「グレンモーレンジィ」の最高蒸留・製造責任者であるビル・ラムズデン博士は非常に研究熱心で、「グレンモーレンジィ オリジナル(10年)」や18年熟成などのスタンダードなアイテムに加え、その時々の気分を表現する限定品をしばしばつくっているのですが、今の気分がフォレスト(森)ということなのでしょうか? スコットランドにいるラムズデン博士、そして今回、パッケージに美しい森の絵を描いたタイ在住のイラストレーター、ポム・チャンさんに話を聞きました。スコットランドとバンコクと東京の3都市をつないだオンライン・インタビューです。
美しいスコットランドの森が薫る
「グレンモーレンジィ フォレスト」
ビル・ラムズデン博士(以下ビル) 非常にシンプルな回答なのですが、森から(笑)。私が暮らすスコットランドはご存知のように大変自然豊かな場所で、私はよく森の中を歩き回っています。とくにこの2年ほどはパンデミックの影響で、大好きな日本にもなかなか行けずにいました。そこで、スコットランドにいる時間が多かったこともあり、いつもより散歩に出かける時間が長かったかもしれません。
ある日の朝、雨上がりの森の中でふと鮮烈な香りに気づいたんです。それは何か1種の植物の香りというわけではなくて、白樺や松などの樹々が発する清々しい香りや、ヘザーなど草花の青い香りが混然一体となったものでした。それが何とも心地よくて深呼吸を繰りかえすうちに、これをウイスキーで表現したらどうなるだろうと思いついたのです。
こうして乾燥させた大麦を使って、貴重なスピリッツを蒸留したのが「グレンモーレンジィ フォレスト」です。森のように青々した印象のこのウイスキーは、ジュニパーベリーとコリアンダー、白樺由来の湿った森のような深い香り、松葉、ヘザーの花からのやわらかいハーブの香りなど幾重にも香りのレイヤードをまとっています。そしてもちろん、これらはグレンモーレンジィの特徴である柑橘系の香りとも完璧なハーモニーを奏でています。
ポム・チャン(以下ポム) えっとですね……はい、確かにそのイメージはお聞きしたのですが、実はなかなか難しかったんです。というのも、私、スコットランドに行ったことがないのですが、パンデミックで渡航も難しい状況でした。そこで、自宅近辺の森を散策したのですが、ほら、タイって熱帯じゃないですか(笑)。気象条件が異なると森の表情もずいぶん変わるのですよね。そこで、タイ北部のチェンマイにある国内最大の松林、ワットチャン・パインフォレストにしばし滞在し、絵を描いて暮らしてみました。あとは「グレンモーレンジィ フォレスト」を実際に飲んでイメージを膨らませました(笑)。
ポム これまであんまりウイスキーを飲んだことがなかったんです。でもこの「グレンモーレンジィ フォレスト」の深く爽快な香りにすっかり魅せられ、グラスを手にしているだけで森林浴をしているような気分を味わえるようになりました。ヘザー、ジュニパー、オレンジミントなど、ウイスキーに含まれるボタニカルやフレーバーとともに、森の神秘的な奥深さをイラストで伝えたいと思いましたが……いかがでしょうか?
ビル ウイスキーの主要なボタニカルと風味を描いてくださっているのですよね。これはまさにスコットランドの森そのものですよ。来たことがないとは信じられません(笑)。
ビル それはもちろんストレートで味わっていただきたいですが、ほんの数滴水を垂らすとアロマがぐっと広がります。食事に合わせるならルッコラサラダのように青々しい香りの料理か、テリヤキにしたサーモンなんかともよく合いますね。
ポム 私はロックが好きですね。でも飲み方だけじゃなく、最高の飲み方は森の中で飲むことではないかしら。ぜひハイキングしながら飲んでいただきたいです。
グレンモーレンジィ フォレスト
松やジュニパーの香りを縁取る微かな薫香と深緑のユーカリ。
ビターオレンジの光が優しいオーク香のフィニッシュへと導きます。
森の中にいるような、みずみずしいボタニカルなアロマあふれるシングルモルト。
希望小売価格/1万3640円(税込)
容量/700ml
アルコール度/46度
熟成樽/バーボン樽
発売日/2023年2月15日(水)より順次限定発売
お問い合わせ/MHD モエ ヘネシー ディアジオ(Tel.03-5217-9731)
ポム・チャン
タイ・バンコクを拠点に活動するイラストレーター。
手描きのユニークな作品によってアジアで名を馳せ、これまでにも多くのグローバルブランドとコラボレーションを成し遂げてきた。