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2023.05.19

武田真治が魅せた! 進化する50歳の艶ボディ、その秘訣とは!? 【前編】

映画や舞台、バラエティでも活躍し、近年はその鍛え上げられた筋肉美でも注目を集める武田真治さん。【前編】では、現在の運動やトレーニング法、その肉体に秘めた思いについて伺いました。

CREDIT :

写真/HIRO KIMURA(W) スタイリング/伊藤伸哉 ヘアメイク/堀江万智子 文/鳥海美奈子

50歳という節目は、自分に課してきたトレーニングのターニングポイント

その中性的で繊細な魅力で、90年代に“フェミ男”として時代を席巻した武田真治さん。NHKの『みんなで筋肉体操』で披露した、筋肉を纏ったその肉体は大きな話題を呼びました。50歳という節目を迎えて、いま、武田さんが考える肉体美とは──。
武田真治
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── その見事な肉体を保つために、現在はどのようなトレーニングをしているか、教えてください。

武田 LEON読者は、僕と同じ50代の方も多いと聞いたので、包み隠さず申し上げると、実はいま、あまりトレーニングできていないんですよ。去年の夏、プールで右足のかかとという一番硬いはずの骨を折ってしまって。しばらく、松葉杖と車椅子の生活でしたから。骨はくっつきましたが筋力はまだ戻りきってはいません。

それまで20年近く日課だった1カ月累計100㎞のジョギングからも遠ざかってしまって。ジョギングは腕と足が反対のポジションになるので腰が捻れて脂肪燃焼して、お腹が締まるんですよ。今日の撮影では、自分としてはいつもよりお腹に一層脂肪を纏ったような感じになっているなと思いました。
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武田真治
── いえ、美しく隆起した肉体で、まるで彫刻のようです。

武田 ありがとうございます。でも実際、体重も体脂肪率も人生最大値なんです。そのうえ実はベンチプレスも、いまは重いものが上げられなくなってしまっているんです。これまでは30kg、50kg、70kg、90kgの重さをインターバルを取りながら上げていたんですが、右手の手首の靭帯のひとつを痛めてしまって、手首が安定しないので、最近は30kgを100回上げるだけですね。

── では、いまの肉体は現状維持という感じでしょうか?
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武田 現状維持もできているかどうか。30代から40代はケガや病気をしても、日々のノルマは絶対に変えなかったんです。膝の半月板にヒビが入ってもジョギングしていましたし。30代前半で盲腸の手術した時も、3日目に勝手に病院を抜け出して、ハーフマラソンを走ってました。その時なんか、切開したところから血が滲んでましたが、自分に課したノルマをやりきる達成感のほうが大きかったんです。
あの頃は決めたトレーニング内容をやらないことに対してすごく罪悪感があって、そこに捉われていたんでしょうね。ただそろそろ、トレーニング法を少し変えていこうかなとは思っていたところでした。おそらく神様が「いい加減にしろ」「やり方を考えろ」という意味で、ケガを負わせくれたのかな、と。とにかく2019年まではトレーニングでカラダを追い込みすぎて、夏でも基本、毎年風邪をひいていたくらいですからね(笑)。
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武田真治
武田真治
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武田真治
── 肩回りや腕、胸筋の美しさは、長年ベンチプレスで努力されてきた賜物かと。ベンチプレスの魅力はどこにありますか? ハマった理由を教えてください。

武田 ハマったのはベンチプレスがとてもシンプルなトレーニングだからです。一畳くらいのスペースで、目の前に迫ってくる重りのついたバーを上に押し返すだけという作業。メンタル的にもフィジカル的にも、トレーニングをやったという達成感も得やすいんですよね。

それで2019年正月に放送された「TEPPEN」(フジテレビ系列)という番組で、「体重の8割の重さのベンチプレスを上げられるか」という企画に挑戦し、優勝しました。それでやっと「あ、自分はベンチプレスが得意なんだ」とわかったんですね。ペンチプレスを始めて20年近く経った46歳の時でした。
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── 武田さんは肌もキレイですし、髪も豊かです。それもトレーニングの成果でしょうか。

武田 毛量や肌質は、遺伝や生まれ育った環境が大きいのかなとは思います。最近も人間ドックで、体内年齢は20代後半という数値でした。運動することで成長ホルモンが出るというし、肌にも髪にもいいのかもしれませんね。
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▲ レザーパンツ24万2000円/イサムカタヤマ バックラッシュ、レザーブレスレットは本人私物
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── 肉体を作り上げるのに年齢は関係ない、ということを武田さんが証明してくださっていると思います。「どんなカラダを作りたいか」という目標は人によって違うと思いますが、武田さんの場合はいかがですか?

武田 どういうカラダを作りたいかというより、僕の場合は「性能を上げてみたい」という感じでトレーニングをしています。僕が筋トレを始めたのは、仕事がノリにノッている時期の26歳の時に顎関節症を発症したのがきっかけだったんです。心身とも不調になってしまい、仕事ができないから周りにも迷惑をかけて、仕事依頼も減ってきて。芸能界引退も頭をよぎったけれど、自分のちっちゃなプライドから他の仕事を見つけることもできなかった。
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今後この芸能界という世界でやっていきたいんだったら、精神的にも肉体的にも強くなければいけない、ということを思い知らされたんだと思います。それまでラクして大人に担がれて、自分で名乗ったことは一度もないけれど“フェミ男”と呼ばれ。90年代カルチャーの真っただ中の、混沌とした思い出として時折振り返るぶんにはいいけれど、「そうじゃないな」とどこか痛烈に感じましたね。

幸運すぎた時期の戒めも含めて、自分をいじめたくなったんです。20代のカラダはすごく細かったけれど、30代から45歳ぐらいまでは取りつかれたかのように運動してました。
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▲ リングは本人私物
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── 精神も肉体も鍛えることが大切である、と。

武田 そうですね。たぶん最大のストレス発散方法を見つけたんだと思います。自分が決めたトレーニングメニューに比べれば日常生活で起こることなんて何でもないというか、もう楽に過ごせるとも感じられますし。根本的には僕はまだ弱虫のままかもしれないですけれど、トレーニングを続けてきたことで、やると決めたことはやり通せるという自信はつきましたね。
※ 【後編】に続きます
武田真治

Profile

● 武田真治(たけだ・しんじ)
1972年12月18日、北海道生まれ。1989年「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞し、翌年俳優デビュー。「NIGHT HEAD」や「南くんの恋人」など話題作に出演し、注目を集める。1995年、蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』で舞台初主演。映画『御法度』(大島渚監督)では日本アカデミー賞優秀助演男優賞、ブルーリボン賞助演男優賞をダブル受賞。ドラマ、映画、舞台と多方面で活躍。

また、サックスプレイヤーとしても『Blow up』でデビュー後、数多くの作品をリリース。近年ではNHK「みんなで筋肉体操」が話題になり、2018年、2019年と2年連続で「NHK紅白歌合戦」に出演。2020年は芸能生活30周年を記念してアルバム『BREATH OF LIFE』を9月9日にリリース。

2023年5月15日より、ミュージカル「ファインディング・ネバーランド」が新国立劇場にて上演中。

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協力
イサムカタヤマ バックラッシュ 03-3462-2070

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