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2023.09.30

WEC観戦でわかった! 「GOODYEAR」の市販タイヤが日本の道路に合う理由

FIA世界耐久レース、通称WEC。「ル・マン24時間レース」を含むWEC全7戦にタイヤを供給するのがタイヤブランド「GOODYEAR」。そこに用意されているのはスリック(晴天)用とウエット(雨天)用の2種類のタイヤのみ!そのスタンスや考え方は、すべて後のタイヤの市販化を見越し、環境を考えた緻密な戦略があってこそだったのだ──。

CREDIT :

写真/長谷川直紀、吉田成信 取材・文/近藤高史(LEON)

WECのLMP2クラスにタイヤを供給している「GOODYEAR」

グッドイヤー FIA世界耐久レース、通称WEC
世界でも有数のレースだというのに、用意されているタイヤの少なさに思わず目と耳を疑う。エントリーしている全11チームに対し、本国より持ち込んだタイヤの本数は約1万本。それだけ聞くと多い気もするかもしれないが、LEONレーシングがエントリーするスーパーGTでは、スリックタイヤ(ドライ)も、ウエットタイヤも各3種類。それぞれ硬さが異なったり、雨量に合わせてタイヤの溝の深さが異なったり。
それだけタイヤ交換のタイミングや、タイヤ選択でレースの結果が変わってくるというレースの楽しみ方はあるものの、裏を返せばタイヤ選択だけでレースの大勢が決してしまう場合もある。さらに言うと、レースごとに開催地や気候に合わせてタイヤは変わる。よほどでない限り、同じタイヤは二度と使われないのだ。
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スリックタイヤとウエットタイヤが各1種類のみ!

いっぽう、WECのLPM2クラスで使われる「GOODYEAR」タイヤは、前述のとおり年間を通してまったく同じスリックとウエットが、各1種類ずつのみ。しかもそれは、気温4℃のベルギーでのレースでも40℃超えのバーレーンでも変わらないし、距離が24時間耐久レースでも6時間でも変わらない。もちろん、24時間レースともなれば当然、昼と夜とでコンディションも変わるが、まったく同じタイヤを一年間、使い続けている。ちなみにスリックは黄色、ウエットは青色でマーキングされている。
さらに、スーパーGTでよく耳にするのがタイヤの“温め”。通称・タイヤウォーミングは、タイヤの効きを良くするためタイムアタック前に何周か走り、タイヤの状態を最高の状態にもっていき予選に臨む。だが、WECではコレを禁止。つまり、アウトラップ(ピットアウトした周)後、1周目からフルアタックを開始するのだが「GOODYEAR」が供給しているのは、コレが可能なタイヤということになる。
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「GOODYEAR」タイヤの特徴はこの3つ!

グッドイヤー FIA世界耐久レース、通称WEC
以上のことから見えてくる「GOODYEAR」タイヤの3つの特徴。ひとつめはタイヤの気候や天候に対する対応力。タイヤのゴムが硬くなってしまうような気温の低さでも、逆に溶けて柔らかくなってしまうような暑さでも、ひとつのタイヤでカバーできるということ。雨で濡れた路面でも、だ。これは例えば北海道でも沖縄でも今夏の東京のような暑さでも、タイヤのパフォーマンスが変わりにくいことを意味する。

ふたつめは走り始めてすぐにタイヤのもつ最高のパフォーマンスを発揮できるという即効性。これは例えれば我々がクルマに乗って出かける時に、ガレージを出てすぐに安心で安全なドライブが可能ということを意味する。
そして3つめは耐久力。タイヤは当然、使えば使うほど摩耗し、滑りやすくなったりパフォーマンスが低下したりするものだが、24時間レースでもたったの7セットで走りきることができるのだ。これはつまり、とってもサステイナブル。無駄なタイヤを作らずに済むし、1本のタイヤのライフが延びれば延びるだけ環境に優しいことになる。

これらはすべて、ワンメイクレースの1カテゴリーに1社のタイヤサプライヤーとして存在しているからこそできること。そしてレースから得られたデータは、すべて市販のタイヤ開発、改良に生かされるという。
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さすが世界のレース、WEC。何もかもがワールドクラス!

「レースは市販用タイヤを作るためなんです」

グッドイヤー FIA世界耐久レース、通称WEC
WECのために来日していた「GOODYEAR」社のテスティングマネジャーをつとめるジョアオ・コエルホ氏に話を聞いた。

「GOODYEARでは、レースのタイヤを作る工場と、一般向けに販売するタイヤを作る工場をあえて同じ場所にしています。これはつまり、レースで持ち帰ったデータをレース用タイヤのアップデイトに用いるのはもちろんのこと、市販タイヤの性能向上にこそ生かしたいと考えているからです。

WECのタイヤも、2022年までスリック2種、ウエット1種、フルウエット1種の計4種を供給していたところ、スリックタイヤとレインタイヤを各1本ずつに減らす申し入れをしたのも実はGOODYEAR社サイドからでした。我々がレースに参戦する意味は、たまたまレースで得られたデータを市販用タイヤに生かすのではなく、レースは市販用タイヤを作るためのいわば実験の場なのです」
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「サーキットは、生きたデータを得られる大切な場所」

グッドイヤー FIA世界耐久レース、通称WEC
雪道のチェーン規制も問題ナシ。暑い夏のハードな走行も難なくこなすからと、いまオールシーズンタイヤは大人気。その日本におけるオールシーズンタイヤの先駆け的存在なのが「GOODYEAR」社なのをご存知だろうか。どんな天候&気温でもオールマイティで走れる汎用性。ゴムが柔らかいのが弱点だったスタッドレスタイヤのデメリットを克服し、季節を問わず何年も装着しっぱなしでOKな耐久性。そう、これらはすべてレースで得られた知見をもとに作られた賜物なのだ。

ジョアオ・コエルホ氏は続ける。
「レースで速く走るだけのタイヤは意味がない。なぜかといえば、我々がLMP2というカテゴリーのレースのサプライヤーとして存在する理由がそこにあって、このカテゴリーは最低2人のドライバーでチームを構成することがルールになっています。ひとりはプロフェッショナルドライバー、ひとりはジェントルマンドライバー、つまりアマチュアレーサーです。となるとブレーキング、加速、コーナリングなど走らせ方も全然違います。そのどちらにも合ったタイヤを作らなくてはいけないし、そのどちらからもデータを回収できるのです。だから、本当にサーキットは我々にとって生きたデータを得られる大切な場所なんですよ」
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「日本の道路とGOODYEARタイヤの相性は良いです」

最後にジョアオ・コエルホ氏に日本の道と「GOODYEAR」のタイヤの相性について聞いてみた。

「カーブが多い日本の道は、グリップ力が高い『GOODYEAR』のタイヤはとても合っていると思います。タイヤとコミュニケーションを上手にとって、クルマと路面の状況を感じながら快適なドライブを楽しんでもらいたい。それができるのも『GOODYEAR』のタイヤなんです。ドライブが好きな人に、応えられるタイヤを作りたい。スピードを出さなくてもドライブが楽しめるタイヤって素敵じゃないですか」

安全で安心。環境に優しく、そしてドライバーにも優しく──。「GOODYEAR」の飽くなき挑戦は続く。

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