2020.07.02
一生モノの時計は存在する? プロが教える3つの見分け方
デザインを気に入って買ったものの、なぜかつけなくなってしまった時計、ありません? それは、とあるポイントを見逃していたのかもしれません。長く付き合っていける腕時計選びのコツを『クロノス日本版』編集長・広田雅将さんが伝授します。
- CREDIT :
文/広田雅将(『クロノス日本版』編集長)
毎日選びたくなる腕時計のチェックポイントは3つ
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では、時計と長く付き合うには、どんなポイントを見ればいいのか。人によって条件は様々でしょうが、大きくは以下の3つです。
1.視認性が良いこと
2.ケースが薄いこと
3.全長が腕から飛び出さないこと
◆ グランドセイコー
無駄なく洗練された文字盤は、ずーっと飽きない
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なかでも、もっとも視認性に優れているのが、エレガンスコレクションのSBGW231。文字盤にあるのはGSとGrand Seikoのロゴのみ。さらに、文字盤と針の間隔を詰め、針の先を文字盤に沿うように曲げているため、視認性はいっそう高いのです。
しばしば時計マニア御用達といわれる本作ですが、支持されるのにはそれなりの理由があるわけです。また、ケースが薄いため腕馴染みにも優れています。
◆ ウブロ
シックなワントーンでも、立体感・視認性◎!
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見た目は立体的なのに、腕に吸い付くような印象を与えるのは、薄い自動巻きを選び、ケースを可能な限り薄くしたため。加えて本作は、ケースを軽いチタンで作ることにより、腕馴染みをさらに改善しています。
硬いチタン素材は、磨いてもステンレスのようにならないと言われていますが、このケースは工夫を凝らすことで、ユニークさと装着感、そして高級感を満たした快作です。
◆ パネライ
ミリタリー顔なのに、ドレスな付け心地に驚き
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ミリタリーウォッチが出自のパネライは、ケースを引っかけないよう、短いラグという特徴を持っていました。そのため、直径42mmのケースであっても、全長は直径40mmの時計よりも短いのです。
そんな特徴を強く打ち出したのが、薄型のルミノール ドュエ。薄いケースと短いラグのおかげで、見た目以上に、着け心地は快適です。装着感を決めるのは、時計の直径にあらず。むしろ見るべきは、全長なのです。
──衝動買いも時計選びの醍醐味。とはいえ、1本安心できる時計を持っておけば、安心して脱線もできるでしょう。カタチあっての型破り。面白い時計を買う前に、ルールを頭に入れておけば、大きく失敗することはないはずです。見やすさ、薄さ、そして全長をチェックして、どうぞ楽しい時計選びを!
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ウブロ 03-5635-7055
オフィチーネ パネライ 0120-18-7110
セイコーウオッチお客様相談室 0120-061-012
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● 広田雅将(ひろた・まさゆき)
1974年生まれ、大阪出身。時計専門誌『クロノス日本版』編集長。サラリーマンを経て2004年からフリーのジャーナリストとして活躍し、2016年より現職。関連誌含め連載を多数抱える。また、一般・時計メーカー・販売店向けなど、幅広い層に対して講演も行う。
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