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2023.03.19

「このフォワグラ、ちょっとポワレして」な~んてツウぶりたい!

市場気分で楽しめる東京フレンチの新名店「caillou(カイユ)」の秘密

食材を眺めながら、その日の気分と胃袋に合わせて即興オーダーできるオートクチュール感覚のフランス料理店がオープン!

CREDIT :

写真/八木竜馬   文・編集/秋山 都 

caillou
▲ 西小山駅から徒歩1分の「caillou」。
以前から本連載でお伝えしておりますように、「予約困難すぎる(コネがないと取れない)」「高すぎる(1食5万円超の店も増えてきた)」「イノベーティブすぎる(何を食べてるのかわからない)」「料理の量が多すぎる」お店には食指の動かない(経済的な意味で動かせないとも言える)筆者です。

しかし、東京の比較的庶民的な街、西小山に「まだ予約取れる」「高すぎない(たっぷり飲んで食べてひとり1.5万くらい)」「お料理はストレートなフランス料理」「ボリュームは加減できる」というツボを押さえた店が昨年11月にオープンしたと聞き、さっそく飛んでいきました。しかもコチラ、食材を見ながら料理をシェフとアドリブで相談できるという即興型レストランなのです。これは楽しそう。

◆ 「caillou」(東京・西小山)

caillu 安達晃一
▲ シェフの安達晃一さん。大学在学中にアルバイトしていたビストロでフランス料理に出会い、そのままフレンチ一直線。
ますシェフのご紹介から。安達晃一さんは、フランスでの修業を経て、「ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」(東京・恵比寿)で副料理長、「ASAHINA Gastronome」(同・日本橋兜町)でシェフ・ド・キュイジーヌとして活躍。これはフランス料理界では一級のキラキラとした経歴です。いざ独立となれば港区とかで開業しそうなのになぜ西小山へ?

「とくに縁があった土地というわけではないんです。ただいくつか内見を繰り返すうちに西小山という街が好きになってしまって。情緒と下町っぽい温かさがあるし、これから再開発などの将来性も感じました」(安達シェフ・以下同)
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食材を選んで調理法を相談する即興型が面白い!

あえて西小山を選ぶあたり、シェフの“やつしの美”*的なセンスの良さを感じます。そしてコチラは席について間もなく、「カウンターへどうぞ」と声をかけられるので、誘われるままついて行きますと……
*高貴で華麗なものがあえて質素に身を「やつす」ことに美を見出すこと。
caillou
▲ 主に前菜用の食材が収められた冷蔵ケース。
旬のホワイトアスパラガスや、フランスの定番お惣菜である「パテ・アン・クルート」などが所せましと並んだショーケースが! そう、コチラはショーケースの中をのぞきながら、まるで市場で買い物を楽しむように料理をオーダーできる即興型のレストランなのでした。たとえば、ある日はこんな感じ。

「わ、これは豚足ですか?」
「フランス語ではピエ・ド・コションと言うんですよ。パン粉をつけて焼き上げるのが定番ですが、このままスライスしてサラダにしても美味しいですね」
「じゃ、それはパン粉焼きにしてもらうとして……やっぱりホワイトアスパラガスはこの季節欠かせないから、ひとり1本かな」
「オランデーズソースにします? ムニエルにもできますよ」
caillou
▲ この日のメイン食材ケースにはサカエヤの熟成肉を始め、真鯛やつぶ界、フォワグラ、鴨、各種野菜など。
食べたいものだけお願いするとどうしても野菜不足になるので、それぞれに多めに野菜を付け合わせてもらったり、お腹具合にあわせて少量にしてもらったり、アレンジが利くのが楽しい。ここまでシェフと話しながら楽しめるフレンチが、かつてあったでしょうか?

「いままでのレストランでは、厨房の中に入ったらなかなかお客様とお話できなかったので、今度の店ではお客様のお顔を見て、実際の反応を決めながら料理したい。そんな気持ちからこのマルシェのようなプレゼンテーションと即興型のオーダーが誕生しました」
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caillou パテアンクル―ト
▲ 「パテ・アン・クル―ト」100g 1848円。
そんな安達シェフの料理は奇をてらわずに、ストレートな美味しさ。「誰も知らないソースを考案するのではなく、誰もが知っている(たとえば)赤ワインソースの世界一を味わっていただきたい」というシェフの言葉がその世界観をよく表しています。
caillou フォワグラ
▲ 「フォワグラのクレームブリュレ」1980円。

あの「サカエヤ」の熟成肉ステーキも味わえる!

そしてメインには、美食家垂涎のカリスマ肉店「サカエヤ」の熟成肉をステーキでいただけるというお楽しみも!
caillou サカエヤ
▲ 「サカエヤ」の肉は炭火でじっくり焼き上げる。
意外に思えますが、ステーキもビストロ料理の定番。フレンチフライをつけた「ステーキフリット」が一般的ですが、この日はたっぷりのグリル野菜が添えられていました。次回はぜひフレンチフライ添えでお願いしてみよう。
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caillou サカエヤ
▲ 「サカエヤ 新保さんの手掛けたお肉」7480円~(200g~)。
「初回より2回目、2回目より3回目が楽しいと、みなさんおっしゃいます」とシェフ。その気持ち、わかります。その日食べたいものにジャストフィットした料理をいただけるのは想像以上に心地よく、次に行ったらアレ食べたいな~と今から妄想を膨らませています。
caillou 安達晃一
▲ カウンターで料理するシェフを見ながらワインを1杯……これが最高のエンターテインメント!
店名になっている「caillou」とは“小石”という意味だとか。いま、価格や創意、量の点において加熱する一方の東京のガストロノミー界にあって、この「caillou」が一石を投じる存在となるか——ご自分の舌と胃袋でぜひ確かめてみてください。
caillou

caillou(カイユ)


住所/東京都目黒区原町1-7-9 ドゥーエ西小山1階
予約・問い合わせ/03-6452-2985
営業時間/17:00~22:00(L.O.) 
休/日曜・月曜
個室/あり(4席)
*カード、電子マネー、PayPayでの支払い可。

「予約取れる」「高すぎない」ちょうど良い店はコチラにも……

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