また、パーティに合わせたプログラムには、フィレンツェが誇る職人たちの工房見学とワイナリーのツアーまでが組み込まれ、技術と伝統を巡る旅さながらの3日間となった。
発表されたのは2013年にはじまり、同社の熟練職人による手仕事の粋を集めたハンドヴェルクスクンストの6作目となる「1815ラトラパント・パーペチュアルカレンダー "ハンドヴェルクスクンスト"」と、人気の「ランゲ1」「サクソニア」それぞれ手巻き、自動巻モデルのブルーダイヤル仕様。
出色なのはムーブメント裏側のサファイアクリスタルを覆う裏蓋で、ここに再現された月の女神ルーナと周囲のサークルは、レリーフ技法とトランブラージュ技法を駆使して浮き彫りにし、そこに青い釉薬を焼き付けた星と雲で縁取られている。
ちなみに、この「1815ラトラパント・パーペチュアルカレンダーハンドヴェルクスクンスト」は世界限定20本。日本で目にすることが今後あるかどうかすらわからない希少なモデルであることを加えておく。
青は、古くから芸術家にインスピレーションを与え、自然科学者を幾度も研究に駆り立ててきた色。かのレオナルド・ダ・ヴィンチは、空と遠方をイメージさせるブルーを光と闇の混合色であると書き残している。
そう、ここに登場するレオナルド・ダ・ヴィンチこそ、フィレンツェが誇る天才であり、今回発表された「ブルー」を共通色とする両モデルをなぜドレスデンではない場所で発表した狙いの核とも言える。
正式なコメントではないながら、ヴィルヘルム・シュミットCEOは今回のイベントを「A.ランゲ&ゾーネの時計作りの姿勢が変わることはありません。けれども、コミュニケーションの方法は時代に即して柔軟であるべきだと思っています。また、我々が作る素晴らしい時計をなるだけ広い世代、広い地域に知っていただきたいと思っています」と話してくれた。
技術の粋を結集したモデルに、時代が求めるスタイリッシュなモデル、それらをストーリー性の高いプレゼンテーションで表現し、柔軟なデジタルコミュニケーションへのコミットメントで拡散する姿勢は、今後の時計ブランド各社が向かうひとつのモデルケースとなりそうだ。
A.ランゲ&ゾーネ
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