人気バイヤー、ティアモ福島さんに訊く、メンズスタイルに欠かせない定番とは？

ナノ・ユニバースのメンズバイヤーとして多忙を極めるティアモ福島こと、福島雄介さん。ドレス部門のバイイングを担当する彼には、必ず毎日欠かさず身につける定番があるそうです。そのモノ選びには、かつてウィメンズのMDをしていた頃の経験が活かされているとのこと。

「女性の接客をしていて感じたことですが、例えばパンプスを選ぶ場合、くるぶしの見え方やパンツの丈を気にされる方が多いんです。足元はすっきりさせたほうが、絶対美しいという美意識が興味深くて、自分もそういう靴選びや履き方をするようになりました。

男性を見るときも、女性はまず指をチェックすると知って、つけるアクセの見え方も気にするようになって（笑）。モノ選びの基準は、そんな女性ならではの繊細な目線を入り口にしていますね。あとは自分の琴線に触れるか否か。そういう観点で普段身につけるものをチョイスすると、自然とドレススタイルに合う定番アイテムに行き着きました」

ゆったりとしたチェックジャケットと２プリーツのグレスラ、ニットポロを合わせたリラックスムード漂う仕事着。パンツは必ずくるぶし丈、足元はローファー、丸みのあるアイウエアに程よく主張するアクセを複数着ける。抜かりなくドレッシーな印象を与える小物を散りばめるのが福島さんの流儀。

「屋内外問わず必ずアイウエアはかけます。季節も問いません。ボストンタイプを中心に丸みのあるレンズを選ぶことがほとんどですね。柔らかさと知的な印象を与える大切な小物です」

どこに行く時も３〜４本のアイウエアは持ち歩いているという福島さん。その日のコーディネートや天候、シーン、気分に合わせて１日に複数本使い分けています。自分の顔と好相性のレイバン、オリバーピープルズの色付きレンズを愛用。

「アクセサリーは、エスニック調のゴツめの太バングルを中心に、ひとつで主張のあるものを複数着けます。ノーアクセの日はありません（笑）。とはいえ、スーツに合わせても決して悪目立ちしない、色数を抑えたものだけを、毎日チョイスしています」

最近のお気に入りは、ミラノのエルメスで購入した太バングル（右）。トゥアレグ族がスタンプワークを施した一点物です。ナバホ族のヴィンテージ（中）も曲線が上品なものだけを厳選して重ね着けしています。同じくファンタスティックマンのバングル（左）もヘビーユーズしています。

「年間通して、靴はほぼローファーを履いています。足首を見せてすっきりとした靴を履くという女性的な美意識を参考に、あらゆる靴を履いてきましたが、結局ローファーに落ち着きました。なかでもグッチのビットローファーは、ドレス感のあるローファーの代表格ですから欠かせません」

ローファーは、楽チンでありながらどんな靴よりも足元をすっきり見せられるから好きだという福島さん。ただ、足元が地味にならないように、アッパーに装飾のあるものを好んでチョイスするそう。左からチーニーのスエード切り替え仕様、ヴェルサーチのオペラシューズタイプ、チーニーのタッセル付きウィングチップ。

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