2021.05.29
【腕時計のプロが選ぶ】今気になる「グリーンダイヤル」の傑作
腕時計の最前線で活躍するジャーナリスト3人が、2021年の新作からイチオシモデルをリコメンド! 大豊作なグリーンダイヤルは、コーディネートのスパイスとしても注目したいところ。新鮮な魅力を放つ3モデルが揃いました。
- CREDIT :
文/福田 豊、鈴木裕之、篠田哲生
グリーンダイヤルで定番モデルの雰囲気がガラリ!
これまでもグリーンカラーをまとったモデルはいくつか登場していましたが、今年は名だたるブランドが満を持して発表! これはもはや一過性のものではなく、ブルーダイヤルに続くカラーとして定着する兆しを感じさせます。
そんな大豊作のグリーンダイヤルから、3名の時計ライターにオススメを選んでいただきました。
◆ 福田 豊が選んだのは……
パテック フィリップ「ノーチラス 5711/1A」
![](https://assets-www.leon.jp/image/2021/05/28060715862339/0/PP_5711_1A_014.jpg)
今年初頭には、ステンレススティール仕様のノーチラス 5711/1A生産中止が決定されました。その後に発表されたのが本作。これがノーチラス 5711/1Aのラストモデルになるそうです。
ということで、グリーンダイヤルでなくとも大注目なのですが、しかしこの新しいオリーブグリーン・ソレイユダイヤルは要注目。仕上げなど詳細は不明ですが、この淡いグリーンは色出しが難しく、さすがダイヤルの品質に定評のある「パテック フィリップ」の風格を感じさせます。
また、実物は写真よりもグレーっぽく落ち着いた色合いで、そこも魅力。そのためグレーやネイビーのようにごく普通に着けこなせます。
◆ 鈴木裕之が選んだのは……
ベル&ロス「BR 03-92 ダイバー ミリタリー」
![](https://assets-www.leon.jp/image/2021/05/28061244239926/0/berurosu.jpg)
各社がさまざまなグリーンでダイアルを彩る中で、「ベル&ロス」がチョイスしたのは、やはりミリタリー調のカーキグリーン。ケースとベゼルをブラックセラミックスとしたことで、精悍な印象がグッと高まりました。
ところで、なぜ「ベル&ロス」がミリタリーダイバー?って不思議がる読者もいるでしょうが、まだ「ジン」でケースを製作していた創業当時、防水深度1万mオーバーのミリタリーダイバーを作っていたのです。これも歴史ですね。
◆ 篠田哲生が選んだのは……
IWC「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41」
![](https://assets-www.leon.jp/image/2021/05/28060825362352/0/iwc-crono.jpg)
「IWC」といえば、ブルーやブラウンのダイヤルはありますが、グリーンはかなり希少な存在。しかもダイヤルとインダイヤルとで仕上げを変えることでグリーンの奥行きを与えるなど、その演出はかなり巧みです。
「IWC」のパイロットウォッチは、時計界におけるマスターピースであり、多くのファンをもつモデルですから、美しいグリーンで個性を楽しむというのは正しいテクニックとなるでしょう。グリーンと補色関係にあるレッドを、秒針に取り入れるテクニックも効果的です。
■ お問い合わせ
IWC 0120-05-1868
パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109
ベル&ロス 銀座ブティック 03-6264-3989
● 福田 豊(ふくだ・ゆたか)
ライター、編集者。『LEON』『MADURO』『ENGINE』『クロノス日本版』などの雑誌やwebで、ファッション、時計、クルマ、旅など、男のライフスタイル全般について執筆。webマガジン『FORZA STYLE』にて時計連載や動画出演多数。ロックTシャツの紹介をインスタグラムでやってます。
Instagram/@fukuda1959
● 鈴木裕之(すずき・ひろゆき)
1972年生まれ、東京都出身。フリーライター。時計専門誌『クロノス日本版』や『GQ』などで執筆。時計業界歴19年。共著に『ALL ABOUT RICHARD MILLE リシャール・ミルが凄すぎる理由62』(幻冬舎)がある。
● 篠田哲生(しのだ・てつお)
1975年生まれ。千葉県出身。講談社「ホット・ドッグ プレス」を経て独立。専門誌からファッション誌、ビジネス誌など幅広い媒体で時計企画を担当。『30過ぎたら男の時計選びは教養だ』(光文社新書)を上梓。