国宝「松本城」で味わう美食の祭典
その国宝の内、城郭はたったの9軒。なかでも五大国宝城*のひとつとして知られる「松本城」でガラディナーイベントが開催されると聞き、筆者の中の美食アンテナがピンと立ちました。国宝といえば、もちろん火気厳禁ですが、調理はどこで? ディナー会場は、まさかの天守閣⁉ 気になることばかりで脳内をハテナでいっぱいにしながら松本へ出かけてまいりました。
「Delicious・Journeys in Matsumoto Relais & Châteaux in collaboration with DINING OUT」
この「ルレ・エ・シャトー」についてはご存じの方も多いと思いますが、 1954年にフランスで発足し、厳格な審査(通過はなんと5%以下!)をクリアしたホテル・レストランだけが加盟を許される国際的な非営利会員組織です。2023年9月現在、世界65カ国の580のホテルとレストランが加盟しており、日本からは、13の宿と7つのレストランが会員に名を連ねています。
2016年より「ルレ・エ・シャトー」は、「その土地の伝統や環境を守りつづける」というヴィジョンのもとに、地域の生物多様性を保護しながら、持続可能な食品消費を促進することを目的にしたキャンペーン「Food for Change」を毎年実施しています。今回は、土地の文化と歴史が感じられる体験からインスピレーションを得て、美味しく、サステナブルな「食」の楽しみ方を提案する機会として、「松本城 」に「ルレ・エ・ シャトー」に加盟するシェフたち9名が派遣されたのでした。
テーマである「発酵」という観点からは、長野らしく信州味噌、伝統的発酵食品の「すんき」などが使われていたほか、ご当地発として松茸やくるみ、りんご、栗、佐久の鯉やシナノユキマスなど長野県産の食材が多く使用されていたのが印象的。ゲストには長野県内から来た方も多かったようですが、「こんな使い方があるのね」という驚きの声もちらほら。
▲ アペリティフは「要庵 西富家」の美坂シェフ、「神戸北野ホテル」の伊井野シェフ、「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」の喜納シェフが担当。
▲ 鹿肉やオニグルミなど松本産の食材だけで構成された前菜「松本まみれの仔鹿」は「ラ・ベカス」(大阪)の渋谷シェフが担当。
▲ 千曲川の清流で育った佐久産の鯉をちり酢で。「鯉に上下の隔てなし」というユニークなメニュー名の一皿は「日本料理 銭屋」高木シェフによるもの。
▲ サステナブルシーフードであるホタテ貝、地元松本のニジマス、秋の味覚の王様である松茸を贅沢に配したお椀は「柏屋」の松尾シェフ作。
▲ バスク地方の伝統料理であり、マグロ漁師が漁から戻る船の上で作る料理を現代的にアレンジし、トマトとスパイシーな風味を強調した一皿。「シャトーメルシャン」による「桔梗が原メルロー シグネチャー」をペアリングさせて。
▲ 「オトワレストラン」音羽和紀シェフによる一皿は「信州和牛のロティ」。長野県の伝統的な発酵食品である「すんき」がベアルネーズソースに使われている。
▲ 長野県小布施名産の栗をたっぷりと作った「小布施栗のモンブラン」は、「扉温泉明神館 ヒカリヤ ニシ」の田邊シェフ作。
▲ お茶とともに供されたミニャルディーズは右から、琥珀糖、豚のレーズンサンドシャインマスカット、最中と小豆のマカロンの3種。
▲ アペリティフは「要庵 西富家」の美坂シェフ、「神戸北野ホテル」の伊井野シェフ、「ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ」の喜納シェフが担当。
▲ 鹿肉やオニグルミなど松本産の食材だけで構成された前菜「松本まみれの仔鹿」は「ラ・ベカス」(大阪)の渋谷シェフが担当。
▲ 千曲川の清流で育った佐久産の鯉をちり酢で。「鯉に上下の隔てなし」というユニークなメニュー名の一皿は「日本料理 銭屋」高木シェフによるもの。
▲ サステナブルシーフードであるホタテ貝、地元松本のニジマス、秋の味覚の王様である松茸を贅沢に配したお椀は「柏屋」の松尾シェフ作。
▲ バスク地方の伝統料理であり、マグロ漁師が漁から戻る船の上で作る料理を現代的にアレンジし、トマトとスパイシーな風味を強調した一皿。「シャトーメルシャン」による「桔梗が原メルロー シグネチャー」をペアリングさせて。
▲ 「オトワレストラン」音羽和紀シェフによる一皿は「信州和牛のロティ」。長野県の伝統的な発酵食品である「すんき」がベアルネーズソースに使われている。
▲ 長野県小布施名産の栗をたっぷりと作った「小布施栗のモンブラン」は、「扉温泉明神館 ヒカリヤ ニシ」の田邊シェフ作。
▲ お茶とともに供されたミニャルディーズは右から、琥珀糖、豚のレーズンサンドシャインマスカット、最中と小豆のマカロンの3種。
まさに、食は世界を変える=Food for Changeです。ビジョンと想いを共有する「ルレ・エ・シャトー」の同志たちだから実現できる、サステナブルな地域づくりによって、「料理とおもてなしによってより良い世界を構築する」マニフェストをゲストひとりひとりが噛みしめることができる好機となったようです。
■ Delicious・Journeys in Matsumoto Relais & Châteaux in collaboration with DINING OUT
日時/2023年10月16日(月)・17日(火)
場所/松本城
チケット料金/1人10万円(税込)
*チケット収益の一部は松本城保全のために寄付されました
主催/扉ホールディングス株式会社
協力/ルレ・エ・シャトー、スローフード協会
HP/https://advertise-works.com/deliciousJourneys/jp/index.html