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2022.07.08

技アリ! プロの着こなしテクを拝見! カーディガンの活用法【荻野浩治編】

毎シーズン世に出るニューアイテム。ですが、どのように取り入れるべきか分からない人も多いハズ。そこで着こなし自慢たちが、トレンドを踏まえたコーディネートテクニックを特別に披露。長年服を着倒してきた経験から導き出されるリアルな技は、参考になること確実です。

CREDIT :

写真/多田 悟(Rooster) 文・構成/長谷川 剛(TRS)

カジュアルかつ適度に大人っぽいカットソー・カーディガンの実力

独自性あるカッティングやこだわりの素材使い、そして職人技を駆使したディテールなど、服好きを唸らせるドメスティックブランドとして、業界人から一目置かれるサイ(Scye)。

荻野浩治さんはそんな実力派においてブランドの中枢を長年支えるパターンナー。多彩なコレクションを誇るサイのなかでも、カットソーアイテムのパターンメイク等に関し、一家言もつ服作りのベテランです。

その荻野さんが愛用するアイテムのひとつが、サイ定番となるカットソー・カーディガン。ベーシックゆえに汎用性に優れ、春や秋季に持っていると何かと便利と評価を受ける一枚です。

定番的だけど素材やディテールにこだわりアリ

カーディガン2万6400円/サイ(マスターピース)
▲ サイの人気アイテムとして定番化しているカットソー素材のカーディガン。右側のブラックモデルは先シーズンにリリースされた荻野さんの私物。コットンのダブルフェイス生地ならではのしっかりした素材感が特徴(現在販売は終了)。左側のネイビーモデルがその新作。イタリア製のコットン・化繊素材を使用しており、しなやかで快適な着心地。2万6400円/サイ(マスターピースショールーム)
「非常に使い勝手に優れたアイテムです。ほぼ装飾性のないベーシックなデザインゆえに、ほとんどの装いに合わせることが可能です。前開きタイプですので、暑い時はフロントを開けて着用したり、場合によってはサッと脱いでバッグ等にしまうのも容易。いわゆるスウェット生地に近いものなので、気張らずラクに着こなせます。

ボタンも打ち抜き式ではなくメタルのスナップボタンで非常にカジュアルな印象。自分で言うのも何ですが……と言うか、自分がアレコレ手掛けたからこそオススメできる一着です」

とにかく気負わずいろいろなコーディネートに合わせられるというサイのカーディガン。そこで荻野さんに、今回は二つの着こなし方を見せていただきました。まずは日々の仕事スタイルである軍物のファティーグパンツを取り入れた装いから。
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ラギッドと大人っぽさの配分が絶妙な装い

▲ ブラックのカーディガンにより寛ぎつつもどこか凛々しい雰囲気。ビッグサイズのブザムシャツが今風の洒落感を漂わせます。着用アイテムはすべて私物。
「このブラックのカーディガンは、実は先シーズンのモデル。素材など今季の新作とは若干異なりますが、しっかりした素材感と落ち着いた雰囲気が気に入って着続けています。

インにバンドカラーのブザムシャツを着込み、軍物のファティーグパンツを合わせた装いは、自分のなかでもバランスの良い着こなしだと思っています。というのも、ファティーグパンツはガチの作業服。ですが、フォーマルスタイルにも通じるブザムシャツを取り入れることで、硬軟のバランスをとっているのです」
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▲ 軍物のファティーグパンツは1980年代にオーストラリア軍が使用していたもの。センタープレス付きにて販売されており、荻野さんはそのまま着用。さり気なく小ぎれいな感じも着こなしの要点です。
しかもこのシャツはビッグサイズ。裾をパンツの外に出してざっくり羽織ることで、風通しの良さと同時にゆったり感が主張できると荻野さんは語ります。
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フォーマル風の白シャツで清潔感を添えて

▲ ビッグサイズのブザムシャツ。ブザムとは礼装シャツに見られるディテールで、日本では“イカ胸”などと呼ばれています。大きめサイズは体型を巧みに隠せることから、年配男子向きでもあると荻野さん。
「また、ビッグサイズにより白色の面積が増えることで、クリーンな印象が強まるところもポイントです。ベーシックかつ日常的な着こなしですが、清潔感は常に気を付けておきたいところ。さらに引き締め要素として、足下には黒色の革靴をセット」 
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▲ キレイに磨かれたプレーントゥシューズはオールデン。ファティーグパンツとの甘辛コーディネートが実に洒落ています。
「カーディガンと同色に揃えることで統一感を持たせつつ、堅苦しくないルックスに仕上っていると思います。アイテム自体はどれも非常にスタンダードゆえ、誰でも同じように着こなせるスタイリングだと思います」

お気に入りのカーディガンを使い、もうひとつ見せていただいたのが、休日のシーンなどに最適なショーツを軸としたコーディネート。ナインティーズ風のストリートな香りがひとつのエッジとなっています。

大人ストリートなレザーショーツの装い

カーディガン2万6400円/サイ(マスターピース)その他のアイテムは私物
▲ ハードな雰囲気のあるレザーショーツと優しげなカーディガンとの対比が非常にスタイリッシュ。暖かくなれば注目を浴びるショーツスタイルですが、この着こなしは非常に個性的! カーディガン2万6400円/サイ(マスターピースショールーム) その他のアイテムは私物
「レザーのショーツは90年代当時のアンダーカバーのもの。実は僕の若いころ、裏原系と呼ばれるカルチャーに大いに影響を受けており、リバイバルではないですが、今また履いてみたくなりコーディネートに取り入れてみたのです」
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▲ このレザーショーツ、90年代に青春時代を送った人にはとても懐かしいもの。当時はストリートの匂いが先行しがちでしたが、今見るととても新鮮。
「合わせたカーディガンはネイビーの今季モデル。先ほど着たブラックカーデとほぼ同型ですが、素材やディテールをアップデイトさせた新作です。よりしなやかなイタリア製のカットソー素材を使っており、大人っぽい光沢感がポイントです」
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▲ ガンメタル調のスナップボタンが一般的なカーディガンとは異なる部分。新作では光沢感あるしなやかな輸入素材を使用。袖口や裾などをリブで切り替えず共地を使っているところもサイのこだわり。「切り替えで発生する違和感をなくし、自然な一体感を重視しています(荻野さん)」

ネイビー・カーデが寛ぎ感を品良く主張

インに着込んだアイテムは、先ほどのスタイリングと同じブザムシャツ。ブラックのカーデでも十分成立する装いですが、あえて明るいネイビーに替えるのが荻野さん流です。

「わりとレザーショーツがヘビーなアイテムなので、同色の黒色トップスだとややクールすぎるかなと。ネイビーくらいのほうがオフタイムのリラックス感が出ると思いました。ですので足元も軽やかなスニーカーをチョイス。ただし軽過ぎにはならぬよう、スエードモデルを選んでみました。
ナイキ SB ズーム ブレザー
▲ スニーカーはナイキのSB ズーム ブレザー。軽快なオフホワイトモデルですが、スエード製ゆえに適度な重みを感じさせます。
荻野浩治さん (サイ パターンナー)

● 荻野浩治さん (サイ パターンナー)

こだわりのドメスティックブランドとして2000年にスタートしたサイ。代表を務める宮原秀晃氏のもとでブランドを長年支える。企画や生産、それに工場とのやり取りなども担当。趣味はバイクとコニャック。

■ お問い合わせ
マスターピースショールーム 03-5414-3531

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