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2023.07.13

日本酒は産地で飲むのが一番美味い⁉

佐賀「鍋島」で味わう日本酒ガストロノミー

入手困難な幻の酒を味わうには、産地へ向かうのが一番! 人気酒「鍋島」の蔵元である「富久千代酒造」が美食を楽しめる宿をオープンしたと聞き、かけつけました。

CREDIT :

写真/長谷川 潤 文・編集/秋山 都

最近、「ワインも好きだけど日本酒もね♡」というニキータたちが増えてきました。「どんなのが好き?」と聞けば「新政でしょ~、十四代でしょ~。あ、而今(じこん)も大好き♡」と、これまた入手困難な日本酒ばかりを挙げてくれます。

そう、日本酒はいま群雄割拠。平成初期は端麗辛口な新潟の地酒ブームやら、高級焼酎ブームやら、エリアや味わいでセグメントされたわかりやすいトレンドが勃発していましたが、今は……なんだろう、言うなれば入手困難酒ブーム? スパークリングや熟成酒などのバリエーションも増え、なんだか盛り上がってきました、日本酒。
 鍋島 草庵 富久千代
▲ 「御宿 富久千代」のダイニング「草庵 鍋島」にて、涼しげな切子のグラスで「鍋島」を楽しむ。
そこで「鍋島」。こちらも入手困難な人気酒として知られています。鍋島といえば、佐賀県を約300年に渡って統治していた藩の名前ですし、さぞ歴史のあるお酒なのかと思いましたら、意外にもその歴史は浅く、1998年に誕生したのだとか。地元の米と水で醸す、愛される地酒を目指し、佐賀を代表する酒になれるよう、一般公募で募った案から名付けられたのだそうです。
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鍋島 草庵 富久千代
▲ 「鍋島」と言えば、この力強い書体の漢字ロゴが特徴的。
誕生から4年後、「2002年国際酒祭りinTOKYO」の純米酒部門で日本一を獲得したことを皮切りに注目を浴びはじめ、その後は大吟醸酒が全国新酒鑑評会で8年連続金賞を獲得。「インターナショナルワインチャレンジ2011」では最高賞のチャンピオン・サケに選ばれるなど、国内外で高く評価されているのは衆知の通りかと。まろやかな米の甘味と切れ味の良いミネラル感を感じられる濃醇な味わいは、それまでの辛口とは一線を画しています。
佐賀県鹿島市の浜通り。古くから酒造りをする家が多く、白壁土蔵の伝統的な建物が多く残されています。
▲ 佐賀県鹿島市の浜通り。古くから酒造りをする家が多く、白壁土蔵の伝統的な建物が多く残されています。
この「鍋島」を浴びるように楽しめる宿「御宿 富久千代」が2021年にオープンし、食事だけでも楽しめるというので、佐賀県鹿島市まで出かけてきました。

鹿島までは福岡からクルマで1時間半程度。電車なら1時間ちょい。遠いのですが、出かける価値は大いにアリ! だって、酒蔵が自らもてなしてくれる宿ですもの、きっともうダメ(飲めない……)ってくらい、「鍋島」を堪能できるに違いありません。
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佐賀・鹿島市

◆ 「草庵 鍋島」(「御宿 富久千代」)

鍋島 草庵 富久千代
▲ 「鍋島」では真夏期をのぞいた10か月を醸造期間にあてている。
さて、まずは「鍋島」の蔵元である富久千代酒造での酒蔵見学からスタート。こちらの酒蔵は通常、見学不可ですが、2021年にオープンした1日1組限定の宿「御宿 富久千代」に宿泊するゲストだけは酒蔵内を見学させていただけるのだとか。
エミール・ガレのアンティークグラスで「鍋島」テイスティング
▲ エミール・ガレのアンティークグラスで「鍋島」テイスティング。う~ん、贅沢!
もちろんテイスティングも。「鍋島」では酒類によってラベルの色や文字色が変わるのですが、ここではレアなアイテムもずらりとラインナップされています。酔いしれたくなりますが、この後のディナーでも美味しく味わいたいので、ここではちょっとセーブ気味にしておくのが良さそう。
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「鍋島」はスウィーツにも合う!

ディナー前、ほろ酔いで浜通りを散歩していましたら、こんなカフェ発見。
鍋島 草庵 富久千代 カフェ
▲ 富久千代酒造が運営している「CAFE BREW」(鹿島市浜町乙2688)。
浜通りらしく、白壁の土蔵をモダンなカフェにリノベーションしている「CAFE BREW」も、「鍋島」蔵元である富久千代酒造が運営しています。バスクチーズケーキと「鍋島」⁉ ほんとに合うの~? と懐疑的でしたが、これがほんとにびっくりするくらい美味しくて。日本酒と和菓子のペアリングについては検証済みでしたが、洋菓子とも合うとは……深いぞ、日本酒。
鍋島 草庵 富久千代 カフェ
▲ コーヒーは福岡「豆香洞」の豆を使用。
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「鍋島」の世界を堪能できるディナー

鍋島 草庵 富久千代
▲ 「草庵 鍋島」は「御宿 富久千代」のダイニング。カウンター8席のみ。
さてさて、ようやくディナーへ。「草庵 鍋島」は「御宿 富久千代」のダイニングですが、食事だけの立ち寄りも可能です。その場合、宿泊ゲストが優先となりますので、まずはお問合せください。
西村卓馬料理長
▲ 福岡県出身の西村卓馬料理長。
厨房を預かるのは、まだ30歳になったばかりというフレッシュな西村卓馬料理長。お若いのですが、「神楽坂 石かわ」など名店で研鑽を積み、経験と見識は豊かです。
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鍋島 草庵 富久千代
▲ 唐津産の甘鯛を炭火焼きにして。下には酒蒸しにした新タマネギ、甘鯛の骨からとった出汁とともに。
素材の味を引き立てる繊細な味わいの和食13品ほどのコースに「鍋島」はセットになっていませんが、ほとんどのゲストがペアリングでオーダーするのだそう。そりゃそうでしょう。
鍋島 草庵 富久千代
▲ 日田産の鮎をからりと揚げて木の芽を叩きこんだ甘酢あんと。
佐賀と言えば、有田や唐津など焼き物の産地としても知られています。地元の酒器で味わう、地元のお酒は格別の味わい。東京など首都圏に暮らすものにとって、これは最高の贅沢かと。
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鍋島 草庵 富久千代 酒器 唐津焼
▲ 佐賀らしく有田や唐津焼の酒器のコレクションもお見事。
最後にお宿もチラ見せしておこうかな。
築230年の古民家がリノベーションされ、「B&B ITALIA」などコンテンポラリーなイタリア家具と美しいマッチングを見せています。ここには「鍋島」とワインがセットされたセラーが置かれており、自由に飲めますが、もちろん有料ですので、飲みすぎにご用心(笑)。
草庵 鍋島(御宿 富久千代)

■ 草庵 鍋島(御宿 富久千代)

住所/佐賀県鹿島市浜町乙2420-1
営業時間/17:00~(宿泊客優先)
定休/月曜・火曜
*「御宿 富久千代」の一棟貸し切り料金1名8万8000円~(夕・朝食つき)。最大4名まで。
*ディナーのみの利用2万4200円~(税・サ込)

お酒は産地で飲むのが一番美味い!

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