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2024.06.16

今やセレブ御用達車。“着こなせたら”最高にカッコいい、メルセデス Gクラスの魅力とは?

Gクラスが誕生したのは1981年。当初はなんとなく泥臭いというか、野暮ったい印象だったGクラスが、今やセレブ御用達車となり「Gを着る」ことがカッコいいとされる時代に。初代から見続けてきた筆者がその魅力を分析します。

CREDIT :

文/岡崎宏司(自動車ジャーナリスト) イラスト/溝呂木 陽

岡崎宏司の「クルマ備忘録」連載 第235回

セレブ御用達、メルセデス ベンツGクラスの今昔

イラスト 溝呂木 陽 メルセデス ベンツGクラス
メルセデス Gクラスは、今やプレミアムセグメントの中でも目立つ存在になっている。

いや、単に「目立つ存在!」程度では済まない。「際立って目立つ存在‼」というべきポジションに入ってきている。

ゆえに、セレブリティ御用達のクルマとしてもトップクラスに挙げられる。ファッションショーや映画祭、、レッドカーペットに乗り付けるクルマとしての存在感も右肩上がりの感が強い。

見方にもよるが、、メルセデスのラインナップの中でも、「存在感」という点ではSクラスをさえしのぐ、、そんな印象さえある。
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さらに、Gクラスにはカスタマイズ パーツも多く用意されており、タフなマッド系カスタム、スタイリッシュなシティ系カスタム、、いかようにも演出できる。

例えば、、砂漠に囲まれたドバイ辺りでは、当然ながらマッド系を多く見かけるが、LA辺りでは、いうまでもなくシティ系が多い。

昼間は、Tシャツにベースボールキャップのラフな装いで、助手席には、これもカジュアルな装いの女性、、LAのサンセットプラザ辺りでは、そんなGクラスをよく見かける。

それが、夜になると、男はダークスーツに身を包み、女性はドレッシーに装ったカップルの乗るGクラスが目立つようになる。

いわば、対照的な装いなのだが、Gクラスはどちらの装いをも難なく受け容れる懐の深さを持っている。

Gクラスのルックスは「男っぽく強い!」イメージ。なのに、なぜか汗臭さは感じられない。かつてのGクラスには汗の匂いがあったが、最近のGクラスにはそれがない。
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初代から最新モデルまで、誰が見ても「Gクラス以外には見えない」、、。そんな遺伝子の継承を徹底しながら、洗練と進化を図ってきたメルセデスの強固な意志故だろう。

最近「Gを着る!」といった言葉を時折聞くが、僕の耳にはとても心地よく響いてくる。

そして、「Gを着こなせたらカッコいいなぁ!」と本気で思う。なかでも、艶やかなブラック系や明るい紺系、濃いめのグレー系、渋めのダークグリーン系辺りを着こなせたら最高だろう。

こうしたボディカラーのGクラスをカッコよく着こなす難しさはわかっている。だが、それだけに、「着こなせたらいいなぁ‼」との思いは大きく膨らむ。

Gクラスが誕生したのは1981年。日本に入ってすぐ乗ったが、その時の記憶はほとんどない。ある程度の記憶が残っているのは1988年、メルセデスの単行本を書くための取材にシュトゥットガルトを訪れた時のことだ。

その時の230GEは初期モデルと基本同じで、エンジンは230Eから流用された2297ccのSOHC4気筒。120ps / 19.6kgmのパワー・トルクに4速ATが組み合わされていた。
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ボディは4140×1775×1960mmで、重量は2020kg。全高は高いが、全体にはコンパクト。だが、たっぷりした高さが、4人のために十分な居住空間をもたらしていた。

レカロ製シートやドア内張りは、明るくスポーティなイメージの布地で包まれていた。当時のヘビーデューティなクルマとしては、なかなかカラフルかつ快適な仕上げだった。

でも、なんとなく泥臭いというか、野暮ったいというか、、そんな印象も残っている。

4速ATは、2WD、4WD高速、4WD低速の切り替えができるが、すべてにシンクロ機構が組み込まれているので、走りながらでも楽に操作できた。

パワーは十分とはいえないものの、クルマ全体としての躾はよくできていて、けっこうキビキビ走れた。乗り心地も良かった。

ただし、高速走行時の騒音レベル、中速回転域のコモリ音は要改良レベル。戦場を駆け回るクルマという素性が残っていた。
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初めにも触れたが、メルセデス Gクラスは、今やセレブ御用達車の中でもトップクラスの人気者だが、そんなポジションを得たいちばんのきっかけはW463A型の登場だ。

その前のW463型(1990~2018年)のコードネームを受け継いではいるが、ほとんどフルチェンジに近い大幅な進化を遂げている。

ボディは長さ幅ともに拡大。長さは85mmだが幅は125mmも広い。なので、全体にどっしりと安定したシルエットになっている。

加えてディテールはモダンに、全体のクオリティも洗練されたため、プレミアムカーとしての風格は大幅に押し上げられた。まさに「セレブ御用達!」と呼ぶに相応しい風格を備えたということだ。

アーミーグリーンでも纏い、タフで野暮ったい鉄のホイールでも履けば、戦場を駆け巡るイメージも浮かんでくるだろう。、、だが、魅力的なボディカラーを纏い、シティ派的デザインのアルミホイールを履いたGクラスに、そんなイメージを追う術はない。
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ラダーフレームは変わらず継続している。だが、ボディ剛性は大きく引き上げられ、フロントサスペンションも、誕生以来使い続けてきたリジッド形式が独立式になった。

結果、悪路走破性はもちろん、快適性、安定性等も著しく前進。ここでもプレミアム性は「誰にでもハッキリわかる」レベルの進化を果たしている。

現在、日本で販売されているのは、G350d、G400d、G550、AMG G63の4グレード。どれがいいのか、、という話だが、「財布と相談しながらお好きなモデルをどうぞ!」といっておこう。

ちなみに、僕ならG400dかG550のどちらかにする。特に理由はない。頂点を狙うより、そこそこほどほどの方がカッコいいんじゃないか、、なんとなく、そう思うだけだ。

ダークスーツに身を固め、華やかなレセプションパーティーの会場にGクラスで乗り付ける、、、カタログを眺めながら、欧米の映画祭のような光景を思い浮かべながら、、妄想を描くのは楽しい。
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僕も家内も背が低い。なので、スマートな身のこなしでのGクラスからの乗り降り降りは難しいだろうな、と、悲観的イメージも浮かぶ。でも、、それでも、、一度でいいから経験してみたいものだと思う。

上記のように、W463A型の登場は、Gクラスのプレミアム度を大きく押し上げ、セレブ御用達度をも決定的に高めた。

そんなポジションアップにさらに寄与すると思われるのが、正式名称「G580 with EQ Technology」と呼ばれるEVモデル。通称「G580」の登場だ。

デザインは従来モデルが基本。だが、フロントグリル、ヘッドライトなどには、EVであることを、新たな時代のクルマであることを、誰にでも直感させる表情が与えられている。

この違いを大きいと見るか小さいと見るか。意見は別れるかもしれない。だが、多くの人たちはこの表情の違いを「大きな違いと捉える」と、僕は思っている。
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特にセレブの世界では、「メルセデス Gクラスの最先端EV」に乗る バリューは大きいはず。ゆえに、G580の人気は間違いなく高いものになると僕は予測している。

ラダーフレーム内に組み込まれたバッテリーによる低重心化、各車輪に配置された4つのモーターの個別制御等が、高度な走行性能をもたらすことも間違いなく期待できる。

ブレーキペダルを踏んだまま、ステアリング操作も何もせず、「スイッチとパドル操作だけでその場で回転する‼」、、「Gターン」なる、驚きの機能もあるそうだ。

バッテリー容量は116kWhで、最大出力は432kW、最大トルクは1164Nmと強力。

航続可能距離は473kmだが、セレブは当然、複数のクルマを持っている。だから、もっと長い航続可能距離が必要なときは他のクルマを使えばいい。それだけのことだ。

セレブが集まることで知られるLA、ロバートソン通りのレストラン「The IVY」。この辺りなら、遠からぬ内に、何台ものG580に出会うことになるだろう。それはきっと素敵なシーンの数々を生み出すに違いない。
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ところで、、2023年の「ジャパン モビリティ ショー」でお披露目されたGクラスのコンセプトモデルには、ワクワクさせられた。

空中タクシーが飛び交っているような映像で見る未来都市にも文句なく馴染みそうだし、それでありながらGクラスが40年守り通してきた伝統をも堅持している。

次期Gクラスはきっと、このコンセプトモデルに近いイメージになるのだろうと僕は思っているが、その姿を確認したい人は「メルセデス ベンツ コンセプト EQG」で検索してほしい。

● 岡崎宏司 / 自動車ジャーナリスト

1940年生まれ。本名は「ひろし」だが、ペンネームは「こうじ」と読む。青山学院大学を経て、日本大学芸術学部放送学科卒業。放送作家を志すも好きな自動車から離れられず自動車ジャーナリストに。メーカーの車両開発やデザイン等のアドバイザー、省庁の各種委員を歴任。自動車ジャーナリストの岡崎五朗氏は長男。

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