2025.03.31
ヴィンテージウォッチ初心者なら「レイモンド ウェイル」の『ミレジム』から始めるべし!
腕時計のプロたちが魅了された1本をリコメンドする本企画。今回は時計&モノジャーナリスト/編集者の渋谷ヤスヒトさんが「レイモンド ウェイル」の『ミレジム』を選びました! 1930年代〜50年代のシンプルウォッチの魅力が、最新の技術で、しかも誰もが手の届く価格で再現されたのです。
- CREDIT :
文/渋谷ヤスヒト 編集/岸澤美希(Web LEON)
選者:時計&モノジャーナリスト/編集者 渋谷ヤスヒト
古き良きシンプルウォッチの世界が、まさかの値段で楽しめます!


だから、人から「あのアンティーク時計が気に入ったから、購入しようかと思ってる」と相談された時には、私はまず復刻系モデルをオススメすることにしています。オリジナルの雰囲気はそれなりにあるし、防水性もしっかり。だから、気を遣わずに毎日着けて楽しめるから。
ただし、復刻系の時計にはなぜかディテールのデザインがイマイチなモノが多い。たとえば針の太さ。どうしても「オリジナルくらい小さく細い方が絶対バランスがいいのに!? もうちょっと細ければ」と思う。でもそれは仕方がないことで、昔は耐久性など、時計の品質基準が今なら信じられないくらいユルユルでした。だから、あんなに細くエレガントな針が使えた。「今はクレームになる可能性のあるものは発売できない。社内の品質基準で弾かれる。残念だけど仕方ないですよ」というデザイナーのぼやきを何度も聞いたことがあります。
「上手過ぎるヴィンテージ演出は、老舗ブランドを超えた巧みさ!?」(渋谷)

何しろレイモンド ウェイルは1976年創業とスイスの中では若手ブランド。100年を超える歴史があってお手本にするアーカイブがたくさんあるわけでもない。だからミレジムは正確に言えば「復刻風」モデルなんです。
でも、ディテールを眺めれば眺めるほど、本当によくできている。ヴィンテージ感の演出が上手い。1930年代風とブランドが言う、ミリタリーテイストも香るセクターダイヤルの文字盤は、マットではなくサテンが基調。
しかも、色味を控え気味にトーンを使い分けることで落ち着きあるテイストに。針も先端に向かってシュッと細くなるシャープなフォルムにしたことで、繊細さとしっかり感を両立しています。
今回紹介するモデルはとにかく文字盤の色味が絶妙で、飲むと心が落ち着く、緑茶のような渋いグリーンです。ブレスレットも価格を超えた緻密な作りで、汗をかく春夏はもちろん、一年中快適に着けられる。これで30万円台って「マジ?」と言いたい。一本取られちゃったモデルです。


● 渋谷ヤスヒト(しぶや・やすひと)
時計&モノジャーナリスト・編集者。中堅出版社で文芸編集者、モノ雑誌編集者となり、1990年代から時計取材を開始して気がつくと30年超え。時計専門誌やウエブマガジンに、時計を中心にあらゆるモノについて、また現場インタビューを展開中。今年2025年春もスイス・ジュネーブへ。とにかくモノづくりの現場を見るのが生きがい。
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