名作ダイバーズ「フィフティ ファゾムス」の70周年を祝う最新モデルが登場！ その歴史と魅力に迫る

現存する世界最古の時計ブランド、ブランパン。正統なドレスウォッチのヴィルレや、実用的なコンプリケーションを手がけることでも知られますが、特に有名なのは、モダンダイバーズの先駆けとなったフィフティ ファゾムスでしょう。

その誕生70周年を記念し、阪急うめだ本店 9階 阪急うめだギャラリーで【ブランパン フィフティ ファゾムス 70周年記念エキシビション‐ザ・スピリット・トゥー ・プリザーブ】が開催されました。

そもそもフィフティ ファゾムスは、ダイバーを水難事故から守るために生み出されました。防水性の向上、二重密閉構造のリューズ、ロック機構付き回転べセルを与え、名称も当時スキューバダイバーの限界水深とされていた約91m＝50ファゾムスにちなんだもの。その高い性能により、フランス軍の特殊潜水部隊をはじめとした各国の海軍で制式採用された歴史があります。

さらに現在では、その役割は「海洋保全」と「水中世界を開く」といった領域にまで拡大中。海は人類を含めた生物にかけがえのないものであり、また、地球の表面の70%を覆いながらいまだに多くの未知が残されています。

そこで、ブランパンはフィフティ ファゾムスによって直接的に水中探査をサポートするほか、研究機関とのパートナーシップ、海洋保護区を拡大するための基金の設立なども行なっているのです。

エキシビションの会場では、その活動の中で撮影された海中の写真や映像の数々が展示されていました。鮮やかな魚の群れや、迫力満点のハンティング……そのすべてが無加工とのことで、海の計り知れなさ、生命の神秘を体感できました。つまり、フィフティ ファゾムスを手に入れ身に付けることは、単に腕時計を買うだけでなく、その歴史や活動とつながることなのです。

フィフティ ファゾムスはオリジナルのコンセプトを継承しながら高性能な自社製ムーブメントを搭載するなど、よりモダンに進化を遂げてきました。その70周年を記念して行われたのはエキシビションのみならず、1年をかけて3種のアニバーサリーモデルが発表されました。新たに発表された3作目を含めて、一挙にご紹介します。

レギュラーモデル（45mm）に対して、ケース径を42mmに凝縮した、70周年限定モデルの一作目。デザインを踏襲しながらコンパクトになったことで、より快適な装着感を実現しました。ムーブメントは、高い堅牢性で時計愛好家からの評価を博すCal.1315を搭載。

ローター素材には特別にプラチナを使用。Fifty Fathoms 70thのロゴが刻印され、特別感もひとしおです。

付属のNATO YTT+ ストラップは、海洋から回収された漁網を100%リサイクルしたもの。この持続可能な取り組みは、最終的にはすべてのブランパンのNATOストラップに展開される予定とのこと。

長時間の深海ダイビングで調査作業を行う「ゴ ンベッサ」プロジェクトとの活動から生まれたテック ゴンベッサ。潜水時間、または、飽和システムから出るまでの時間を最長3時間まで測定できる機能を備えています。それを可能にしたのが、3時間で1周する特別な針と、それに対応したベゼル表示です。

30気圧防水性能でありながら、シースルーバックなのも驚き！ 時・分・潜水時間の針を同時に設定できるリュウズも実に便利です。

大型の47mmケース径でありながら、最高純度のグレード23チタンによっては驚くほど軽量です。

特許取得済みの合金・9Kブロンズゴールドをケースに採用した本作。37.5%のゴールドをはじめ、独自に金属を調合させることで、ピンクを帯びた色合いと美しい外観を作り出しました。緑青が発生しないのも普段使いにうれしいポイントです。

米海軍の水中任務に採用されていたモデルをオマージュし、ダイヤルには1957年にMIL-SPECウォッチに採用されていた防水性表示とヴィンテージ風インデックスを採用しました。

また、ムーブメントは耐磁性1000ガウスのCal.1154.P2を搭載し、NATOストラップには海洋から回収した漁網をアップサイクルするするなど、現代的に洗練されています。