2025.04.23
【試乗リポート】噂のBYD新型SUV「シーライオン7」は買いか!?
快進撃を続けるBYDから新型SUV「シーライオン7」が登場。500万前後のプライスタグながら、スペックがかなり高いことでも話題のモデル。後輪駆動と全輪駆動の2モデル、両方をジャーナリスト小川フミオが試乗リポートする。
- CREDIT :
写真/BYDオートジャパン 編集/高橋 大(Web LEON)
プライスタグから想像できないてんこ盛り仕様

バッテリー駆動のEV(BEV)のよさについては、スムーズな加速や車内の静かさなど、すでにご存知のかたも多いでしょう。力がドンッと出るバッテリー駆動ゆえ、加速性能が強調される時期もありましたが、シーライオン7はむしろエレガントといいたくなるぐらい、滑るような加速を味わわせてくれます。

「サラウンディングリアリティ」という機能で自車と周囲の交通状況をグラフィック表示してくれたり、右左折時に後方の死角にいる車両がモニターに映し出されます。スマートフォンやスマートウォッチ連動で、ドアロックやシステム作動もコントロールできます。
つまり、ほとんどの操作がスマートに行えるわけです。これは最新のBEVならでは。500万円を切る価格で、シーライオン7は、ぜいたくな気分が味わえます。これが、おおきなメリット。
走行性能も想像を超える仕上がり!?

私は、2モデルとも乗ってみました。共通して感じたのは、期待以上のパワフルさ。リアモーターモデルでも230kWのパワーと380Nmのトルクがあります。ツインモーターでは、160kWと310Nmのトルクのもう1基のモーターが前輪に駆動力を加えます。
操縦性は高く、高速では直進性がとてもよく、カーブなどでは路面に吸い付くように走ってくれます。車体は全長4830mm、全高1620mmのSUV車型ですが、大きさはほとんど意識されません。
加速性能の高さも注目点。後輪駆動車では、静止から時速100kmまで加速するのに要する時間は6.7秒。これがAWDになると、4.5秒にまで縮まります。マツダ・ロードスターの約半分と、スポーツカー顔負けの加速性能です。

乗り心地は、継ぎ目の多い高速道路ではややショックが伝わります。とくに後輪駆動モデルではモーターを抱えているリア部分が跳ねる印象です。が、平坦な道や市街地での乗り心地は快適。後席スペースも広くて、使い勝手のよさが光ります。

一充電走行距離は、後輪駆動で590km、AWDだと540km。価格は、後輪駆動モデルが495万円で、AWDモデルが572万円。各自治体では購入にあたって補助金を用意しているところも多く、たとえば東京都ではZEV購入補助金として25年度は45万円が拠出されます。


■ BYD Sealion 7(AWD)
全長×全幅×全高/4830×1925×1620mm
ホイールベース/2930mm
電気モーター バッテリー駆動 後輪駆動(全輪駆動)
車重/2230kg(2340kg)
最高出力/380kW(+フロントモーター160kW)
最大トルク/380Nm(同上310Nm)
バッテリー容量/82.56kWh
乗車定員/5名
一充電航続可能距離/590km(540km)(ともにWLTP)
価格/495万円(572万円)
■ BYDオートジャパン
HP/https://byd.co.jp
