2017.11.25
時計業界のポジショニングを知らないのは日本人だけ
時計業界のポジションニングは、世界的には常識だった? 世界の時計事情に詳しいジャーナリストが、日本人にはなじみの浅い世界の時計業界の事情を紹介します。
- CREDIT :
文/篠田哲生(時計ライター) イラスト/野村憲司(トキア企画)
世界が認める“トラディショナル時計王国”
自由な発想が魅力の“リシャール・ミル新興勢力”
リシャール・ミル「RM 11-03 オートマティック フライバッククロノグラフ」(1590万円 予価)
“カジュアル時計王国”は日本勢が独占
海外市場では価格を重視したモデルが売れる一方で、国内ではプレミアム戦略も進行中。10万円以上の高額G-SHOCKが、高級時計を所有する愛好家の休日用時計として人気を集めている。
G-SHOCK 「GPW-2000」(10万円)
シチズンもGPS衛星電波を使うが、処理速度と針の動きに徹底的にこだわり、使用感を高めている。カシオは電波受信機能、GPS衛星電波機能、スマートフォン連動の三種の技術を取り混ぜている。これらの高精度技術の完成によって、もはや精度競争は無意味になったといえるだろう。
時計師たちによる集団”アカデミー”
ブランド化して成功したのは、フランソワ・ポール・ジュルヌ氏の「F.P.ジュルヌ」だろう。さらには2名の天才時計師による「グルーベル・フォルセイ」や英国出身のピーター・スピーク・マリンが手掛ける「スピーク マリン」も時計愛好家には有名だ。
F.P.ジュルヌ「ヴァガボンダージュⅢ」(672万円)
「原宿に世界一の時計技師がいることを知っていますか?」
※先日ご紹介した浅岡 肇の記事はコチラから
● 篠田哲生
1975年千葉県出身。講談社「ホット ドッグ・プレス」を経て独立。専門誌やビジネス誌、ファッション誌など、40を超える雑誌やWEBで時計記事を担当。時計学校を修了した実践派である。