2024.02.17
Q.「16時間断食」が糖尿病や高血圧の予防になるってホント?
挑戦した50代の担当編集・Kが、体重5kg減、ウエスト7cm減を達成。これまでのダイエットでリバウンドを繰り返してきたのに、16時間断食でなぜ効果が出たのか? 提唱者の医学博士・青木 厚先生に聞いてみました。
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(LEON.JP)
体が若々しく蘇る「16時間断食」は、まさにオヤジさん向きのダイエット
2カ月で3kg減ったことに気をよくして続けること9カ月の今、体重5kg減(BMI 21.5→19.5)、ウエスト7cm減を達成。結果だけでなく、難なく続けられたことに驚き、これをオヤジさんにも伝えねばと、著者の医学博士・青木 厚先生(50代)を取材しました。
空腹の時間を作ることで、加齢や食べすぎによるダメージがリセットでき、「オートファジー(古くなった細胞が新しく生まれ変わる体の仕組み)」が活性化して、体が若々しく蘇る、まさにオヤジ向きの食事法が「16時間断食」。実践中に浮かんだ疑問を、先生にぶつけてみたのでご注目!
Q.「16時間断食」と運動で体脂肪率17%→4.1%!
K えー! 先生は婚活中だったんですか!?
先生 そうなんですよ(笑)。婚活中はやっぱり、セクシーなボディのほうがいいじゃないですか。16時間断食と運動のおかげで体脂肪率17%が4.1%になりました。
K すごい! アスリート並みですね。16時間断食を始める前は、どんな体型だったんですか?
先生 お腹のぽっこり出た、ただの中年のおじさんです。10年ほど続けて、ここまできました。
Q.「16時間断食」でウエスト7cm減。こんなに効果があるとは驚きです
先生 ファスティング(断食)のメカニズムを説明しますね。食後4時間程度は、体内の細胞は血液中のブドウ糖を取り入れてエネルギーに変えています。さらに4〜10時間は、肝臓や筋肉にあるグリコーゲンというブドウ糖を分解して、エネルギーに変える。
そういったブドウ糖やグリコーゲンがなくなる10時間以降に、ようやく体内の中性脂肪やタンパク質をケトン体に変換してエネルギーに変えるんです。つまり食後10時間以上空けることで、ケトン体代謝が始まる。16時間断食で脂肪が落ちるのは、そのためです。
Q.「16時間断食」は続けることが先決。空腹時間を作るだけと割り切って
K はい! 仕事終わりのビールや食事ができなくなると、日々の楽しみがなくなってしまいます。
先生 あくまで理想ですからね。日中に仕事をしている人は、食べてOKな時間を12時から20時までなど、無理なく続けられる設定にするといいでしょう。
僕も実践中は、7時の朝食から21時頃の夕食までの仕事の間は何も食べない、平日は14〜16時間断食、土日のどちらかは夕食しか食べない24時間断食の設定にしてました。とにかく大事なのは、続けることです。
Q.「16時間断食」は、残りの8時間に食事制限がないってホント?
先生 そうですね。16時間の断食が続けられるなら、残りの8時間は基本的に何を食べても問題ありませんよ。
K それを聞いて安心しました。8時間は何を食べてもいいというのが、このダイエットが続けやすい理由だと思います。ただ最初は空腹に慣れるまでが大変です。耐えられない時のしのぎ方はありますか?
Q.「16時間断食」が糖尿病や高血圧の予防になるってホント?
先生 僕は糖尿病の専門医なので、患者さんには食べすぎによって内臓脂肪が増えてしまったメタボの人が多いんです。そういう人がダイエットをすると、一般的には体にとって不要な内臓脂肪から落ちて、最初に体重が減っていきます。でも16時間断食は、順序が違うんですよね。
まず便通がよくなり、その次に肌がきれいになるのと同時に血圧が下がる。それから体重が減ってきて血糖値が下がる。どうしてこの順序で効果が出るのか、おそらく腸内環境の改善が理由だと思います。