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2025.02.19

注目の「BYD」が2025年の事業計画を発表。新型EVやトラック、さらにプラグインハイブリッド車の導入も

2025年1月24日、シティーサーキット東京ベイにてBYDの日本法人であるBYDジャパンと、乗用車部門であるBYD Auto Japan(以下BAJ)は、「BYD事業方針発表会2025」を開催。新型EVバスと新型SUVを公開し、さらにEVトラック、プラグインハイブリッド車の導入についてもアナウンスした。BYDの最新動向に注目してみる。

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文/藤野太一

4月に国内導入予定のクロスオーバーSUV「SEALION 7」。全長4830mm×全幅1925mm×全高1620mm。後輪駆動と4輪駆動の2モデルがあり、一充電走行距離はそれぞれ590km/540km。
▲ 4月に国内導入予定のクロスオーバーSUV「SEALION 7」。全長4830mm×全幅1925mm×全高1620mm。後輪駆動と4輪駆動の2モデルがあり、一充電走行距離はそれぞれ590km/540km。
「ありかも、BYD!」。俳優・長澤まさみさんのCMで目にすることが増えたBYD。もとは1995年に中国で携帯電話やPCのバッテリーメーカーとして創業。2003年に自動車事業へと参入し、2008年にはじめて量産車を発売した自動車メーカーとしては新興ブランドだ。しかし、すでに車載電池の出荷量でCATLに続いて世界第2位、電気自動車メーカーとしてもテスラに続いて販売台数世界2位を誇る。

BYDの強みはなんといってもバッテリーメーカーを出自とすること。特徴としてはリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを得意とする。従来の三元系リチウムイオンバッテリーは正極にコバルトやニッケルといったレアメタルを使用するが、こちらではリン酸鉄を用いる。
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一般的にエネルギー密度が低く、大きく重くなるといったデメリットはあるが、その一方で過放電や過充電による熱暴走のリスクが低く安全で、長寿命、リサイクルが容易といったメリットがある。BYDではリン酸鉄系のデメリットの性能改善を進めており、またEVの基幹部品であるバッテリーのコストを低く抑えることができるため急成長を遂げている。
現在、日本で発売されているEVとEV バスのラインアップ。
▲ 現在、日本で発売されているEVとEV バスのラインアップ。
日本でBYDの乗用車販売が始まったのは2023年とまだ日は浅いが、実はBYDジャパンとしては創立20周年を迎える。先のITデバイス事業にはじまり、2015年に中国メーカーとしてはじめて国内にEVバスを導入。およそ10年をかけて現在、日本のEVバス市場でシェア7割超を誇り、納入実績は350台を数える。
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そしてこの発表会のタイミングで日本専用設計の中型EVバス「J7」を初公開。車名のJはJapanを意味しており、日本で求められる中型路線バスの車幅(2.3m)に準拠して開発された車両で最新のインホイールモーター方式を採用した専用のeアクセルを搭載する。
日本専用設計のEVバス「J7」。日本で求められる中型路線バスの車幅(2.3m)に準拠。最新のインホイールモーター方式を採用した専用のeアクセルを搭載する。価格は3650万円(税込・全国メーカー希望小売価格)。
▲ 日本専用設計のEVバス「J7」。日本で求められる中型路線バスの車幅(2.3m)に準拠。最新のインホイールモーター方式を採用した専用のeアクセルを搭載する。価格は3650万円(税込・全国メーカー希望小売価格)。
今後2030年までに累計4000台のEVバスを販売するという中期目標を発表。さらに、2026年以降順次、EVトラックを導入するという。バスとトラックの両輪で運輸部門のeモビリティ化を進めていくという。
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一方、乗用車部門では2024年のグローバル販売台数は2023年の301万台から425万台へと増加しており、これはホンダや日産をも凌ぐもの。日本市場ではコンパクトハッチバックの「DOLPHIN」、コンパクトSUVの「ATTO 3」、ミッドサイズセダンの「SEAL」の3モデルのEVのみで対前年+58%の2223台を販売した。
コンパクトハッチバックの「DOLPHIN」。一充電航続距離はベースモデルが400km、ロングレンジ仕様は476km。価格は363万円/407万円。
▲ コンパクトハッチバックの「DOLPHIN」。一充電航続距離はベースモデルが400km、ロングレンジ仕様は476km。価格は363万円/407万円。
ンパクトSUVの「ATTO 3」。一充電航続距離は約470km。価格は450万円。
▲ コンパクトSUVの「ATTO 3」。一充電航続距離は約470km。価格は450万円。
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ミッドサイズセダンの「SEAL」。後輪駆動と4輪駆動の2モデルがあり、一充電走行距離はそれぞれ640km/575km。4輪駆動モデルは0-100km/h加速3.8秒とスポーツカー並みに性能を誇る。
▲ ミッドサイズセダンの「SEAL」。後輪駆動と4輪駆動の2モデルがあり、一充電走行距離はそれぞれ640km/575km。4輪駆動モデルは0-100km/h加速3.8秒とスポーツカー並みに性能を誇る。
この日、4月発売予定の日本導入第4弾となるクロスオーバーSUV「SEALION 7」を展示。セダンの「SEAL」とプラットフォームを共有するモデルで、2WD(後輪駆動)と4WDの設定となる。

さらにサプライズとして日本市場へPHEVモデルを導入すると発表。BYDは欧米などではこれまでもPHEVを販売しており、販売台数の増加に大きく貢献している。日本市場においては、BYDをEV専門ブランドとしてイメージを構築していく戦略を打ち出していたが、昨今の踊り場にきていると言われるEVの販売状況などを鑑み、日本でもPHEVの販売へと乗り出す。
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BYDのPHEVに搭載されるは独自開発の「DM-i(デュアルモード・インテリジェント)」というシステムで、高効率のPHEV専用エンジン、モーター、変速機、最新のバッテリーマネジメントを組み合わせることで、パワーと燃費を両立するという。本国仕様の「SEAL」のPHEVモデルは200万円台で走行可能距離は2000kmとも言われており、日本市場に導入されることがあれば、日本のメーカーにとって脅威の存在になることは間違いない。今後は毎年1モデル以上の導入を計画しており、2027年ごろまでに7〜8ラインナップを展開する予定という。しかも正規ディーラーを2025年末までに100店舗開設する計画というから驚くほかない。
BYDのサブブランド、YANGWANG(ヤンワン)のプレミアムSUV「U8」は、4輪独立モーターを搭載し、その場で360度ターンが可能。スーパースポーツの「U9」はカーボンモノコックを採用。最高出力1300PS、最高速度は300km/hオーバーという。
▲ BYDのサブブランド、YANGWANG(ヤンワン)のプレミアムSUV「U8」は、4輪独立モーターを搭載し、その場で360度ターンが可能。スーパースポーツの「U9」はカーボンモノコックを採用。最高出力1300PS、最高速度は300km/hオーバーという。
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BYDのサブブランド、DENZA(デンツァ)の高級ミニバン「D9」。トヨタのアルファード/ヴェルファイアを凌ぐサイズで本国ではEVとPHEVも用意されている。
▲ BYDのサブブランド、DENZA(デンツァ)の高級ミニバン「D9」。トヨタのアルファード/ヴェルファイアを凌ぐサイズで本国ではEVとPHEVも用意されている。
実は先のCM内でも、4つの車輪を独立制御することでスライドして縦列駐車したり、車体がその場で360度ターンするといった映像が映しだされている。これらの技術を搭載したモデルは今のところ日本では未発売だが、YANGWANG(ヤンワン)やDENZA(デンツァ)、さらにはFang Cheng Bao(ファン・チェン・バオ)といったBYDが手掛けるプレミアムなサブブランドの展開もはじまっている。

商用車、乗用車ともに「ありかも、BYD!」の動向には要注目だ。

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