イイトコ取りな「コンビ時計」は、大人スタイルにぴったり

コンビ時計─ベゼルやブレスの一部にゴールドを用いた時計─に対して、金無垢時計を買えない人が選ぶジャンル、みたいなイメージを抱いていたとしたら、それはとんだ時代錯誤。即刻考えを改めましょう。

SS、もしくはチタンなどのシルバーカラーの素材と、ゴールドのイイトコ取りしたオイシイ時計として、あえてコンビに挑戦する人が最近増えているんです。

そのリッチでスポーティな塩梅は、キレイもカジュアルもより今っぽくまとめる絶好のアクセントに。ゴールドがチラリと入ることで時計のレトロなテイストも高まり、オトナの渋さや色気をさりげなく表現したいときにも頼りになります。

難易度が高く感じるかもしれませんが、実はコーデは簡単。それをご覧のゼニスのモデルで実演してみましょう。

グレーのストライプスーツとコンビ時計の合わせ。カジュアル化が進むいまのビジネスシーンなら十分シックに見え、夜のシーンにおいても大人の格と色気を見せつけられるコーデといえましょう。

時計が浮きすぎず、シックになじんでいるのは、ニットや靴をゴールドとなじみのいいブラウン系でまとめているから。ちなみにスーツのストライプも淡い茶色です。

コンビ時計攻略のコツは、このようにゴールドと相性のいい色をうまく使うことです。このコーデの場合、モンク靴のバックルがゴールドというのもミソですね。

コーチジャケットとデニム、スニーカーを黒で統一した、男っぽいカジュアルなスタイル。ここにリッチなコンビ時計を投入したら浮いてしまうのでは？と思われるかもしれません。

でも、インナーのニットをイエローにすることで、時計のゴールドの色合いとリンクし、大人のストリートカジュアルスタイルに仕上がっています。

こういうスタイルはブレスレットや指輪でツヤ感を高めたくなりますが、コンビ時計はシルバーでもゴールドでも、それこそ両方を付けていても似合ってしまうのがいいところです。

3代目のルイ・カルティエが、友人のブラジル人飛行家アルベルト・サントス＝デュモンのため1904年にデザインした世界初の男性用本格腕時計を起源とする「サントス」。2018年には「サントス ドゥ カルティエ」としてリニューアルし、ベゼルの上下を伸ばし、その延長線上にブレスが繋がるより流麗なデザインになりました。

こちらはそのコンビバージョン。ベゼルとブレスのビス留めの18Ｋイエローゴールドがクラシックな気品を高めています。それでいてビュアな白文字盤とベースのステレンスにより、どこかフレッシュで若々しい雰囲気もあるというナイスなバランス。

いずれにしろどんなスタイルもノーブルにまとめ上げてしまう、いかにもカルティエらしい一本です。

ただいま人気絶好調のチューダー。こちらは“ビッグクラウン”や“スノーフレーク針”など、ブランドの伝統的なダイバーズディテールを踏襲した「ブラックベイ」の一本です。

もともとヴィンテージな雰囲気が魅力のシリーズですが、マットな黒文字盤とゴールドが響き合い、渋い男の色気がプンプン薫る佇まいに。

ちなみにこのブレスレットはセンターのSSコマのみをポリッシュ仕上げとし、あとはサテン仕上げ。その程よい輝き具合も実に大人っぽい感じです。