2025.03.06
■ vol.183「新楽記」
マニアック！ なのにデートに使える本格派の香港料理店が再オープン
大人のカジュアルデートにドンピシャな店が、休眠を経て再オープンしました。香港への渡航回数200回以上を誇るフォトグラファー菊地和男さんがプロデュースした「新楽記」。菊地さん自ら仕入れる自然派ワインと本格派の香港・広東料理が最高に美味しいのですよ！
- CREDIT :
文／渡辺ゆり子 写真／八木竜馬
本誌LEONでYULI*YULIとして長きにわたり、あらゆるジャンルのレストラン＆バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南します！
“町中華”以上、“高級中華”未満の使い勝手の良さ！
中国料理は私たち日本人にとって、子供の頃から馴染み深いジャンル。いまや東京には町中華から、フレンチのようなコース仕立ての高級中華までさまざまなスタイルが溢れています。
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今回ご紹介するレストランはちょっぴりマニアックな中国料理店「新楽記」です。プロデュースしたのは、ベテランフォトグラファーの菊地和男さん。若い頃に仕事で足繁く香港に通っていうるうちに香港・広東料理の奥深さにすっかり魅せられて、ついにお店を開くまでに。これまでの香港への渡航は200回以上、通算滞在日数はなんと1200日を超えると言うから、もはや香港通を通り越しています！
「新楽記」という店名でお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、惜しまれつつも閉店となった神宮前の「楽記」が休眠を経て、2025年1月15日に四谷に再オープンしたというわけです。
「新楽記」も、かつての「楽記」と同様に中華とワインを楽しめるレストランなのだけど、内装・料理・ワインに至るまで、香港マニアの菊地さんのこだわりがちりばめられています。
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▲ ネオン管の鮮やかな赤色の光が、香港の雰囲気を醸し出す。
場所は、四谷駅から四谷三丁目に向かって徒歩7～8分の住宅地。かの有名なアニメ映画『君の名は。』の舞台となった四谷須賀神社 男坂の近くです。エントランスを入るとすぐに赤く光るネオン看板が目を引きます。いまやほとんどがLEDネオンなのに、ネオン管にこだわった菊地さん。これぞ、“the 香港”の看板です。
▲ オススメのワインは日替わりでボードに書き出される。山梨県の「98BEERs」のビールも人気だとか。
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菊地さんはソムリエではないけど、ナチュールワインの知識はかなりのもの。中国料理店としてはかなりの品揃えです。料理に合わせたペアリングの相談に応じていただけるのはもちろんのこと、注文しやすい値段設定もうれしい。グラスワインも白・赤・オレンジと揃えてあるのもイイんです。
▲ 打ちっぱなしコンクリートの無骨な空間に、温かみある木製テーブルが配置されたカジュアルな店内。
▲ キッチンと客席の間には多種多様なスパイスや、『超級香港』『香港うまっ！食大全』などの菊地さんの著書が飾られている。
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店内にも香港の雰囲気が漂っています。中国料理店というより、ビストロやカフェのようなカジュアルで親しみやすい空間です。
メニューは香港の広東料理ながら、“家常菜”＝家庭料理を中心としたオーセンティックなものがほとんど。さらに言うと、“ワインを飲むための”中華料理なのが一番の特徴です。なので、何を食べてもワインが飲みたくなっちゃいますよ！
▲ 「新鮮特製パクチーサラダ」2000円
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まずは、ぜひ食べていただきたいパクチーサラダをご紹介。葉だけでなく素揚げした根っこもパクチーで、これが香ばしくて美味しいの！ こんなに長くてしっかりした根っこ、見たことないですよね？ 一般には流通していない、多くの料理人が信頼を置く千葉のテラ・マードレ農園の良いお野菜です。フレンチ・ドレッシングでいただくから、ワインにぴったり。スライス・ガーリックと黒胡椒がアクセントです。
合わせるワインはフランス、ロワール地方の「ドメーヌ・ランドロン」のスパークリング。
合わせるワインはフランス、ロワール地方の「ドメーヌ・ランドロン」のスパークリング。
▲ 「釜焼肉の盛り合わせ」（2名分）4000円
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香港中華と言えば、焼き物はマストです！ 砂糖に二日間漬け込んだ金銭鶏のレバーと背脂、豚の皮付き焼肉、豚肩ロースを麦芽糖でマリネした蜜汁焼豚。香辛料でマリネした豚トロ、合鴨など、その日の焼き物を盛り合わせでお楽しみください。
スペインのエンビナーテ「ベンへ・テイント」の赤ワインを合わせて。
スペインのエンビナーテ「ベンへ・テイント」の赤ワインを合わせて。
▲ 「もち米のハスの葉包み蒸し」2000円
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香港名物のおこわ「もち米の蓮の葉包み蒸し」もオススメです。醤油と紹興酒をベースに干しソーセージ、貝柱、鶏肉、干し海老が入った旨味たっぷりのおこわを蓮の葉で包んで蒸し上げているので、通称“ワインが飲めるご飯”なのですって。葉を開いた時に湯気とともに立ち上るハスの香りも、食欲をそそられます！
ワインは山梨県塩山にある注目の日本ワイナリー「98wines」のロゼワイン。甲州とマスカットベリーAの混醸で醸されていて、芳醇なのに爽やかな飲み口でおこわの旨みを引き立てます。
ワインは山梨県塩山にある注目の日本ワイナリー「98wines」のロゼワイン。甲州とマスカットベリーAの混醸で醸されていて、芳醇なのに爽やかな飲み口でおこわの旨みを引き立てます。
▲ 厨房の活気を感じながらカジュアルデートを楽しめる。
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いわゆる町中華って、デートだとちょっとムードないですよね。とはいえ、やっぱり食べたくなるのが中華。その点、「新楽記」はワインで乾杯できるし、カジュアルデートにぜひ使っていただきたい中国料理レストランです！
※価格はすべて税込み価格です
■ 新楽記
住所／東京都新宿区若葉2-7-1 ビデオフォーカスビル １F
営業時間／18:00〜23:00（L.O.21:30）
定休日／月曜、第二・第四火曜
公式インスタグラムはコチラ
予約・お問い合わせ／TEL03-6380-0423
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● 渡辺ゆり子
食、シャンパーニュ、花、インテリアと多岐のジャンルが活動のフィールド。2003年、国際アートフラワーコンクール優勝。2010年、シュバリエ・ド・シャンパーニュ叙勲。本誌LEONの「モテたいオヤジの通ぶり!レストラン」でも連載中。2024年7月７日に、自身のバー「Champagne Bar LILI-LA-YULI」が17周年を迎えた。
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