2022.01.02
第15回
極薄な時計は何がスゴい? 通が認める魅力を解説
ケースの厚さが10mm以下の腕時計は薄型時計に分類されますが、ウォッチメーカーが加工技術の粋を集めた極薄な時計があるのをご存知ですか。通が絶賛する超薄型時計の魅力をご紹介します。
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文/渋谷康人
徹底解説。薄い時計はなぜスゴい?
それに加えて時計の世界にはもうひとつ、時計愛好家が絶賛するメカニズムがあります。それが“ウルトラフラット”とも呼ばれる「超薄型腕時計」です。薄型時計の魅力は以前ご紹介しましたが、今回はなぜ薄型が凄いのかをとくとご説明いたしましょう。
超薄型時計を作れるのは、一流メーカーのみ
約30年前の1991年、「ブランパン」は“6つのマスターピース”と名付けた機械式時計コレクションを発表。その中の1本にウルトラフラットモデルがありました。
機械式時計の歴史を振り返ると、懐中時計の時代でも、スイス機械式時計の黄金時代と言われる1950〜60年代も薄型時計の開発・製造のできるメーカーは「ピアジェ」や「ジャガー・ルクルト」など、ごくわずか。薄い腕時計を作るのは、それほど技術力が必要なのです。
紙のように薄い歯車やバネを組み合わせる難しさ
いちばんの難しさは、歯車やバネ、時計の動力源になる主ゼンマイ、歯車や針を正確に動かす脱進調速機など、すべての部品を“紙のように薄く”すること。しかも、この薄い部品をしっかりと連携させて、確実に動かさなければなりません。
超薄型時計のムーブメントの歯車の厚さは1mmの数分の1と、紙のように薄いもの。この歯車をしっかりと噛み合わせ、さらに上下に重ねてスムーズに動かせるようにするだけでも大変なことなのです。
こうした特別な技術から作られる超薄型ムーブメントの厚さは、多くが2mm前後。時計には文字盤や針、ケースの厚さも加わるので、このサイズに収めなければ、超薄型時計は完成しません。さらに、この文字盤やケースを薄くすることにも、特別なノウハウが必要なのです。
世界最薄に挑む「ピアジェ」と「ブルガリ」
ジュネーブの名門の超薄型モデルも見逃せない
超薄型時計は、一見シンプルに見えても“秘められた贅沢さ”が楽しめるのです。これほど贅沢で優雅な「時計の楽しみ方」はありませんよ。
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