切り盛りしている。この店、オープンから10カ月でミシュラン一つ星を獲得という、今、最も注目されているシェフのひとりだ。
![null](https://assets-www.leon.jp/image/2018/09/30191532960965/1600/0908%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%BC_14.jpg)
この日の特別なディナーに与えられたテーマは「Energy Flow-古からの記憶を辿る-」。八頭という土地に古来より漂う“生命力”や“自然の神秘”を食を通じて感じてもらうことを目指したそうだ。
それぞれに工夫が凝らされた繊細で美しい料理に舌鼓
最初に出てきたのはアミューズの「鳥取ハタハタのスナック」。トーストしたパンの上に油で揚げたトロハタハタと薬味が載っている。ハタハタといえば、秋田を連想するけれど、実は、鳥取こそ漁獲量第1位なのだ。そしてこの時期のハタハタは産卵期を迎えて脂が乗って最も美味しいという。これは最初から期待が高まるというものだ。
ひと皿目はアミューズの「鳥取ハタハタのスナック」。脂の乗った旬のハタハタをこんがりと揚げて、らっきょう入りのサルサベルデを載せたフィンガーフード。
2皿目からがディナーコースの始まり。「Pizza delivery」はボックスに入って出されるピザ風の前菜。米とポレンタで作った香ばしいチップスにベニズワイガニの身やブラッターチーズを載せている。
3皿目は「水と魚」。梨を発酵させたジュースと鳥取で水揚げされた高級魚アコウを合わせてお刺身風に。
4皿目は「ホワイトモノトーン」。モデナの郷土料理「ティジェッレ」からインスピレーション。鳥取のシロイカに、イタリアのラルド(豚の背脂)や日本の柑橘を併せて調理。
5皿目は「Energy」。高木農園の野菜や「井尻農園」のトマトを様々な形で調理師て、20世紀梨酢を泡状のヴィネグレットにして上からかけた。
6皿目の「さっき作ったリコッタと雲丹」は、岸田牧場の牛乳を使って、その場でリコッタチーズを作り、ウニを添えた。チーズにかかっているのは長期熟成のバルサミコ。
ひと皿目はアミューズの「鳥取ハタハタのスナック」。脂の乗った旬のハタハタをこんがりと揚げて、らっきょう入りのサルサベルデを載せたフィンガーフード。
2皿目からがディナーコースの始まり。「Pizza delivery」はボックスに入って出されるピザ風の前菜。米とポレンタで作った香ばしいチップスにベニズワイガニの身やブラッターチーズを載せている。
3皿目は「水と魚」。梨を発酵させたジュースと鳥取で水揚げされた高級魚アコウを合わせてお刺身風に。
4皿目は「ホワイトモノトーン」。モデナの郷土料理「ティジェッレ」からインスピレーション。鳥取のシロイカに、イタリアのラルド(豚の背脂)や日本の柑橘を併せて調理。
5皿目は「Energy」。高木農園の野菜や「井尻農園」のトマトを様々な形で調理師て、20世紀梨酢を泡状のヴィネグレットにして上からかけた。
6皿目の「さっき作ったリコッタと雲丹」は、岸田牧場の牛乳を使って、その場でリコッタチーズを作り、ウニを添えた。チーズにかかっているのは長期熟成のバルサミコ。
7皿目は「骨と肉」。鳥取のスイカをオーブンで乾燥させ、水分を抜き、万葉牛のランプ肉と共に骨の上に盛り付けたもの。
8皿目は「しじみと牛」。湖山池で採れる大粒のシジミから出る出汁と、鳥取和牛の出汁や牛脂を合わせてパスタと共に。
9皿目は「Mantecando il risotto…」。田中農場のコシヒカリを土鍋で炊き上げ、大江の郷の親鶏で取ったブロードを染みこませてから、天美卵と混ぜてリゾットのように提供。
10皿目は「タラ ヒラメ ホルモン」。蒸したヒラメに炭火で焼いたホルモンを加えて、タラとバターのソースが全体をまとめる。ホルモン、馬鹿ウマ。
11皿目は「鹿と鮎」。鹿を炭火で火入れしたものに、鮎は丸ごとペーストにして合わせた。パワースポットである八頭のエネルギーを象徴するひと皿。
12皿目は「梨狩り」。くり抜いた20世紀梨を器にして、中身をゼリーにしたものとルバーブ、バジリコのグラニテを合わせる。
最後の13皿目は「Milano collection」。ブルーベリーや花粉のジェラート、蜜蜂のパンケーキ、カカオのビスケットを合わせてバラの花の酢漬けでアクセントをつけた。食べ終わると女性の裸が現れる遊び心も。
7皿目は「骨と肉」。鳥取のスイカをオーブンで乾燥させ、水分を抜き、万葉牛のランプ肉と共に骨の上に盛り付けたもの。
8皿目は「しじみと牛」。湖山池で採れる大粒のシジミから出る出汁と、鳥取和牛の出汁や牛脂を合わせてパスタと共に。
9皿目は「Mantecando il risotto…」。田中農場のコシヒカリを土鍋で炊き上げ、大江の郷の親鶏で取ったブロードを染みこませてから、天美卵と混ぜてリゾットのように提供。
10皿目は「タラ ヒラメ ホルモン」。蒸したヒラメに炭火で焼いたホルモンを加えて、タラとバターのソースが全体をまとめる。ホルモン、馬鹿ウマ。
11皿目は「鹿と鮎」。鹿を炭火で火入れしたものに、鮎は丸ごとペーストにして合わせた。パワースポットである八頭のエネルギーを象徴するひと皿。
12皿目は「梨狩り」。くり抜いた20世紀梨を器にして、中身をゼリーにしたものとルバーブ、バジリコのグラニテを合わせる。
最後の13皿目は「Milano collection」。ブルーベリーや花粉のジェラート、蜜蜂のパンケーキ、カカオのビスケットを合わせてバラの花の酢漬けでアクセントをつけた。食べ終わると女性の裸が現れる遊び心も。
「DINING OUT」は地域再生のための特別な起爆剤
しかし、実のところ、多くの地方都市にとっては外国人観光客よりも、まずは日本人観光客誘致が先決なのだ。日本人観光客が継続的に訪れなければ、地域は活性化しない。そして「DINING OUT」はそのための特別な起爆剤としても注目されている。
![null](https://assets-www.leon.jp/image/2018/09/30195625891781/1600/0908%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%BC_7.jpg)
本の出版から25年を経ているけれど、事態は好転したのだろうか。残念ながら、今も多くの自治体が地域再生を掲げながらB級グルメやご当地キャラクターなど、横並びで将来性もセンスも感じられない企画に予算を投じている。
B級ではなくすべてをA級に設えることに意味がある
彼によれば「DINING OUT」の役割は、「地方にプライドを植えつけること」だと言う。そしていま、まさに「DINING OUT」は関わったすべての人々がプライドをもてるイベントとなっている。主催者にとっても、客にとっても、協賛する地方にとっても、皆がその価値を感じあえるwinwinのイベント。だからこそ続けられるし、続ける価値がある。
![null](https://assets-www.leon.jp/image/2018/09/30195956414908/1600/0908%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%BC_19.jpg)
![null](https://assets-www.leon.jp/image/2018/09/30200200763112/1600/IMG_0085.jpg)
「DINING OUT」に協賛を続けるLEXUSに試乗!
「DINING OUT」のクリエイティブなチャレンジに共感し、LEXUSは第2回以降ずっとサポートを続けている。ホテルや空港からの客の移動手段として、毎回、東京からわざわざ多くのクルマを持ち込んでいるという熱の入れようだ。いまや自動車会社もメルセデスやBMW、アウディなど海外のプレミアムブランドは、どこも文化的な活動に力を入れている。LEXUSも富裕層の方々と価値観を共有する機会を得るという意味で、この協賛には意味があると考えるようだ。
当日はLEXUS LC500hを運転する機会を得た。昨年販売が開始されたLCは、LEXUS初のFセグメントのクーペモデルであり、革新的なデザインが話題となった。スーパーなクルマではあるのだけれど、普通に乗って取り回しもよく、実に快適なドライブを楽しむことができた。価格は1352万2000円~。