これぞ男の料理「暗殺者のパスタ」を美味しく作るコツ伝授

無限ピーマンとか、麻薬卵……最近、話題のレシピは物騒な言葉がついていることが多いですが、今年の春から夏にかけて流行ったレシピといえばこれでしょう、“暗殺者のパスタ”。暗殺者とパスタにいったいどんな関係があるのかと気になった方も多いのでは。

「ネットでバズるレシピはわざと極端な言葉を使って、興味を引くケースが多いですよね。でも“暗殺者のパスタ”はイタリア・プーリア州発祥とネタ元がはっきりしていて、料理としてもしっかりしています」と野本やすゆきさん。

調べてみますと1960年代にプーリア州バーリの某レストランがSpaghetti all'assassina（暗殺者のスパゲッティ）というメニューを考案していたところ、2005年には同じく「Spaghetti all'assassina」という小説が発表され、同名で映画化もされたことから、じわりじわりと世界的に伝播していた模様。でもなぜ暗殺者という表現が選ばれたのでしょう……？ 

「それは、食べてみればわかりますよ」と野本さん。気になりますね。ではさっそく教えていただきましょう～！

「暗殺者のパスタ」の材料はとてもシンプル。具無しですが、味が濃いので、他に何か１品添えるならサラダやスープなど口をさっぱりさせてくれるものが合いそうです。

では実際に作っていきますが……まずのっけから今回最大のポイントが登場。それは「鉄鍋で作るのがおすすめ」ということなのでした。この「暗殺者のパスタ」は、材料はいわゆるトマトソースのパスタと同じなのですが、スパゲティを水で茹でずに、多めの油で揚げ焼きするようにしてからトマト水を加えることで火を通しています。この際に、鉄鍋で焼くようにしてパスタに焼き色をつけるのが味わいに差をつける、ということなのですね。

お鍋の準備ができたら、パスタに加えるトマト水の準備をしておきましょう。と言っても分量の水に、A（塩とトマトペースト）を加えて混ぜるだけ。巷に出回っているレシピですとケチャップやトマトの水煮缶を使用しているものもありますが、ケチャップだと少し甘すぎ、トマトの水煮缶だと少し柔らかな味になり、“暗殺者”感が出ません。ここはぜひトマトペーストでお願いします。

フライパンにたっぷりのオリーブ油とにんにく、唐辛子を入れ、弱火にかけます。香りが出てきた？ と思ったらすかさずスパゲッティをバラリ。

さらにトマト水を50mlほど加え、パスタに焼き色がつくまでジーっと我慢。

トマト水は何回かにわけて加えながら、煮詰めるようにして加熱します。トータルで、パスタの袋にある茹で時間プラス1分ほど加熱するようにしてください。

煮汁がなくなり、パスタがやわらかくなれば食べごろ。

さあ、熱々をお皿に盛り付ければできあがり。大量のニンニクと唐辛子という刺激的な味わいが、これまた大量の油でコーティングされ、さらにトマトの酸味と甘みをまとうことで深みも増す……なんともガツンとくるストロングなパスタでした。第一印象はマイルドなんだけど、実はタフなハードボイルドって感じが“暗殺者”なのかな。納得です！

● ホムパ対応「ラザニア」なら俺にまかせろ、と言いたいアナタへ

●アサリたっぷり「ボンゴレパスタ」を召し上がれ

●みんな大好き「喫茶店のナポリタン」の作り方