2020.11.15
featuring 河野矢 薫
気鋭のマーケターが選んだ「ともに時を刻んでいく腕時計」とは?
大阪を拠点に成長を続けるマーケターの河野矢 薫さんは、ウブロの哲学に感銘を受けて毎年1本ずつ買い足しているのだとか。次世代のエグゼクティブが考える、独自の“時”の捉え方とは? 華麗な時計遍歴から独自のウォッチライフが見えてきます。
- CREDIT :
写真/トヨダリョウ 文/長谷川 剛(TABLEROCK)
「腕時計とは、自分とともに時を刻んでいくもの」
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近年は毎年1本ずつ時計を購入しているという河野矢さんが時計に興味を持ったのは、高校生の頃だそう。
「高校生の頃はG-SHOCKを付けていたのですが、電池交換に訪れた近所の時計屋さんが、実はブライトリングブティックで。当時はそんなことを全く知らずに行ったんですけどね(笑)。
その店内に並んだ時計がすごく輝いていて、スタッフに“この時計はどうしてこんなにピカピカしているのか?”と思わず質問してしまいました。ブライトリング独自のスチールの叩き方など、マニアックな話を聞いていくうちに時計に興味を持ち、“大人になったら絶対にブライトリングを付ける”と決心したのです」
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時計のほかには、ウイスキーを趣味としている河野矢さん。先日は、初年度(1989年)の「響」を試したそうで、これまたこだわりのお酒ライフを楽しんでいるようです。
「時計とウイスキーには、ともに“時間を刻んでいくモノ”という共通点を感じています。時間にはいろいろな側面があり、短距離走のように“早く止めたい時間”、バスケ競技のように“減っていく時間”、そして人生のように“刻んで積み重なる時間”があります。
僕が重視しているのは、“刻んで積み重なっていく時間”。時計は、それを具体的に体感できるアイテムだと思います。
僕は後輩に対して、結婚などの節目に時計を購入することを奨めています。それはステイタス云々の話ではなく、成長していく自分の時間を、すぐ側で刻む相棒を持つことに意義を感じるから。だから、必ずしも複雑系や高額なものである必要はないんです。自分が気に入ったものであれば、それで十分だと思っています」
「チャレンジの姿勢を時計でもあらわしたい」
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「ビジネスで重要なのは、さまざまな要素を積極的に融合させていくこと。コンサルティング業においては、顧客とタッグを組んでアイディアを出し合うことで、新しい流れを生むことができます。
僕はウブロのCEOだったジャン-クロード・ビバー氏の著書を読んで、ブランドコンセプトの“The Art of Fusion(異なる素材やアイデアの融合)”に非常に共感しました。ウブロにはブランドの幹があって、その結果、異素材や複雑機構を組みあわせた斬新な時計が生まれている。プロダクトだけでなく、ウブロのブランド自体に感銘を受けたのです」
▲ ウブロのトップであったジャン-クロード・ビバー氏の戦略に共感し、最初に手に入れたのが、このビッグ・バン ブラックマジック。なかなかに使い込まれていますが、それも河野矢さんの哲学のあらわれなのだとか。「ケースなどについた傷も、自分が刻んだ時間のひとつ。恐れずに使い倒すのが僕の流儀です」
▲ チェンジャブルなレザーストラップには、ボタニカルのエンボス加工が施されています。
▲ ウブロのトップであったジャン-クロード・ビバー氏の戦略に共感し、最初に手に入れたのが、このビッグ・バン ブラックマジック。なかなかに使い込まれていますが、それも河野矢さんの哲学のあらわれなのだとか。「ケースなどについた傷も、自分が刻んだ時間のひとつ。恐れずに使い倒すのが僕の流儀です」
▲ チェンジャブルなレザーストラップには、ボタニカルのエンボス加工が施されています。
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チャレンジの姿勢を見せる意味で、オンの時計として平日はほぼこちらを着用しています。こちらは手巻きで、完全に巻き上げると10日間動く、つまり月に3回巻けば良いわけですが、僕はあえて月曜日の朝にウィークデーの5日分だけ巻き上げます。その行為が、“今週も働くぞ!”と自分に気合を入れるスイッチになっています」
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「最近手に入れたのは、将来をイメージするための時計」
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手元に来てからは時折身に付けていますが、本当のことを言うと、まだ“自分のもの”という実感は薄いかもしれません。ウブロの時計が現在の自分をあらわすなら、このロイヤル オークは将来をイメージするための時計といった感じでしょうか。
今の僕は「チャレンジ!前進!」という勢いですが、年を重ねたらそうはいかないはず。今後はスーツを着る機会ももっと増えていくかもしれないし、50代くらいになってしっくりくる1本なんじゃないかな。これから自分の時間の中で、じっくりと老舗の名作の魅力を感じていきたいと思います」
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● 河野矢 薫(こうのや・かをる)
Cloud-Innovation代表取締役(Cloud-Innovationはincenseに社名変更手続き中)。3X3プロチーム OSAKA DIMEオーナー
株式会社shift 顧問。
1986年京都府生まれ、34歳。2009年にサイバーエージェント新卒で入社。その後、2013年に退職し起業。一般向けの商品をもつ製薬会社や酒造メーカー。個別指導塾などの案件のサポートを行う。広告だけでなく、CRM、コールセンター、BIツールなどのクライアントのビジネス成長の課題に対して提案や一緒に事業を進めていくスタンスで取り組む。また、2020東京オリンピックの新規競技である3X3チームを運営し、競技の発展やオリンピアンのサポートも行う。
Twitter/@k_kounoya
OSAKA DIME/https://osaka-dime-3x3.com/