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2022.10.15

技アリ! プロの着こなしテク拝見【モデルDAISUKE編】

世界的モデルが公開! プライベートな着こなしに滲むプロのこだわりとは?

ファッション誌で華麗に服を着こなすモデルという存在。しかしどのようなことにこだわり、個人的にどういった装いを実践しているかは、意外に知られていません。そこで世界で活躍するトップモデルにライフスタイルや着こなしについてインタビュー。読めばファッションシーンのインサイドに近づける!?

CREDIT :

写真/大森 直(TABLE ROCK.Inc) ヘアメイク/INOMATA(&'s Management) 構成・文/長谷川 剛(TRS)

オーディションを意識したジャケットスタイル

モデル ダイスケ
▲ シンプルなジャケットスタイルが“自分のオンスタイル”と語るモデルのダイスケさん。ブラックのジャケットはイッセイ ミヤケ。「このジャケットは衿を立てて着るのも好きなんです」
学生時代にモデル業界に強い興味を抱き、プロになってからは国内のファッション誌はもちろん、ドルチェ&ガッバーナやディオールなど、世界的メゾンブランドでのキャンペーンモデルとして活躍しているダイスケさん。今季、世界で活躍するモデルのトップ50に、初めて日本人メンズモデルとしてランクインするという快挙を成し遂げたインターナショナルなモデルです。

そこで今回は、あまり世間的に知られていないプロ・メンズモデルのライフスタイルと、日々の着こなしについて赤裸々に伺ってみました。

「正直、モデルと言っても、世界にはいろいろなタイプのモデルさんがいて、こうであるべき! というステロタイプはありません。ですから今からお話する内容も、メンズモデルとしてというより、僕個人のエピソードが中心になると思います。

 服装についても同様で、モデルらしい装い方やチョイスなどははっきり存在せず、個人個人の好みによっています。世界にはぶっちゃけ、お洒落をさほど意識しないプロモデルの方も少なくありません(笑)。

 僕個人としては服を着ることは好きですし、自分なりのこだわりをアレコレ持っているつもり。特にオーディションなどに臨む時は、十分配慮して服をセレクトしています」
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モデル ダイスケ
▲ どんなポーズでもサマになるところは、さすがプロフェッショナル!
そう語るダイスケさんにまず披露していただいた着こなしは、モデル的なオンスタイル。つまり、仕事を獲得するためのオーディションを想定した装いです。

「ファッションシューティングやブランドのキャンペーン撮影などのオーディションで、まず見られるのは身体です。なので、あまりに着込んでしまっては意味がありません。『上着を脱いで』と言われることが前提ですので、サッと脱げるジャケットを羽織っていくことが多いですね。

ただ、服好きであるというコトや多少のセンスも同時にアピールしたいので、清潔感に加えシンプルかつエレガントなものをチョイスしています」

確かにミニマルなスマートさを感じさせる、まとまり感あるジャケットスタイルです。しかしアピールというには少しシンプルな気もするのですが……。

「そうかもしれません(笑)。ただ、アピールしすぎは逆にトゥーマッチになることもあるんです。以前のキャンペーン撮影の時ですが、僕を含め6人のモデルでのチームでした。

その撮影中に結構アピールの強いモデルさんがいて、独自のアクションが功を奏したのでしょう、多めにシャッターが切られていたんです。しかし、実際にポスターなどに仕上ってみたところ、その人の部分はすべてがカットされていたんです(笑)」
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モデル ダイスケ
▲ オーディションでは体つきのチェックも重要事項。「きちんと見えながら、サッと脱げるアウターであるジャケットはとても便利です」
なるほど、プロの世界はキビシイもの。自己主張もほどほどがマストということなんですね。加えてオーディションの装いでは、動きやすさもポイントになると付け加えます。

「ショーの場合には、当然ですが、歩き姿も重要視されるもの。だからベーシックかつ動きやすいジーンズなどの場合が多いですね、僕の場合は脚の印象を覆い隠さない細身タイプを選んでいます。ただ、どこのブランドがイイなど、そこまでのこだわりはありません(笑)。

シューズは白のシンプルスニーカーが定番です。とにかくジャッジする人に余計な情報を与えないよう配慮しています。
モデル ダイスケ ヴァンズ キャンバス
▲ 足元は常にシンプル。オーソドックスで動きやすく、脱ぎ履きしやすいヴァンズのキャンバスはダイスケさんのオンの定番です
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身体をキープするため一日に2セットの運動を

素材としての自分を印象付けることが肝心なので、なるべくシンプルに徹したアイテムを選んでいます。今日のコレはヴァンズのホワイトキャンバス。その他、スタンスミスなど“無色”なスニーカーをいくつかストックしています」

やはり身体が資本となるモデルという職業。普段の生活からもボディ作りには色々こだわりが満載なのでしょうか?

「それほどストイックではありません。しかしボディメンテナンスなどは毎日欠かさず続けています。ランニングをしたりヨガをしたり、ベンチプレスや泳いでみたり。僕はジム通いなどはしておらず、自宅に必要なものを揃えて自分なりのトレーニングを重ねる感じです。

ただ現在、僕はもうアラフォー(笑)。若いころは一日にワンセットのトレーニングで済ませていましたが、最近は同じセットを朝と夕方の2回行うようにしています。そうしないと身体の線が崩れてしまいそうで、その部分は特に気を遣っています」
モデル ダイスケ
▲ シックなブラックジャケットの裏地はちょっとカラフル。“服好きのアピール”をディテールに託して。
モデルの存在意義である“素材としての自分”に強くこだわり相応の努力を続けるダイスケさん。ウエアはその引き立て役ということなのでしょう。しかし、今回身に付けている時計には強い思い入れがあると教えてくれました。

「このカルティエ タンクは、ある記念で購入したもの。そもそも僕は大学生の時にディオールのキャンペーン広告を見て、完成度の高いビジュアルに憧れてこの世界を目指しました。その当初の念願をやっと叶えたのが2011年。ディオールのキャンペーン撮影に選ばれてパリに行くこととなったのです。

夢のひとつが達成したということで、その記念にヴァンドーム広場のカルティエ ブティックにてタンクを購入したのです」
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カルティエ タンク
▲ シルバーケースと迷ったカルティエのタンク。どんな装いにもマッチする上品さが気に入っているとダイスケさん。
端正かつエッジのあるレクタンギュラー型であるカルティエのタンク。虚飾を排したエレガンスということにおいては、ダイスケさんのジャケットスタイルに通じるエッセンスがあります。

そして次に見せていただいたのがオフタイムの装い。トップモデルはどんなコーディネートで休日を過ごすのでしょう?

オフの夜を楽しむ動きやすくシックな着こなし

モデル ダイスケ
「オフタイムにも種類がいろいろあって、今回は友達と夜などに遊びに出掛けるスタイルを用意しました。本当にリアルなオフスタイルだと、サッカーシャツに短パンなんて姿になってしまうこともあるんです(笑)」

と、前置きしつつ見せてくれたのがダークなB.Dシャツを軸にした軽快なコーディネート。シンプルですが、いろいろとファッションを経験してきたダイスケさんらしいエッジを感じさせる着こなしです。

「トップスはアダム・キメルのストライプシャツ。アダム・キメルは好きなデザイナーであり、僕がニューヨークに住んでいた頃から彼の服を愛用しています。

ワークやスポーツのテイストを大人っぽくアレンジしたウエアは非常に個性的。このシャツは一見ダーク無地のようですが、実はストライプ柄。肌触りの良い生地も気に入って長年愛用しています」
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モデル ダイスケ
▲ ダークなコーディネートがクールに決まっています。色柄やデザインよりも、ジャストなサイジングで見せるのがダイスケさんのスタイルです。
そんな個性派シャツに合わせたボトムスがイッセイ ミヤケのプリーツプリーズのロングパンツ。

「これが非常に履きやすいんです。いろいろな姿勢をとってもストレスを感じさせません。でありながらプリーツは崩れず、縦筋効果でシャッキリしたルックスをキープしてくれます。

ですので、海外出張時のフライトに履くことも多いですね。飛行場から仕事場に直行ということもあるので、そういう時にも安心なんです」

そんなダイスケさんに、服選びのポイントをうかがってみました。

「いろいろあるのですが、重要なのはサイジングだと考えています。自分のボディにしっかりフィットしていれば、大概の服はカッコ良く見えるもの。だから僕は納得のいくまで試着を繰り返してから購入します。

たまに面倒くさがったり、何度もフィッティングルームを往復するのが恥ずかしくて諦めちゃうという人も見掛けます。しかし、そこは妥協すべきではありません。サイズさえしっかり合っていれば、値段は関係なく、その人に似合った着こなしになると僕は考えているのです」
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モデル ダイスケ
▲ ひとつひとつ言葉を選んで丁寧に話すダイスケさん。どの質問にも真摯に答えてくれる姿勢に人柄が滲みます。

世界観を作り込むクリエイティブな物作りに関わりたい

モデルの仕事においてもフィットしている=似合って見えるということは、とても大事と考えるダイスケさん。まつわるひとつのエピソードを紹介してくれました。

「あるブランドの仕事に呼ばれて撮影前のテスト・フィッティングに行くことがありました。数人のモデル達と一緒になり順次試着を繰り返すのですが、2スタイルくらいの試着でOKが出る人もいましたが、僕の場合は6スタイルも試着が続いて…。

 結果、撮影日直前になってもコールシート(香盤表)が届きませんでした。そこで自ら連絡を入れたところ、落選だと告げられてしまったのです。つまり、似合っていなかった=NGということなのでしょう」
マッシモ ドゥッティ ローファー
▲ 寛ぎつつも大人の品格を重視し選んだ一足であるマッシモ ドゥッティのローファー。ヒールを倒して履けるステップダウン式。サンダル感覚で履けるところがお気に入りなのだそう。
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サングラス オリバーピープルズ
▲ 車の運転にも欠かせないサングラスはオリバーピープルズ。実は偏光レンズを入れており趣味のバス釣りに効果を発揮するとダイスケさん。「水の中まで見通せるので、狙った獲物は逃しません(笑)」
海外での活躍を志向するモデルには大まかに2タイプあって、ランウェイなどコレクションショーへの出演を目的とする場合と、ダイスケさんのようにブランドのキャンペーン撮影を目指すという2方向があるとのこと。

「キャンペーン撮影は、そのシーズンのコレクションをひとつの世界観にまで練り上げ撮影を行っていきます。カメラマンやスタイリスト、それにアートディレクターなどと一緒になってひとつのアートワークを完成させていく仕事は、非常にクリエイティブ。

 しかも大手メゾンブランドでの仕事は規模もかなり大掛かり。大都市の空港やランドマークに自分が出演したポスターなどビジュアルが大きく飾られていると、非常に達成感を感じます。来季の仕事としてブリオーニの2023年春夏期イメージビジュアルルックの撮影への参加が決定しており、今から非常にワクワクしています」
モデル ダイスケ
大好きなお酒もシーズン中は顔や体がむくむことから控えつつ、自分の信じるモデル道を突き進むダイスケさん。動けなくなる時まで一生モデルであり続けたいと考えているのだそう。

「しかし、それは現実的には難しい部分があります。だからリタイアしたら、その次はモデルエージェントなどを立ち上げ後進を育成したり、この仕事をもっと盛り上げていきたいと思っています。一生を賭けて携わっていける、楽しく魅力のある仕事だと僕は思っています」
ダイスケ モデル

● ダイスケ (モデル)

学生時代に某広告写真を見てモデルを志す。メンズファッション誌を中心にカタログや広告等で活躍。2009年ユニクロのワールドキャンペーンに選抜。2011年ヴォーグの表紙に抜擢。その他、ドルチェ&ガッバーナやディオールのキャンペーンでもモデルを務める。今年2022年には、世界のモデルトップ50にも選出される。モデル事務所「DONNA MODELS」所属。

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