2024.04.28
【Q3】薄毛の治療薬の副作用でEDになるってホント?
オヤジの皆さま、最近、髪のボリュームが気になっていませんか? 忍び寄る薄毛の影に、日々不安を抱えている方も多いかと。そこで、薄毛にまつわる疑問を掲げ、「Dクリニック東京」を訪問。小山院長に答えていただきました。
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
A.EDの可能性は1%。薬の服用をやめれば治るので、結局は本人の優先順位です
まずは、薄毛にまつわる疑問を解消して、自分なりの対処法を見出したいところ。そこで、薄毛治療の総合クリニック「Dクリニック東京」の小山太郎院長に教えていただきました。
Q.薄毛の治療薬の副作用でEDになるってホント?
先生 まずは家族など身近な人に、「俺の髪って薄くなった?」と率直に聞いてみては? 客観的に見て「全然気にならない」という答えなら、本人の気にしすぎかもしれないし、周囲も同意するようであれば、程度はさておき薄毛の可能性があります。
AGAは病気ではないので、無理にクリニックに行く必要はありませんが、一度発症するとホームケアだけで進行を止めることは基本的にはできません。今の状態を改善したいなら、医療機関を受診して早めに治療を始めるのがオススメです。
髪の毛は1日に平均して100本ほど抜けています。一番多く抜けるのはシャンプーをしている時ですが、通勤時や仕事中、家でくつろいでいる時にも自然と抜けています。だから、お風呂場の排水口に100本以上も抜け毛が溜まっていたら、おかしいですよね。
── 頭頂部が薄くなるO型と生え際が後退するM型で、治療法は変わりますか?
先生 進行パターンによる治療の違いはありません。インターネットなどで「O型は治るけれど、M型は治りにくい」という噂が流布されていますが、これも間違い。治りにくさにも差はありません。
AGAの標準的な治療はフィナステリド(またはデュタステリド)内服薬とミノキシジル外用薬の併用になりますが、Dクリニックでは、これらの治療薬以外にも患者さんそれぞれの診察結果やご希望に合わせ、最適な治療を提供しています。
── 治療の効果はどれくらいで実感できますか?
先生 Dクリニックのホームページで、患者さんの症例を見てもらうとわかりやすいのですが、個人差はあるものの、投薬を始めておよそ6カ月でほとんどの患者さんに発毛効果を実感していただけています。早い人では3カ月くらいで実感していただけることもあります。
── 治療薬の副作用でEDになると聞きますが、本当ですか?
先生 これもよく言われていますよね。薬による副作用が起きる可能性は、もちろん0ではありません。ただそれは市販の風邪薬などと同じで、「すべての人に起こるわけではないけれど、起こる人もいますよ」という意味。
数値的に言うと、国内で一般的に使用されている「フィナステリド」という治療薬の成分で、1%くらいの男性に性欲減退や勃起が弱くなるという報告があります。しかし、それは服用をやめれば治るので、結局は個人の優先順位ですね。治療を始める前から、心配する必要はあまりないかもしれません。
── EDが治るということは、治療をやめると、薄毛も元に戻ってしまうのですか?
先生 戻ります。AGAは病気ではなくあくまでも生理現象です。薬の力で男性ホルモンの働きをセーブして毛量を増やしている状態なので、服用をやめると、その人の本来の自然な毛量に戻ってしまいます。薬で体質は変わりませんからね。
毛量を維持するためには、治療を続ける必要があります。やめ時は人それぞれですが、人に会う機会が減る退職を機にやめる方も多いですね。また、治療をやめようと思っていたけれど、同窓会の案内状が来たからもうしばらく続けるという方もいますよ。
● 小山太郎(こやま・たろう)
Dクリニック東京 院長。医学博士/日本臨床毛髪学会評議委員/日本メンズヘルス医学会幹事/NPO法人フューチャー・メディカル・ラボラトリー理事。慶應義塾大学の大学院で骨格筋の再生医療の研究、Brigham and Women's Hospital(Harvard Medical School)で創傷治癒の遺伝子治療の研究に従事。2010年にDクリニック東京(旧城西クリニック)に入職してからは、10年以上に渡ってAGA治療の実績を積み上げている。現在は診療の傍ら毛髪の研究に取り組んでおり、最新の知見に基づいた診療を心がけている。
■ Dクリニック東京
住所/東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内10F
TEL/0120-499-666(火〜金10:00〜19:00、土日9:00〜18:00受付)
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