過渡期にあるバーゼルワールド、リスタートの兆し

いざ開催してみると、これまでスウォッチグループの各ブランドが占めたメイン会場の奥座敷には、ブライトリングが陣取ったものの、レストランやプレスルームになり、鳴りモノ入りのネットスタジオも閑古鳥。さらに空きスペースにはベンチが置かれるといった有り様でした。
それでもいくつかの光明が見られたのも事実です。これまで出展を断られてきた中小ブランドに門戸が開かれ、さらに会場設営でも手厚いホスピタリティがあったと某ブランドトップは語りました。これまでのメジャーブランドに偏重した運営や豪華さを求めた会場設営など拡大志向を見直し、スイス時計の本質的な魅力や、豊かな多様性に触れる見本市本来の楽しさにこそ目を向けるべき時期が訪れたのです。
◆ パテック フィリップ
次世代に向けた、名門の新たな芽吹き

とくに注目したのが、ウィークリー・カレンダーを搭載したカラトラバ5212Aです。一見するとクラシカルな5ハンズですが、ウィークリー・カレンダーは1年という長大な時間を指針で可視化し、時計の本質に迫ります。
その書体は手描き文字を転写印刷することで、クラフトマンシップと量産を結びつけ、さらにSSケースの採用によって昨今の新素材偏重に対するアンチテーゼと従来素材の可能性を示唆するのです。

クラフトマンシップ薫る革新カレンダー

また新開発の自動巻きキャリバーは、センターセコンドの振れをなくすアンチバックラッシュ歯車の導入やストップセコンド、巻き上げ機構の見直しなど、まさに次世代のスタンダードムーブメントの実力を備えます。
人気ラグスポに待望のブルー文字盤が登場

この年次カレンダーとムーンフェイズがノーチラスに初めて採用されたのは2010年であり、9年目となる今年、初代オリジナルモデルと同色のブルー文字盤が満を持してレギュラーコレクションに登場しました。周縁へのブラック・グラデーションによる深みのある色彩は、アクティブな中にもシックなテイストを演出します。
ジャンボがさらにスタイリッシュになった!

ストラップと統一したカラーリングには、アドベンチャーテイストが漂い、アクアノートの世界観をさらに魅力的に演出します。さらに折り畳み式バックルは、独立した4つの止め金でより安全性を向上するなど細部も熟成を重ねました。
パテック フィリップの根底にあるのは、ブランドの価値を守り、育んでいく強い意志であり、それは相対比較ではなく、自らを超えていく絶対的な成長と革新に向けられます。それはスイス時計本来の姿なのです。
■ お問い合わせ
パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109