2021.04.09
「スポーツウォッチ」の定義って? あの名作で解説します
スーツスタイルに合う「ドレスウォッチ」は装身具として進化してきましたが、その対抗馬となるジャンルが「スポーツウォッチ」。とはいえ、ひと口にスポーツウォッチと言っても様々な種類があるから迷ってしまう……。でも、そのデザインやディテールに秘められた物語を理解すれば、時計選びがより楽しくなるはずです。
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写真/鈴木泰之(Studio Log) スタイリスト/小野塚雅之 文/篠田哲夫
デザインの意味を知ると、腕時計がより楽しくなる
一方で、「ドレスウォッチ」の対抗馬となるジャンルが「スポーツウォッチ」。まさに“男の腕時計”と呼ぶに相応しいものですが、これはどこから生まれたのか?
それは“現場”です。戦場やスポーツ競技場、あるいは飛行機のコクピットなど、男たちの現場で求められる道具や計器として、男の腕時計は発達してきました。その共通点は、「タフ」で「機能的」で「視認性が高い」こと。
現代の男性にとって腕時計は、時刻を知る以上に自分を表現するアクセサリーですから、スポーツウォッチを付けることで、趣味や活動的なライフスタイルを匂わせることもできるのです。
それでは、代表的なスポーツウォッチとその見ドコロをご紹介しましょう。
◆ Type 01 パイロットウォッチ
無骨なディテールはグローブで操作した名残
そもそも、飛行機が生まれた20世紀初頭は正確な計器がなかったので、腕時計を使って燃料を計算したり、方向を計測したりしていました。
パイロットウォッチの特徴は、大きなリューズやボタンを備え、グローブを着用した状態でも操作しやすいこと。もちろん素手でも操作しやすいので、日常使いにも適しています。回転式ベゼルのあるモデルでは、マーカーを分針に合わせることで、経過時間を簡単に読み取ることができます。
こちらのクロノマットJSPは、2004年まで採用されていたライダータブというベゼルデザインを継承する日本限定モデル。ケースはガッチリとしていますが、ディテールまで丁寧に磨いており高級感を引き出し、クラシックなパイロットウォッチを巧みにモダナイズしています。
◆ Type 02 ダイバーズウォッチ
ダイバーを守る逆回転防止ベゼル
その原点が、「ブランパン」から1953年に発表されたフィフティ ファゾムス。その最大の特徴は、大きくて操作しやすい逆回転防止ベゼル。逆回転しないために、万が一ベゼルが動いてしまったとしても潜水時間を少なめに表示することになり、タンク切れになる心配はありません。
見やすく大きな針とインデックスに、夜光塗料を塗布することでそれをクリア。水中でも視認性を確保し、ダイバーの安全を守ります。
また、フィフティ ファゾムスのスタイルは現代へと受け継がれていますが、本モデルではダイヤルをブルーにするなど、華やかなアレンジを加えており、機能だけでなく“装う楽しさ”もしっかりと取り入れられています。
◆ Type 03 ミリタリーウォッチ
黒ダイヤルにもストーリーがある
その要求レベルの高さが、腕時計を一気に進化させたのです。アメリカ生まれの「ハミルトン」は、アメリカ全軍に時計を供給していましたが、そのスタイルはカーキ フィールド メカとして今も受け継がれています。
さらには時間を24時間で呼ぶミリタリータイムに合わせて、13〜24の表示も加えているのも、ミリタリーウォッチらしいディテール。しかも、このモデルはケースまでブラックPVD加工で精悍にまとめ、ムーブメントは80時間連続駆動のCal.H-50を搭載。かなり進化させています。
◆ Type 04 ドライビングウォッチ
タキメーターに宿るレーシングスピリット
その先鞭をつけたのが「タグ・ホイヤー」であり、ドライビングウォッチとして1963年に誕生したのがカレラでした。
カレラの特徴は、ドライビング中でも視認性を高める、端正で大きなダイヤルデザイン。ベゼルにタキメーターを配置していますが、これは1kmの通過タイムをクロノグラフで計時することで、対象物の速度を計測する目盛り。クロノグラフのスポーティ感を演出するポイントとなります。
また、ベゼルを硬いセラミック製にすることで、傷つきにくくし、さらに艶のある質感まで与えているのです。
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