2018.04.05
【バーゼル速報03】
攻めのウブロは、今年どこまで進化したのか?
世界最大規模の時計見本市が、スイスのバーゼルで行われる「バーゼルワールド」。著名な時計ブランドが多数出店するなかで、静かに熱い地殻変動がおこっている模様。そんななかから、LEON.JPが注目する時計ブランドの最新作と、目が離せないブランドの動向をご紹介します。3日目は、今年ロシアでのワールドカップのオフィシャルタイムキーパー、及びオフィシャルウォッチを務める、ウブロです。
- CREDIT :
写真/小林孝至 取材・文/福田 豊
◆ ウブロ
不可能を可能にする、時計界を牽引するキーブランド
さらに、ゴールドのモデルにもラバーストラップを使用し、「ゴールドケース×ラバーストラップ」という、それまでの時計界にはなかった斬新な組み合わせで”素材使いの名手”と称され、世界的人気を博したのが、その栄光の始まりです。
時を経て、2004年。ブランパン復興の立役者であり、スイス時計界きっての実力者である、ジャン-クロード・ビバー氏が新CEOに就任。翌2005年、創業25周年となる節目に、素材使いをさらに進化させた「アート・オブ・フュージョン=異なる素材やアイデアの融合」を新コンセプトに掲げ、それを体現した「ビッグ・バン」を発表。
異素材を組み合わせた多層構造ケースや、ダイヤルも針もケースもすべてを黒にした「オールブラック」が爆発的人気を集め、数多のフォロワーを輩出し、時計の新たな時代を切り拓いたのです。
そんなウブロが今年も見せてくれました。新作は鮮やかな赤いセラミックをケースとベゼルに使用したモデル。赤色というのは、じつはセラミックとの親和性が低く、そのためこれまで鮮やかな赤のセラミックは不可能とされてきたのです。赤味を必要とするネイビーのセラミックが、鮮やかなブルーより難しい、とされるのも同じ理由から。
しかしそんなレッドセラミックを、遂に実現させたのです。約4年の歳月をかけ自社開発し、特許を取得。まさに時計の新時代を切り拓く革新作なのです。
パートナーシップを締結してから3回目となるFIFA ワールドカップとのパートナーシップモデルを発表。今年ロシアで開催されるワールドカップに向けてFIFAから要請があり開発したモデルなのです。
試合中、実際にレフェリーが着用し、ゴールが決まった瞬間にバイブレーションや文字で報せるなど、さまざまなレフェリー用の機能を搭載しているのが特徴。ダイヤルは得点をはじめ、イエローカードやレッドカードの数、選手交代など、各種情報のリアルタイム表示機能を備えています。
また、同モデルはバーゼルワールドの開催初日の3月22日から「FIFA ワールドカップロシア大会™」の開催日の6月14日までの85日間をカウントダウン。
同じ時間を刻んでいる世界限定2018本が、幸運なサッカーファンの手元に渡り、同じ機能を味わえるという趣向なのです。また、参加する32ヶ国の国旗を摸したストラップもオプションとして購入でき、ダイヤルも同じデザインに表示することも可能。
そんなこともあり、今年のブースには、ワールドカップモデルに合わせて、ロボットのキーパーを相手にPKを蹴るゲームが設置されていました。多くの来場者を夢中にしたのも、ウブロならではの魅力といえるでしょう。
バーゼルワールドとは?
「BASELWORLD」=「バーゼルワールド」は、毎春先にスイスのバーゼルで開催される、世界最大級の時計宝飾見本市。そもそもはスイスの主要産業である工業製品を国内外に披露する「スイス工業展」が起源で、昨年100周年を迎えました。
そんな長い歴史と伝統から、市民にとっては“年に一度の祭事”のようになっており、チケットを買えば誰でも入場できる、まさにお祭りのような明るくオープンな雰囲気が特徴。週末には、友だち同士や、カップル、ベビーカーを押した家族、老夫婦、犬連れの方など、さまざまな来場者が皆うれしそうに時計を眺めている姿を見ることができます。
■ お問い合わせ
ウブロ 03-3263-9566