2024.12.18
淫猥にしてファッショナブル? 知られざるホテルの深淵に迫る書籍&Tシャツが気になる件
一息つく年末年始は、大人の見識を深めるには好機。見逃していた映像作品に浸るもよし、気になっていた名著を読破するもよし。そんな今だから、ちょっと変わり種の書籍をご紹介します。SMやラバリストたちが集う老舗ホテルにまつわる一冊。オヤジさんの知的好奇心を刺激すること請け合いです。
- CREDIT :
文・編集/長谷川茂雄
SMと東京サブカルチャーの聖地、その核心に迫る
海外のリゾートで年越しするにせよ、国内の温泉宿や自宅でのんびり過ごすにせよ、読書や映画鑑賞といったインプットに時間を割くには、絶好のタイミング。
毎年巡ってくるこの時期を有意義にすべく、ちょっと気になる書籍をご紹介します。
タイトルは『Masked , I advance. Hotel Alpha In』。フォーカスしたのは、1979年に東京・東麻布で開業した知る人ぞ知るホテル「アルファイン」です。
この老舗ホテルは、国内外のSMフリークやラバリスト(ゴムラテックス製の衣服愛好者)たちが集う場所として知られています。
全26室は、特殊プレイを追求するフェチたちのニーズに応えるべく設計されており、拘束器具や吊りフックなどが揃う、まさに特異な空間。
ページをめくり、その深淵に触れることで、東京発サブカルチャーとして「アルファイン」が成熟してきた所以が垣間見れるのです。
古くから同ホテルは、そのこだわり抜かれた世界観が注目を浴び、映画やドラマ、そしてファッションブランドのヴィジュアル撮影が行われてきました。
巻頭では、そんな「アルファイン」の今を、新進気鋭のフォトグラファーE-MAX氏が撮り下ろし。各部屋の表情と世界観が生々しく切り取られています。
加えて、カナダ出身の著名写真家、ナタリー・ダウ氏が2009年に撮影した作品も掲載。知られざる世界を存分に楽しむことができます。
SMで使用されるコスチュームや拘束器具のあれこれは、ファッションシーンやサブカルチャーへ影響を及ぼし、ともに進化を遂げてきました。そんな違った視点で読み解くのも一興。
こちらは、2009年に撮影された写真家ナタリー・ダウ氏の作品。
知られざる各部屋の全貌を撮影したのは、ペインターとしても活動する写真家のE-MAX氏。ディープな世界の一端を垣間見ることができるだけでなく、アーカイヴとしても貴重です。
SMで使用されるコスチュームや拘束器具のあれこれは、ファッションシーンやサブカルチャーへ影響を及ぼし、ともに進化を遂げてきました。そんな違った視点で読み解くのも一興。
こちらは、2009年に撮影された写真家ナタリー・ダウ氏の作品。
知られざる各部屋の全貌を撮影したのは、ペインターとしても活動する写真家のE-MAX氏。ディープな世界の一端を垣間見ることができるだけでなく、アーカイヴとしても貴重です。
中でも、映像作家でDOMMUNE主宰として知られる宇川直宏氏の“20世紀フェティッシュ・サブカルチャー回顧録”は、資料性も高く必読です。
また、書籍の発売に合わせて、収録写真をプリントしたTシャツも発売するという朗報も。こちらは、パンチ力のある大人のインナーとして活躍してくれそうです。
単なる“アブノーマル”とあしらうのではなく、サブカル視点で覗いてみると、新しい自分の扉が開かれるかも知れません。
何より、これまでにない見識が深まることをお約束します。ぜひ、ご一読されたし。
■ お問い合わせ
ダウトエヴリシング https://www.doubteverything.jp/