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2024.11.15

プロの着こなし拝見! スタイリスト・吉野 誠の秋冬スタイル【夜編】

結局男の装いは、「気になる」「気にしてもらえる」かどうかが大事です。一瞬の出会いでも「あ、なんか素敵!」と思わせたらコチラのもの。そこで本誌を代表する「気になる男」作りのエキスパートたちを特別にスナップ。モテ・スタイルを常に考えてきた達人が作るデイ&ナイトの着こなしは、絶対にアナタも気になること確実!

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写真/大森 直(TABLEROCK) 編集・文/長谷川 剛(Table Rock Script) 

大人っぽさのなかに遊びを込めたブレザースタイル

今シーズンの注目ジャケットである紺ブレを颯爽と着こなしてみせるスタイリストの吉野 誠さん。清潔感ありつつも男クサい着こなしのポイントを、じっくり解説していただきました。
▲ 今シーズンの注目アウターである紺ブレを颯爽と着こなしてみせるスタイリストの吉野 誠さん。清潔感ありつつも男クサい着こなしのポイントを、じっくり解説していただきました。
新時代の男子にとって大事であるのは、しっかり個性を伝えきること。自分らしさをキチンとアピールし、受け入れてもらうことが大事です。平均点的なフワッとした「好評」だけでは、どうしても人の記憶に残りません。少々のクセやアクがあったとしても“なーんか、また会いたいかも?”と思わせる言わば「アク評」を残すことが、その次に繋げるポイントとなるのです。そう、いかに「気になる男」を構築し日常的に実践するかで、より良い明日が決まるのです。とは言え「アク評」ってナニ? と思われる方も多いでしょう。そこで本誌を代表する「気になる」スタイル作りの名手たちに、お手本スナップを見せていただきました。
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その3人目となるエキスパートは、LEON本誌でも腕をふるう敏腕スタイリストの吉野 誠さん。初回は軽快なセットアップスタイルを披露していただきましたが、その二回目は、シックなネイビーブレザースタイルで登場。ブレザーは昨今のトレンドですが、要注目アイテムを敏腕スタイリストは一体どのようにこなすのでしょう。

非常にドレッシーなブレザーですが、ラペルなどに特徴があります。どちらの一着ですか?

「これは僕が長年愛用しているウミット・ベナンのブレザーです。6ボタンのダブルブレステッドということと、あまり見掛けないショールカラー、そして着丈長めのレングスがポイント。ただし長めと言ってもコートのようではなく、ヒップが隠れるくらいの昔ながらのレギュラー丈です。カジュアルなコーディネートに着崩しても、それなりにシックで落ち着いた印象になる一着です」

なるほど、確かにジーンズの合わせでも十分大人っぽい雰囲気。続いて今回のコーディネートにおける想定シーンをうかがいました。
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気軽な夜のレストランデートを意識して

ウミット・ベナンのブレザーはダブルブレステッド。ノッチドやピークトではなくフォーマル風のショールカラーが特徴。シャツはトゥモローランド、ジーンズはリーバイスの517という組み合わせ。
▲ ウミット・ベナンのブレザーはダブルブレステッド。ノッチドやピークトではなくフォーマル風のショールカラーが特徴です。シャツはトゥモローランド、ジーンズはリーバイスの517という組み合わせ。
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「クラシックな仕立てのブレザーを羽織るということで、それなりにドレッシーなシチュエーションをイメージしました。気になる女性と気軽に夜のディナーに出掛けるような、そんなナイトシーンですね。だからインナーは白無地シャツです。色っぽさだけで考えると、黒シャツの選択肢もありますが、それだと少し頑張りすぎ。また、対女性という意味では清潔感ある白シャツが鉄板であると、個人的には思っているのです(笑)。とは言え、かしこまりすぎると場が堅くなるもの。多少のワイルドさも演出したいので、アクのあるオープンシャツでアクセントを付けました」
無地の白シャツですが、プルオーバーの開襟型というところがユニークです。シャツの襟をブレザーの上襟に被せて、開放的かつワイルドにこなしています。
▲ 無地の白シャツですが、プルオーバーの開襟型というところが洒落ています。シャツの襟をブレザーの上襟に被せて、開放的かつワイルドにこなしています。
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ブーツカットジーンズで足元にボリュームを

「そしてボトムスはリーバイスのブルージーンズ。もうひとつのアク足しとして、ブーツカットタイプの517を選びました。裾広がりのシルエットは足元にもボリュームが出ますし、Aラインのシャツとも非常に相性良し。また517に関しては、かなり色落ちしたモデルも所有しています。しかし、今回はドレスルックを大事にしたかったので、ブルーの濃いほうにてコーディネートしました」
このジーンズはブーツカットがひとつのポイント。膝部分に較べて裾幅がややワイドになっており、足元にボリュームが生まれるシルエットです。
▲ このジーンズはブーツカットがひとつのポイント。膝部分に較べて裾幅がややワイドになっており、足元にボリュームが生まれるシルエットです。
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ブルー&ホワイトに絞った着こなしは非常に爽やかで若々しさも感じます。ロジック的にはシンプルですが、小物で個性を出すことも吉野さんは忘れていません。メガネと指輪を加えてスキのないコーディネートに仕上げています。

「定番的な合わせのみだと記憶に残りづらいですからね。ただし服装を派手にしてしまうと、今度は下品に見えてしまいます。小物などのアクセサリーで、個性や洒落感のバランスを取るのが正解。シックなジャケットを軸とした装いは、知的な方向にアレンジするのが僕のやり方です。真面目さをアピールする場合は黒縁フレームとなりますが、今回は色気というか遊びの要素を足したいと考え、メタルのダブルブリッジをチョイス。個性的ですが細リムなので、ちょうど良いアク足しになっていると思います(笑)」
メタルフレームのメガネはバートン・ペレイラ。眉間のダブルブリッジが“アク”を感じさせるポイントです。メガネならではの知的な印象と遊び心を同時に感じさせるフレームです。
▲ メタルフレームのメガネはバートン・ペレイラ。眉間のダブルブリッジが“アク”を感じさせるポイントです。メガネならではの知的な印象と遊び心を同時に感じさせるフレームです。
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この辺の匙加減がプロフェッショナルはやはり違います。リングもシンプルですが、適度なボリュームを持つモデルを重ね付けしています。

「シルバーの方はヒロタカ。デコラティブなフォルムが気に入って愛用しています。石付きタイプは派手になってしまうので、ボリューミーでありつつもシンプルなデザインを選んでいます。ブラスのリングは無銘のもの。このヒロタカに組み合わせると良いバランスになると考え、衝動的に買い足した一本です(笑)」
リングの重ね付けで手元にアクセントを盛り込んでいます。やはりドレスなど大人の装いにアクセサリーはマストアイテム。華やかでリッチな印象が添えられます。
▲ リングの重ね付けにて手元にアクセントを盛り込んでいます。やはりドレススタイルなど大人の装いに、アクセサリーはマストアイテム。華やかでリッチな印象が添えられます。
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着こなしというのは、全体的なルックスやバランスももちろん大事。それに加えてキャラクターとの兼ね合いも無視できません。華美に走らないところに吉野さんの人となりやセンスが垣間見えます。そして、足元もこれまたプレーンなローファーです。

ユニフォーム的なローファーで軽妙にハズす

ハルタのローファーというチョイスが非常にユニーク。ハルタは昨今、ファッション媒体でも取り上げられる歴史ある日本のブランド。単なるノスタルジーではないチョイスに吉野さんの感度の高さを感じます。
▲ ハルタのローファーというチョイスが非常にユニーク。ハルタは昨今、ファッション媒体でも取り上げられる歴史ある日本のブランド。単なるノスタルジーではないチョイスに吉野さんの感度の高さがにじみます。
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「コーディネート的にはハズしの一足ということになるでしょう。このタッセルローファーはハルタのもの。ハルタは自分が学生時代にお世話になったドメ・ブランドです。海外の高級シューズとは一線を画す、ドレスすぎないスペックが妙にフレッシュに感じまして(笑)。レザーの材質と言い、細すぎないラストと言い、なんとも絶妙な仕上がりなんです。気取りすぎていないところが実に僕好み。加えて本当にリラックスして履ける一足でもあるんです(笑)」

確かにこれでスマートなブーツなどの合わせとなると、非常にキザに見えてしまう場合もあるでしょう。ユニフォーム的な一足を合わせることで、キメすぎを回避するというテクニック。確かにたまに頑張りすぎてコスプレ的なルックスになっている人を見掛けます。こういった“引き算”を加えることで、リアル感あるスタイルに仕上げられるということですね。
吉野 誠(スタイリスト)

● 吉野 誠(スタイリスト)

1977年、千葉県生まれ。雑誌LEONをはじめ複数のメンズファッション誌やゴルフ誌、それに広告ビジュアルのスタイリングで活躍。ドレスやモード、それにカジュアルスタイルを取り混ぜた大人のスタイリング・テクは、業界でも評判。仲間とともに、ゴルフ系のアパレルブランド「ノンプロフェッショナルゴルフクラブ」設立に携わる。

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