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2020.02.22

ファッション関係者のネタ元!? メンズファッション展示会「ピッティ」にてLEON編集長が言われた衝撃の一言とは?

LEON.JPの新米エディター23歳のコムスメがメンズファッションの聖地に突撃取材。ウワサには聞いておりましたが、なんとも目ウロコな話ばかり。まずは世界最大の見本市「ピッティ・イマジネ・ウォモ」の基本のキを編集長にヒモ解いてもらいました。

CREDIT :

写真/Massi Ninni 文/吉川彩夏(LEON.JP)

LEON.JP編集部員、23歳のコムスメ吉川です。今回、世界最大のメンズファッションの展示会「ピッティ・イマジネ・ウォモ」に突撃取材してまいりました。元来ファッション好き、レディスのみならずメンズファッションも大いに学びたい! と編集長にかけ合って実現した次第です!

そもそも、世界最大のメンズファッション展示会「ピッティ・イマジネ・ウォモ(以下ピッティ)」とは何かご存知でしょうか? 耳にしたことはある、という方はいても語れる人は少ないかと。さらに言えば、LEONはピッティのスタイルスナップを集めたムック「SNAP LEON」も刊行。どこよりも、密接な関係があるんですね。

私も今回初めてピッティを取材しましたが、新米には奥が深すぎて……。ならば、ここは餅は餅屋、一番近くの一番詳しい人に聞いちゃえ! と、小誌・石井編集長に突撃インタビューを敢行しました!
LEON.JP編集部員吉川(以下吉川):そもそもピッティとは何なのでしょう?

石井編集長(以下石井) 餅屋の石井です、ってコラ。そもそも、大き過ぎる質問だなあ。ま、時間もないことだし行くよ。そもそもピッティというものは、メンズファッションの見本市。イタリアのフィレンツェで1月と6月に開催され、世界のドレス系ファッションに関してはナンバーワンの規模なんだ。イタリアブランドを中心に、各ブランドが大小さまざまなブースを設置して新作を発表するんだよ。世界各国から一流のバイヤー以外にも、たくさんのメディア関係者が訪れる。次のシーズンの新作発表の場でもあるし、バイヤーにとっては何をどう買いつけるか、まさに商談の場なんだよね。

そして、そこに集っている人たちのリアルな着こなしに目をつけたのがLEON。もちろん、各ブースを回って次のトレンドを予測したり、あらゆるキーマンとコミュニケーションをはかったりもするけれども、会場に来ている人たちの着こなしこそ読者にとってリアルに役立つ情報なんじゃないかと気づきだして、そこに目をつけたんだよね。
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「SNAP LEON」の始まり

吉川 来場者のスタイルに目をつけたきっかけは、なんだったのでしょうか?

石井 はじめは単純に、「イタリアの業界人はみんなお洒落だな」と思って見てたんだけど、冷静に考えると、彼らは読者世代に近しい人たちなんだよね。それはそう、ビジネスで来ている人がメインなんだから。そしてジィ〜と観察していると、共通項が見えたりしてきて。例えば、あの人襟のボタン外れてるじゃん! と思うんだけど、あれ、あいつも外れてる。あ、こいつも。そこで、なんで外してるのって聞くと「かしこまって見えないように。このほうがリラックスしてるように見えるでしょ?」って。あ〜なるほど、これはわざとやってるワザなんだと。

さらに見ていくと、細かい色の合わせ、素材の考え方、タイの長さ、パンツの裾幅や裾上げ、チーフの挿し方など、ミリ単位でこだわっていて。まさに大人のファッションのテクニックの宝庫だったんだよね。ここは宝の山だ! と思ってスナップを撮り出した。今では過熱のきらいがあるほど、さまざまなメディアやソーシャルでスナップが取り沙汰されるようになったんだよ。
2009年にVol.1が発刊された『Snap LEON』の最新号、Vol.22
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吉川 確かに今回の出張で、お洒落な人にカメラを向けるとみなさん喜んで撮らせてくれました!

石井 当初は白い目で見られてたりもしたんだよ。俺が初めて行った15、6年くらい前は特にね。

吉川 え、想像もできません……。

石井 当時LEONはまだ知られていなかったし、いきなり知らない日本人にバシャバシャ写真撮られたらそりゃあびっくりするよね(笑)。だけど、着こなしがかっこいいから紹介させてよ、と熱心に取材を続けていったところ、面白いことに逆転現象が起きた。LEONという日本のマガジンの写真に撮られるのは名誉なことだってね。「俺を撮らなくていいの〜?」とか自ら言ってくれる人も出たり(笑)。良い関係性が構築できてきたんだよ。そうしてイタリア人にとってLEONはブランドにとなったというわけ。その後、他も追随してスナップに注目しはじめたからムーブメントになっていったんだよね。

吉川 なるほど。今回もたくさんのカメラマンがピッティの入り口で出待ちしていましたし、会場の中にもウヨウヨ……。

石井 まあ、そういう今の状況に賛否もあるんだけど、俺らが徹底しているのは、LEONのフィルターを通して、読者に役立つスタイルをスナップすること。ただ注目を受けたい人や撮られに来ている人たちはシャットアウトしている。魔術師みたいなハットかぶって、派手なだけのコート着てって、スタイルがいいからパッと目は行く場合もあるけど、それはリアルではないし、ファッションじゃなくてコスプレな感じ。けどそういうのがさ、実際に行ってみないとわからないんだよね。
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時代とともに多様化するピッティ

吉川 私が今回取材に行きたいと思ったきっかけは、まさに石井さんがおっしゃられたことに尽きるかもしれないです。今は、SNSで調べたらいくらでもスナップを見ることはできる。けれども実際行ってみて思ったのは、自分が想像していたものとは違う部分も多くあって。具体的にはだいぶカジュアルな印象というか。

石井 その昔、自分が行ったとき、ジージャンにレッド・ウィングを合わせたアメカジみたいな格好で行ったらあしらわれたこともあったなあ。当時はビッチビチにキメたスーツでいかないとそもそも取材させてくれないし、仕事にならなっかったね。

近年のピッティは、カジュアル化の波が進んでいるのもあってスーツにスニーカーを合わせたり、ドレスにスポーティーな要素を取り入れたり、時代の流れに合わせて色んなファッションを取り入れてる。そうしていかないとガラパゴス化しちゃうんだろうね。世界的な健康志向や、癒されたい願望のような、大きなムードがファッションに落とし込まれてるんだと思うよ。さらに、音楽やアート、ジェンダーといったさまざまな世相が反映されているんだろうね。
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吉川 ふ、深い思考……。たしかにスポーティーな要素を取り入れたブランドはかなり多かったと思います。そうした理由や背景を、各ブランドのデザイナーやディレクター本人が説明してくれるんですよね。こんなにも贅沢な取材はないと実感しました。

石井 次のシーズンの大きな方向性をうらなう、大事な新作のお披露目の場でもあるから、各ブースを回ってこと細かな部分まで見る。だけど一番自分たちが足を運ぶ意味は、実際にコアでやっている人たちとの濃いコミュニケーション。どうしてこういうイメージでやっているのか、こういう色使い、素材使いになっているのかビジネス面も含めて聞けるからね。

世界的に注目されていることには変わりない

石井 最後に数字の側面からも見てみようか。データからみても分かるように最近は、ピッティを訪れる人が少なくなっているけれども、それは市況の影響もあるから必然的なこと。けれども海外からのジャーナリストやトップバイヤーの比率は高いままで、やっぱり世界的に注目されていることには変わりないね。しかも、バイヤー数を国別で分けると日本はドイツについで2位となっていて、日本にとっても重要なことが分かる。さっきも言ったかもしれないけど、世相が反映されていると思っているから、これからも多様化していくだろうし進化していくと思うな。最後にこれだけ言わせて。今、カッコつけないことがカッコいい的な風潮が日本にはある気がするのだけど、アウトプットはそれぞれだとしてもやっぱり"カッコつけることはカッコいい"という気持ちは忘れたくないよね。”カッコつけることは楽しい"そういうポジティブなマインドにこそ”モテる"が宿ると信じたい。ピッティ を取材すると、その気持ちがドンドン高まってくるんだよね。だから取材を続けたいというか、読者やユーザーにその気持ちを届けたいんだよ。

吉川 まさに石井さんがおっしゃったように、女性は男性にはいいオトコを演じてほしんです。というより、いいオトコでいよう、カッコよくいようとするその姿勢にグッとくるんですよね〜❤️

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