• TOP
  • CARS
  • 待望の新型12気筒フェラーリが登場! これぞ憧れのスーパーカーたる魅力を探る

2024.05.28

待望の新型12気筒フェラーリが登場! これぞ憧れのスーパーカーたる魅力を探る

クルマ好きオヤジさんの永遠の憧れは、なんてったって“跳ね馬”! 跳ね馬のエンブレムを掲げるフェラーリは、常に引く手あまた。入手困難な状況はずっと続いているほどであります。

CREDIT :

文/小川フミオ 写真/Ferrari SpA 編集/Web LEON

ネーミングからして本気度が伝わってきます

フェラーリ 12チリンドリ 12気筒
▲ 端正な印象のフロントマスク。
12気筒エンジン搭載車は、もはや世界遺産級。多くのメーカーが12気筒エンジンの生産を取りやめています。しかし環境対応技術までしっかり盛り込んで、フェラーリは12気筒への強いこだわりを見せています。

2024年5月3日に、フェラーリは、伝家の宝刀12気筒搭載の新型車をお披露目しました。その名もずばり「12チリンドリ・ベルリネッタ」と「同スパイダー」。イタリア語で12気筒の意味です。なんともいさぎよいネーミング!
PAGE 2
フェラーリ 12チリンドリ 12気筒
▲ スポーティさとエレガンスの両立をはかったというスタイリング
場所は、米マイアミ。米国市場参入70周年を記念する意味もあったそうで、F1マイアミグランプリとタイミングを合わせたものです。エンジンを前部に搭載して後輪を駆動する2人乗り。1950年代から60年代にかけてフェラーリが送り出したGTを彷彿とさせるモデル、と説明されました。

確かに、昔のフェラーリを知る人なら、「1950年代から60年代にかけてのGTからインスピレーションを得た」という、デザイン統括のフラビオ・マンツォーニ氏の言葉にうなづけるでしょうか。とりわけ、67年に発表された「356GTB/4(デイトナ)」の面影を、ノーズとか車体側面に見いだすことができる気も。
PAGE 3

マニアをも刺激する、新型12気筒の懐古的な造形美

フェラーリ 12チリンドリ 12気筒
▲ 人気が出そうなスパイダー。
ちょっと懐古的なモチーフを今回はあえて採用したようです。ユニークなのは、ベルリネッタ(クーペ)のリアウインドウの造型。「(1960年代から70年代にかけて多く登場した)デルタ翼のイメージ」を盛り込んだとマンツォーニ氏は言います。コンコルドをはじめ、サーブ35ドラケンとかミラージュⅢといった機体を思い出すオヤジさんもいるかもしれません。

「12チリンドリは、(2022年まで生産されていた)812スーパーファストの後継にあたります。ただしホイールベースをより短縮するなどして走りの良さを追求している分、ボディデザインでは、存在感を強調する必要があったため、各所に印象的なモチーフを使いました」
PAGE 4
フェラーリ 12チリンドリ 12気筒
▲ 新開発のバルブ機構や軽量ピストンやコンロッドを組みこまれた12気筒。
マンツォーニ氏の説明にあるように、エンジニアリングとデザイン、ともに高いところを目指すのがフェラーリのクルマづくり。なぜホイールベースを短くしたかというと「サーキットでのコーナリングスピードを高めるため」と、技術部門を統括するジャンマリア・フルゼンツィ氏は説明。
ちょっとマニアックなことを書きますが、812スーパーファストよりホイールベースは20mm短縮。加えて、4WSを搭載しています。いわゆる後輪操舵機構ですね。12チリンドリでは、左右輪が別々の角度で動きます。812コンペティツィオーネと同様のシステムです。
PAGE 5
フェラーリ 12チリンドリ 12気筒
▲ クーペとはまた違う美しさを見せるスパイダー。
「これでコーナリング時はホイールベースが50mm短くなったのと同じ効果が得られ、よりすばやい回頭性がもたらされます」とフルゼンツィ氏。同時に最高出力は上がっているし、エンジン自体が軽量化。フェラーリの意地を感じさせるではありませんか。

一方、長い距離を快適に移動できるのがGT(グラントゥーリズモ)ですから、12チリンドリでは、後輪操舵機構によって実際より長いホイールベースを持った場合と同じだけの安定性が確保されます。
PAGE 6

インテリアのコンセプトは、デュアルコックピット

フェラーリ 12チリンドリ 12気筒
▲ リアコンビネーションランプの上の黒い部分がスポイラー。
もうひとつユニークなのがリアのスポイラー。先に触れたとおりデルタ翼型のリアウインドウのデザインを壊さず、かつ荷室へのアクセスをよくするため、一体型をやめ、左右に2基、小さなものがとりつけられました。それが電動で最大10度まで立ち上がり、高速で車体が浮き上がるのを防ぐ効果をもたらします。
フェラーリ 12チリンドリ 12気筒
▲ レーシングカーの雰囲気がたっぷり盛り込まれたコックピット。
PAGE 7
フェラーリ 12チリンドリ 12気筒
▲ 自分の体型に合わせてオーダーする顧客も少なくないというシート。
インテリアの見どころは、液晶パネルが大型化したこと。それと、運転席と助手席、シートの下の床面にもシートと同じ色の処理がなされ、印象としては繭に包まれているかのようです。赤いシートだと赤いフロアが選べるし、なんと左右で別の色にすることも可能。デュアルコクピットなるデザインコンセプトです。
フェラーリ 12チリンドリ 12気筒
▲ デュアルコクピットのテーマが継続採用された車内。
PAGE 8

12気筒を諦めないことの証が、12チリンドリという存在

「12気筒モデルは。欧州の規制などあって、これで打ち止めだろう、って訊かれることもありますが、フェラーリでは先の計画について言わないのがポリシーです。ただ、この12気筒は欧州の規制をクリアしているので、少なくとも2026年まではなんの問題もなく、つくり続けられます。12気筒を諦めるメーカーが多くなっているなかで、私たちは、12気筒の開発の手を休めていません。12チリンドリという車名はその証でもあります」
フェラーリ 12チリンドリ 12気筒
▲ 往年のGTを彷彿させるボディには赤もよく似合う。
PAGE 9
本社での発表会における、マーケティング担当重役、エンリコ・ガリエラ氏の説明、というより、これはマニフェストですね。世界中のフェラーリファンはこれを聞いて、大いに喜んでいることでしょう。

価格は、クーペが39万5000ユーロ(VAT税込み・1ユーロ=約168円で約6600万円)、スパイダーが43万5000ユーロ(同約7325万円)。クーペは2024年第4四半期から、スパイダーは25年第1四半期から、欧州で販売が始まるとのことです。

■ Ferrari 12Cilindri Berlinetta

全長×全幅×全高/4733×2176×1292mm
ホイールベース/2700mm
エンジン/6496cc V型12気筒(65度) フロントミドシップ 後輪駆動
最高出力/610kW@9250rpm
最大トルク/678Nm@7250rpm
変速機/8段ツインクラッチ
0-100kph加速/2.9秒
価格/39万5000ユーロ(イタリア)

■ お問い合わせ
フェラーリジャパン
HP/詳しくはこちら

こちらの記事もオススメです

PAGE 10

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        待望の新型12気筒フェラーリが登場! これぞ憧れのスーパーカーたる魅力を探る | 自動車 | LEON レオン オフィシャルWebサイト