● ブルーノ・セナ/レーシングドライバー
ブラジル出身のプロレーシングドライバー。叔父は、“史上最高のF1ドライバー”とも称されるアイルトン・セナ。ブルーノ自身も2010年から2012年までF1に参戦した経験があり、2014 年よりマクラーレン・オートモーティブのグローバルアンバサダー兼ディベロップメントドライバーを務める。P1GTR、675LT スパイダー、マクラーレン・セナ、セナ GTR など、さまざまなイベントやマシンの発表、開発に携わる。
ブルーノ・セナ(以下、ブルーノ) そうだね。一番は、自信を持って運転できるところかな。他のスーパーカーに比べてハンドルやブレーキペダルを通して、クルマ全体を感じることができるんだ。つまり、常にクルマとコミュニケーションを取りながら走れるのがマクラーレンの一番の魅力ってところだね。性能の水準が高いことに加えてクルマと対話ができるから、自信を持ってアクセルを踏むことができるんだ。
ブルーノ そうだろ? マクラーレンは、プロもアマチュアも関係なく、誰が運転してもフレンドリーなクルマなんだ。エレクトロニック・スタビリティコントロールがついているから、アマチュアであっても安心して運転を楽しむことができるんだよ。もちろんプロである僕は、エレクトロニック・スタビリティコントロールをオフにして走っているんだけど、事前にクルマがどういう動きをするのかが他のクルマに比べて読めるから、安心して運転することができるんだ。あと、そうそう。さっき助手席に乗ってもらってサーキットを走ったけど、すごい安定してただろ? ホームストレートで僕、300キロ出してたからね!
ブルーノ おもしろい質問だね。奥さんとデートをする時は、必ず彼女が喜ぶものを用意しているね。
加藤 ちなみに何を用意するんですか?(何かラグジュアリーなものを用意するのかな?)
ブルーノ マクドナルドのハンバーガーだよ(笑)ドライブに出かける前に必ずマクドナルドによってドライブスルーをするんだ。675LTスパイダーで行くことが多いんだけど、エンジン音が大きいから、エンジンを止めて注文する必要があるんだけどね。こんな感じで彼女の好きなものを用意して、機嫌を取るってのは意識してるよ。
加藤 彼女の機嫌を取るのは大事ですよね(笑)。にしても、マクラーレンでマクドナルドのドライブスルーって、ものすごいラグジュアリーな使い方ですね。よく行くデートコースなどはありますか?
加藤 なんだかロマンチックですね〜。僕もモナコに行く機会があれば、エズ村に行って見たいと思います。最後の質問になりますが、ブルーノさんにとって、クルマとはどういう存在でしょうか。叔父をF1のクラッシュで亡くしていたり、ご自身がプロのドライバーであったりと、他の方に比べてクルマで良いことも悪いことも経験しているかと思いますが……
加藤 ブルーノさんにとって、クルマは刺激や自由を与えてくれる、恋人のような存在なんですね。
ブルーノ そうかもしれないね(笑)僕を楽しませてくれる存在である一方で、一番安心できる場所でもあるんだ。座っているだけでもリラックスができるし、トップスピードで走っている時も、路面が難しい状況の時でさえも、家でくつろいでいる時のような安心感があるんだ。一番自然でいられる場所。それが、僕にとってクルマなんだ。
加藤 アイルトン氏の悲しい出来事や、レースでの不調の時期など、辛い面ばかりが注目されることが多かったので、その言葉を聞けて嬉しかったです。一番リラックスできる場所がクルマとおっしゃっていましたが、さっき300キロ出されてた時、片手で運転してましたよね?
ブルーノ ちゃんと両手で運転してたよ!(笑)
加藤 そ、そうでしたか!(い、いや〜、絶対に片手運転だったと思うけどな……)