2020.11.05
一歩先行く「スケルトン時計」は、“魅せる”目線で選びたい
すでに一大ジャンルになった感のある、スケルトン時計。近年、腕時計メーカーは単にスケルトナイズするだけでなく、いかに“魅せる”か、つまりデザインに力を入れるようになりました。腕元にいっそう差がつく新作をどうぞ。
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文/鈴木裕之
後付けの伝統装飾から“魅せるムーブメント”へ
しかし、現代ではそのような“後付け装飾”は下火となり、スケルトナイズを前提としたムーブメント設計が専用に行われるようになりました。ユリス・ナルダンの「ブラスト」や、ルイ・ヴィトンの「タンブール カーブ」は直線主体のスケルトナイズが目を引く、いわゆる“モダンスケルトン”の代表格。
コルムの「ゴールデンブリッジ」は、ムーブメント自体のスケルトナイズ加工はありませんが、独特なインライン構造は、そもそも見せることを前提にデザインされており、額縁としてのケースに大きなシースルー箇所を設けることで、ムーブメントの造形美を際立たせています。
◆ コルム 『ゴールデンブリッジ レクタングル』
直列ムーブメントが際立つレクタングルケース
独立時計師ヴィンセント・カラブレーゼのアイデアによるインラインムーブメントは、それ自体が芸術品のような凄みをもっています。新作ではシースルーの面積を大きく取ることで、ミニマルな魅力を存分に引き出しています。
◆ ユリス・ナルダン 『ブラスト』
幾何学的なスケルトナイズがクール
黎明期のステルス戦闘機を思わせる“折れ”を多用したケースのファセットは、細やかに仕上げが変えられています。ローズゴールドと黒のコンビカラーも、腕元を印象的に彩ります。
◆ ルイ・ヴィトン 『タンブール カーブ フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ』
オンリーワンのケースからメゾンのロゴが覗く
従来のケースをストレッチさせた新しいタンブールケースには、カーボンシートをランダムに重ねて成形する先端素材、カーボストレイタム®を独占使用。チタン製のインナーケースにピッタリとセットされています。
● 鈴木裕之(すずき・ひろゆき)
1972年生まれ、東京都出身。フリーライター。時計専門誌『クロノス日本版』や『GQ』などで執筆。時計業界歴19年。共著に『ALL ABOUT RICHARD MILLE リシャール・ミルが凄すぎる理由62』(幻冬舎)がある。
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GMインターナショナル(コルム) 03-5828-9080
ソーウインド ジャパン(ユリス・ナルダン) 03-5211-1791
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