ワックスドコットンの深い味わいに惹かれて
坂下 「バブアーのラインナップには味わいの濃いアイテムもありますが、いろいろな服装に合わせて楽しみたいので、僕はシンプルなタイプを選んでいます。このトランスポートは、ちょうどコーチジャケットのようなルックスで、比較的クセが少なめ。ポケットもスラッシュ型などすべてにおいてさっぱりしています。ですので今日のようにロングシャツに合わせたり、セーターやトレーナーなどに合わせてもほど良く馴染みます」
坂下 「従来はインナーの裾がアウターから飛び出してしまう着こなしは避けていました。しかしオーバーサイズスタイルが主流の昨今は、そういったレイヤードが逆に面白いように感じています。シャツもパンツもユルっとしているので、短丈のトランスポートでバランスを取っています」
裾出しのレイヤードで個性を演出
坂下 「確かに肩の切替えなど極端に外側に落ちたデザインは、イイ歳の男子には無理があります。このシャツもダボッとしていますが、実は肩の位置はほぼレギュラー仕様であり、胸のプリーツにてゆったり感を持たせたデザインです」
坂下 「実は昨今のバブアーには“裏メニュー”があるんです。いわゆる伝統的なワックスドコットンではなく、春夏などの温暖な季節に合わせた薄素材を使ったシリーズが存在し、これが非常に調子良いのです」
ロングコートで薄着スタイルに存在感を添えて
坂下 「コットンに化繊をブレンドした生地は薄手ゆえに、軽量で通気性も良くこれからの季節にピッタリ。暖かくなると薄着となるためスタイルに重厚感が欠けがちです。そこで薄手のロング丈コートが役に立つというワケ。この一着は乗馬用外套をイメージしたバーレーというモデル。ストンとしたストレートラインは長丈と相まって、羽織るだけで存在感あるルックスになるのです」
確かに風をはらんで裾が揺れる佇まいはなんとも小粋。そんな装いに坂下さんはクラークスの靴を合わせコーディネートを完成させました。
ラフすぎず適度に大人の品格漂う足元チョイス
確かにとてもウエルバランスなスタイリングとなっています。春らしい軽さがありながら、十分大人っぽい。これはぜひ参考にしたい着こなしテクニックです。
● 坂下康平 (コンサルタント)
コンサルタント会社「トレトワ」の代表。ヨーロッパ系のウエアや革小物類などのブランドを対象に、各種コンサルタント事業を展開中。ドレススタイルからモード系、カジュアルやストリートスタイルにも造詣が深い。