同じようなことは先日亡くなった坂本龍一さんもおっしゃっていて。シャンパーニュが好きだった坂本龍一さんは2022年秋に『Suite for Krug in 2008』という組曲を作曲していますが、その際にこんな言葉を遺しています。
「人は音楽に感動すると言いますよね。 音の力が、人間の感情を誘発するんです。一方、シャンパーニュはグラスの中に見える黄金色の液体が、やはり我々の感情をかきたてる。つまり、今回のコラボレーションで僕が描いたのは“音を視る、クリュッグを聴く”という経験。実体のないもの(音)を視える(味わえる)ようにするという作業です」
文章も、音楽も、そしてシャンパーニュも。それが本当に秀でた創作であれば、読む(聞く・飲む)人の感情をかきたて、共感させ、そして他の創作との邂逅を呼び起こすんだ……なんてことを、先般行われた「ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2013」のお披露目イベントで私自身の感情を強くかきたてられながら考えていました。
“時”が生み出すエレガントで透明感のあるヴィンテージ
◆ 「DOM PÉRIGNON VINTAGE 2013」
「心配しましたが、この天候の影響により力強さと、遅摘みぶどう特有の酸味のバランスを持つ 、高いポテンシャルを秘めたぶどうができました」と語るのは「ドン ペリニヨン」の醸造最高責任者であるヴァンサン・シャプロン氏。コロナ禍により実に4年ぶりの来日となりましたが、「ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2013」のローンチを久々に出会った多くのメディア関係者やインフルエンサーたちと祝いました。
ヴァンサンさんとともにひと口……最初はフレッシュで軽いアタックですが、飲み込むとシルクのようななめらかなのど越し。最後にキレのよい塩味が現れてきて、合わせる食事によって表情をより豊かに変える素晴らしいシャンパーニュです。
「しばし、目をつむってひとりで味わってみてください」というヴァンサンさんに従って、ひとり静かに1杯のグラスを飲み干したところ、心の底からググッと湧き上がってきたのはこの10年間のいろいろな出来事と想いでした。リーマンショックからの不景気と3・11の影響で仕事はドン底からのスタートだったけれど、仲間が助けてくれて今があること。その中で出会った人と結婚したけれど、他人との共同生活ってやっぱり難しいよね……(以下割愛)などなど、言葉にできないような想いが小さく、大きく弾け、それぞれが共振しだすような不思議な経験でした。これもやはり「ドン ぺリニヨン」というすぐれた創作の成す技なのでしょう。
「(ペアリングを考えるにあたり)柑橘や酸味のつながりを意識しました。実際にフランスのシャンパーニュに行き『ドン ペリニヨン』に触れた時に多くのヒントをもらい、山菜など苦みのある食材に、油や出汁などでうまみを加えながら、そこに柑橘を加えたりしてレイヤーを入れました。日本の酸の使い方を取り入れながら『ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2013』との相性を探っています」(高田シェフ)
ドン ぺリニヨン ヴィンテージ 2013 ギフトボックス
度 数 : 12.5度
容 量 : 750ml
希望小売価格 : 3万7400円(税込)
*販売は全国主要百貨店にて
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