いまどきの賢い銀座のバーの使い方
編集部から近いこともあり、2人とも銀座は食事や接待でもよく来るのですが行きつけのバーはまだ未開拓の様子。そろそろ、帰りに一杯グラスを傾けていける止まり木が欲しいと思っていた頃だけに興味津々。
和服のママがいる高級クラブや、無口なマスターと店奥に探偵がいそうなカウンターバーよりも、気軽に友人や女性を連れていけるお店を探していたところ、さりげなく上品で、しかも気軽に入れそうなバー「銀座 BAR NOKKTON」を見つけました。
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やっぱり大人の憧れ! 銀座に行きつけのバーがあるということ
前田 隠れ家的なバーや、接待で行くようなクラブは、LEON的な大人が女性と行くのは使いづらいので(笑)。
石井 食事をして、軽く飲める、そんな気軽なところだといいんですが。
前田 銀座って、丸の内や日本橋で食事をしてから流れてくる人も多いですよね。その逆はないんだけど。
清水 おっしゃる通り。銀座を経由して、新橋で仕上げる方もいらっしゃいます。
石井 最後の最後はガード下ですね(笑)。
清水 当店は二軒目の利用を想定しています。銀座界隈のエグゼクティブの方々が、食事の後に立ち寄りたい店です。バー形式で対応いたしますが、いわゆる老舗の無口な老バーテンダーがいるわけでもなく、ホテルのラウンジのように気軽に使えて、個人のお客様を大切にしながらボトルがキープできる、そういう店を目指しました。
石井 銀座って、座っただけで数万円!というイメージがあります。
前田 渋谷だと子供っぽいし、新宿だと輩っぽい、かといって六本木でもなく、青山や代官山のように気軽に飲める店があるといいのに、と常々思っていたんです。
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清水 カウンターの幅は1mちょうど。お客様とバーテンダーとの最適な距離と言われています。とくに銀座は意外とシャイなお客様が多いので、ちょっと離れてるぐらいがちょうどいいようです。
石井 店内を見渡せるのも安心感があります。
清水 眼の前のお客様と目が合わないよう、ひらがなの「つ」の字を描くカウンターになっています。
前田 なるほど、対面と微妙に角度がついてるので目が合わないんですね。
石井 ふらっと入った店が一直線のカウンターだと誰がいるかわからなかったりして、帰りしなに肩をポンッと叩かれて、あ、居たんすかってことありますものね。俺、ヤバイ話ししてなかったっけ?って、ここきてからどんな話しをしてたか、ものすごい勢いで思い返したりして(笑)。
前田 1秒で酔いも覚めるね、それ(笑)。
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カウンター越しには女性スタッフがずらり
清水 常時6〜7名に女性バーテンダーが居ります。お客様は40〜50代の、社会的に肩書のある大人の男性が多いです。会社では部長や社長、家に帰ればお父さん。その中間にある、一人の“男”になれる場所でありたいと考えています。そのためにバーテンダーは男としての自分を自覚できるように女性にさせていただきました。こちらはガールズバーのような接客はございませんので、後ろめたい思いをされることもございません。
前田 銀座で接待の後、男ばかりに飽きて女性のいる店に行きたいけれど、下世話な店には行きたくない。そういうときにも使いやすそうですね。
石井 知り合って日の浅い相手とは、キャバクラやガールズバーは行きづらいですもんね。
前田 ボトルが入ってるので、と言えば、接待のお返しとしても誘いやすい。軽くあと一杯だけっていうのもいい。さりげなく銀座にボトルを入れてるというステイタスも味わえるし。
石井 〆に1、2杯飲んで帰りたいことがあります。若い頃はひとしきり飲んだ後、テンション的にもう一杯飲みたいけれど、時間的に今から飲み屋ははばかられる。そこで牛丼屋さんに入って、ビール一本だけ飲んで帰ったりしてましたから(笑)。
「グレンモーレンジィ18年」はストレートとロックでどこが違う?
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LEON.JP編集長・前田が思わず唸った…「これ、美味しい」
石井 僕はストレートでお願いします。
前田 それじゃ僕はオンザロックにしてもらおうかな。
清水 かしこまりました。
前田 では、いただきます。
石井 おいしい……。18年だからか、ふんわりとした甘みがあるんです。
前田 トロりとした口当たりが美味しさを後押ししますね。
石井 先日、ソーダアップした「グレンモーレンジィ オリジナル」をいただいてきたのですが、18年のストレートとは、また違いますね。
前田 カジュアルなハイボールにも、しっとりとバーでも飲めるお酒なんだね。
清水 幅広いお客様に愛されるお酒だと思います。ソーダアップする場合は、18年よりオリジナルをおすすめしますが、ソーダの種類にもこだわられるとよろしいかと。
前田 炭酸の粒の大きさが違うと香りの弾け方も違うんですよね。
清水 サンペレグリノのような微炭酸より、ペリエなどの強炭酸のほうが美味しいと思いますよ。
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味わいはもちろん、豊穣な香りも楽しめるのが、18年ならでは
前田 ちょっとだけシェリー樽の風味を足してるんですね。
石井 フルーツの香りがするのはそのせいですか? ハニーやバター、ナッツの香りがして、最後フルーツがふわっとくるような。
前田 この香りはシトラス?
清水 シトラスの風味は、使っている蒸留器の高さに理由があるようです。グレンモーレンジィは5.14mの高さの蒸留器を使うのですが、シトラスの成分はとても軽いので、この高さまで登ってくるそうです。重たい香りの分子は上がらず釜に残るのですっきりした香りだけが蒸留されます。
前田 繊細な香りだけを厳選してるんですね。
清水 デリケートで繊細なスピリッツです。アメリカンオークの樽を自社で製造し、バーボン樽の蒸留所に4〜5年貸し出してから使います。薫り高い風味のためには、年輪が詰まっているものを厳選するそうです。
前田 使う木の年輪まで気を使うんですね。
石井 そういう話、男は大好物ですよねー。
前田 この話だけで相当飲めるよね(笑)。
大人が知っておくべき、いいウイスキーの見分け方とは?
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五感を動員して味わう。これも18年ならではな楽しみ方
清水 ストレートならではの力強さが感じられると思いますが、グレンモーレンジィは冷やしても香りが飛ばないので味わいが深いです。オンザロックも水割りやソーダ割りでも美味しいお酒です。特にオンザロックの場合、ボールアイスに注ぐときの音をお聞きください(キンッ!と弾ける氷の音)。フィンガーステアでどうぞ。
前田 色もきれいなオレンジ色です。エレガントという表現がぴったり。
石井 エレガントなのは飲み口もですね。ホント、繊細ですよね。
清水 香りも複雑で、プロが嗅覚のトレーニングに使うほど。化学分析をすると140種類もの香りの成分が入っているそうです。
石井 ハニーとかナッツとかバニラぐらいしか知らなかったけどそんなにあるんですね。
清水 ナッツだけでもヘーゼル、アーモンドなど数種類感じられますよ。
石井 そこまで細かいとは!
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女性がウイスキーをトライしやすくなる、味を変える奥の手とは?
石井 スプーン一杯ですか? ……ホントだ。さっきとはまた違いますね。
清水 あまりロマンチックな話ではないですが、水を加えると分子レベルで温度が上昇します。それによって新たな香りの成分が開くんです。
前田 時間とともにどんどん味が変わるというより、時間が経つごとに開くアロマが違うのか。
清水 氷が溶けてくると、バニラが強まりませんか? 純粋に甘味が増すと思います。
石井 確かに飲み口がふわっと軽くなるかも。これ、女性もトライしやすい味わいですね。
清水 もしグレンモーレンジィが合わなかったら、ウィスキーを諦めたほうがいいとも言います。もっとも飲みやすく、かつウィスキーならではの味が楽しめるシングルモルトなのです。
国産ウイスキーが品薄な今、これからを担うボトルはコレ!
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清水 10年前とは状況がかなり変わりました。テレビのドラマ効果もあって、消費者の興味が高まり、より自分の好みに合う銘柄を探すようになりました。
石井 そこで、こちらのお店ではグレンモーレンジィをオススメしていると。
清水 銀座では、いま洋酒が見直されてきています。そこでいくつかの候補の中、グレンモーレンジィは、味わいも香りもとても華やかなのに、ずっと飲んでいられる、居心地のいいお酒としておすすめしています。甘さや香りが強すぎるものは飽きてしまいますので。
石井 キープボトルに飽きちゃったら、店に行かなくなっちゃいますね。
清水 基本のボトルを1本押さえて、あとはその日の気分で遊んでいただきたいですね。
前田 そうか、いつでも飲みたいと思えて、しかも飲み方を気分で変えられて、ときにシェイカーを振ってもらって別のお酒を楽しんだりして、いろいろ遊ぶためにも基本のお酒はベーシックなほうが良いのか……。
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前田 ボルドー型の撫で肩で、下に向かってテーパードしていて、裾がまた開いてる。
石井 確かに、普通は寸胴なのにこのボトル、ちょっと色気があります。
清水 箱も、この価格帯では扉がひらく仕様で、重厚です。
石井 確かに、これは高級感ありますね。
前田 ボトルを入れた感があるよね。そうかプレゼンテーションは箱から始まるんだ。誰かと来たときに、ボトル入れるとすごいアピール力もある。
石井 凄いの入れてくれちゃったんだ感がありますね。
清水 それでいてお値段はそれほど高くありません。うちではメインボトルなので国産ウイスキーの定番銘柄より、少しリーズナブルなぐらいです。
女性との会話を、さらに楽しくしてくれるウイスキー
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清水 一般的に高価なウイスキーは、ストレートで飲むべしという不文律がありますが現実的ではありませんし、ハイボールが楽しめなかったら、ここまでウイスキー人気は広がらなかったでしょう。ストレートもオンザロックも、ハイボールも楽しめてウイスキーの自由度を高めてくれるのもグレンモーレンジィのいいところ。バーで会話を楽しむことを、邪魔しないんです。
石井 男同士ならうんちく話で盛り上がれるけど、女性がいたら、ちょっと抑えないと。飲み方を限定されたら、うんちく語るしか無いですもんね(笑)。それじゃモテないわけだ。
前田 それに、香りって男性より女性のほうが敏感だよね。お酒の香りが変化していく話は、実際にグラスを前にしたら女性にも理解できるんじゃないかな。
石井 確かに、ここまで香りが変化する様子は、実際に体験して楽しんでもらいたいですね。
前田 会話も飲み方も、バランスよく楽しめる絶妙なポジション。
石井 名バイプレイヤーですよ。グレンモーレンジィは飲む人を主役にしてくれるお酒なんですね。
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LEON.JP編集長 前田陽一郎
ストリートファッション誌編集部を経て、LEONに副編集長として招聘。2011年から第3代本誌編集長を6年間つとめたのち、2017年よりweb版、LEON.JP編集長に就任。
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LEON編集長 石井 洋
2001年、LEON創刊からスタッフとして本誌に携わり、副編集長、編集長代理を経て2017年より第4代本誌編集長に就任。ファッションと酒をこよなく愛す男。
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BAR NOKKTON銀座店 オーナー 清水孝芳さん
恵比寿の有名なアクアリウムバー&レストランの店長を務めた後、独立。八重洲と銀座にバーを、鎌倉に和食レストランを運営する長谷川レストランクリエイツ株式会社CEO
夏にオススメ! グレンモレンジィ ハイボールの作り方
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1. グラスに氷を入れ、グレンモレンジィ オリジナル(30ml)を注ぎます。
2. ソーダ(90ml)を加えて、軽くかき混ぜます。
3. オレンジの皮を一片切り取って、グラスの内側と外側にふんわりとフレッシュなオレンジオイルを飛ばします。
4. オレンジの皮はそのままグラスへ。
カウンターで語らうのはウンチクよりも、やっぱり恋話!?
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■ 銀座BAR NOKKTON
住所/東京都中央区銀座8-5-18 コルティーレ銀座Ⅳビル1F
営業時間/18:00〜24:00
定休日/日
TEL/03-3573-1141
● MHD モエ ヘネシー ディアジオ
URL/https://mhdkk.com/brands/glenmorangie/
TEL/03-5217-9731
お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は楽しく適量で。
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◆ プロに聞いた! 女性にウケるハイボールとは?
飲み会は「とりあえずハイボール!」からスタートするというほど人気のせいで、ウイスキーが品薄というニュースが世間を騒がせましたが、いま赤坂や銀座のバーで人気急上昇中のシングルモルトがあるとのこと。そこで美味しくて、女性ウケも上々なハイボールのお洒落な飲み方を教えてもらうべく、おなじみのLEON編集長ふたりが街へ繰り出しました。
URL/https://www.leon.jp/gourmet/8407