美しさがず〜っと続くゴールド時計に注目です
しかし、柔らかすぎる純金はケース素材としては不向きで、割金(特定の金属に混ぜるほかの金属のこと)を混ぜた18Kの合金として用いられることが通例。銀と銅が割金の代表格で、ISO(国際標準化機構)では銀のパーセンテージで18Kゴールドの色味を定義しています。3N=イエローゴールド、4N=ピンクゴールド、5N=レッドゴールドとなりますが、こうした赤系ゴールドは酸化しやすい銅を多く含むため、長く使ううちに赤みが抜けていってしまいます。
また、金サビと呼ばれる表面のシミは、どんな18Kゴールドでも起こります。ゆえに、いつまでも輝きを失わない18Kゴールドを求め、現在ではさまざまなブランドが独自レシピを展開しているのです。
◆ オメガ
赤系と白系に独自レシピを展開
▲ 「コンステレーション マスター クロノメーター 」自動巻き、18Kセドナ™ゴールドケース(41mm)、レザーストラップ。253万円/オメガ(オメガお客様センター)
▲ 太陽系で最も赤いと言われている小惑星「セドナ」にちなんだ名をもつ18Kセドナ™ゴールド。長期間色褪せない赤みを帯びたカラーが特徴です。
▲ 「コンステレーション マスター クロノメーター 」自動巻き、18Kセドナ™ゴールドケース(41mm)、レザーストラップ。253万円/オメガ(オメガお客様センター)
▲ 太陽系で最も赤いと言われている小惑星「セドナ」にちなんだ名をもつ18Kセドナ™ゴールド。長期間色褪せない赤みを帯びたカラーが特徴です。
2012年に登場した18Kセドナ™ゴールドは、割金に銅とパラジウムを用いることで、銅の酸化を抑制し、変色を抑えています。
◆ ウブロ
プラチナ含有の色が変わらないゴールド
赤系ゴールドにプラチナを使う手法は、先駆けとなった「ロレックス」や「ウブロ」のほか、「パネライ」のゴールドテック™などがありますが、どれも特殊な冶金技術を必要とするためそれぞれ異なる特許となっています。
セラミックを混ぜることで傷のつかないボディに
▲ 「ビッグ・バン ウニコ フルマジック ゴールド」自動巻き、18Kマジックゴールドケース(42mm)、ラバーストラップ。10気圧防水。世界限定200本。403万7000円/ウブロ
▲ 「ウブロ」独自のマジックゴールドは、割金を使わずにセラミックとゴールドの合金にしたことで、理論上退色せず傷もほぼ付きません。自社に金属&素材研究室を擁する同社ならではの新素材と言えるでしょう。
▲ 「ビッグ・バン ウニコ フルマジック ゴールド」自動巻き、18Kマジックゴールドケース(42mm)、ラバーストラップ。10気圧防水。世界限定200本。403万7000円/ウブロ
▲ 「ウブロ」独自のマジックゴールドは、割金を使わずにセラミックとゴールドの合金にしたことで、理論上退色せず傷もほぼ付きません。自社に金属&素材研究室を擁する同社ならではの新素材と言えるでしょう。
ゴールドとセラミックスを配合した18Kマジックゴールドは、圧倒的な表面の硬さによって、傷が付かない18Kゴールドを実現させたのです。セラミックを焼成して多孔質のケースを作り、そこに高温高圧でゴールドを鋳込んでゆく製法は、ハイテク系ゴールド素材の筆頭と呼べるでしょう。
◆ A. ランゲ&ゾーネ
特殊な熱処理で硬さと淡い色味を実現
「A. ランゲ&ゾーネ」が2010年に発表した18Kハニーゴールドは、3N(イエローゴールド)よりもやや淡いシャンパンゴールド調の色味が特徴。同社ではこれをハニーカラーと呼んでいます。割金の配合比率は非公開となっていますが、特殊な熱処理を加えることによって表面硬度が上がるため、通常の18Kゴールドよりも傷が付きにくいという特徴ももっています。
こうした18Kゴールドの熱処理技術はジュエリー業界から派生したもので、近年では同グループの「IWC」も取り組んでいます。18Kアーマーゴールドと呼ばれるその素材は、割金自体は18KPGと同様ですが、熱処理を加えることによって表面硬度を5倍以上に高めています。今後は色が変わらないゴールドに加えて、傷が付きにくいゴールドも多く登場してくることでしょう。
■ お問い合わせ
A. ランゲ&ゾーネ 0120-23-1845
ウブロ 03-5635-7055
オメガお客様センター 03-5952-4400
オールウェイズ 03-5952-5958
コロネット 03-5216-6521
ポール・スチュアート 青山本店 03-6384-5763